あとがきと初期設定と人物像
ふふっ
あ、すみません。なななんと申します。
イチではないです。申し訳ない。
このお話が出来た経緯を書こうと自分の活動記録を読んでいたら、面白くて。
このお話、ちょっと変わっていると思いません? 冒頭が日本だったり、恋愛物かといったらそれだけでもなく、何だか美術系歴史少し絡む系? なぜそんなお話になったのか、ちょっとだけお話しますね。
某所某日、バトンを渡され書いた後のコメントで、いずれ新作を書きたいけれど、まだ連載を三本も抱えているし今は無理なんだ。
という話をしたかと思います。
そうしたらですね、ある方々に、大丈夫w、いけるよ〜、ガンバ! 、いっちょ頑張ってみよ〜 とそそのかされてスタートしてしまいました。
その某四人にあやかって、というか寄せて書いたので、初期設定としてこちら。
1、鑑定士が浮かんだ。知識欲のある 海水さまに喜んでもらえるかな、と。
2、peco さまの『切り裂きジャックと子爵令嬢~倫敦大使館付降魔武官・里中勇治郎〜』に寄せたかったので舞台を英国倫敦にした、年も。
3、秋月忍さまの『星蒼玉』の雰囲気を貰いたくて冒頭を日本にした。
4、恋愛物上手な山之上舞花さまにあやかり、恋愛物にすると決めた。
おっと、名前を出してしまいました。
安心して下さい、承諾済みです。
そんな4人に囲まれて出来たので、ちょっと不思議な感じです。
また、pecoさまから初期設定としてのアルバートとイチをお願いして描いて頂いたのがこちら。
私が完結を目指したのはこの絵を見てもらいたくて書いたようなものだとここに記しておきましょう。
アルバートのちょいワルな感じを言わなくても描いて下さり、イチの男装の雰囲気も見てきたかの様に描いて下さったpecoさま、ありがとうございます。
アルの翠眼もこちらから頂きました。
では、お待たせの設定集とは名ばかりの人物像集です。ちなみに初期からこういう風に決まっていた訳ではなく、段々と出て来ました。
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アルバート・ジェラルド
英国ジェラルド男爵家次男。20代前半。
ブラウンの髪、髪質は柔らかい。翠眼。
幼い頃はやんちゃ、貴婦人達とも色々遊んできた模様。認識されていないかもしれないが、本編の主人公である。イチに弱い。
仕事は出来るが好きでやってはいない。が、机にあれば好む好まざると片付けたくなる性分。イチが相手でなければ何事もそつなくこなしていく比較的良い男の筈が、イチに弱いが為に本編では何故かいつも後手に回る残念な男に。
唯一優っているのは恋愛経験値のみ。
後にイチの美術講釈を延々と聞く人生を歩むので、自然と骨董、美術にも詳しくなり、大英美術館を影ながら支えていく。
イチ・ナリタ(成田 市)
成田屋、老舗骨董店の長女。美術鑑定士。
漆黒の黒髪。癖もつかないストレート。
ご存知、黒瑪瑙の瞳。
14の時に母、りょうを結核で亡くす。以来父、兄の世話や骨董店を切り盛りする。母の代わりをしていた為、いかず後家に。また、日本人の女性としては背が高いので敬遠された。
イチが何事も一人でやっていってしまうのは、父、兄共にほとんど家に居なかったので、何事も一人で決めて切り盛りしていた為。鑑定士としての才は実は兄より上。それを見抜いた父から幼少期より手ほどきをされ、立派な骨董バカ、美術バカに。
18の時に兄の代わりに渡英。
特撮仮面さまのレビューにある通り、性格の根底はブラック・オニキスの由来から。
リチャード・メイ
英国・大英美術館キュレーター。40代後半。
某英国車好きバ○番組の司会者3人のうちの二人の名前をくっつけて名付けた。
容姿、性格はメイに寄せてある。
灰褐色の髪。軽くウェーブがかった髪。長さはしばるほどではないが、まあまあ長い。髪質はゴワゴワ。美術バカ。
フランスにいるルノアールにも連絡がつくことから、行動範囲は広い。慇懃で社交的ではなく見えるが、キュレーターの仕事として新しい美術家の発掘には余念がない。常展示とは別に新しい画家の紹介を企画するのが至福。
ドダリー卿
ドダリー子爵家当主。40代前半。
男色を好む。昔からそういう趣味だが、女性アレルギーも相まって更に傾倒していく。
美しい物には目がないので、イチも早くもターゲットに。美術に詳しいのでイチとの美術談義でイチの気を引こうとしていたが、イチの美術講釈が一枚も二枚も上手なのでそれも早々に諦めた。プライドの高い男。
執事(本名オズワルド)
ジェラルド男爵家アルバート専属の執事。
灰色混じりの白髪。60に近い。背筋はぴんとしている。
苦節三十年が口癖。幼少期よりアルバート専属なので、アルバートの全てを知っている。
やんちゃの尻拭いも全てしている。アルバートの言葉や行動が過ぎると両親以上に諌める貴重な存在。
ジェフリー・ジェラルド
ジェラルド男爵家当主。
ロジャー、アルバートの父。
美術、骨董に目がなく、展示即売会があると聞くと巴里まで飛んで行ってしまう。天真爛漫、放蕩息子が大人になったらこんな感じ。ジェラルド家領地の切り盛りなどアルバートに任せっぱなし。しかし財布の紐も握られている為、使える金は最低限しか持たせてもらっていない様だ。家が傾かないのはひとえにアルバートの管理のお陰。骨董を買うお金は、自前でどこからか捻り出しているので、結局二束三文の物しか買えない。それでも楽しんでいる。自分で見つけて買う、というのが楽しいらしい。
ロジャー・ジェラルド
ジェラルド男爵家長男。次期当主。
ジェラルド家の嫡男でありながら、幼少期から音楽の才があり、演奏活動に没頭して家の事は顧みず。母が自分を溺愛して弟を顧みないので、幼少期より常にアルバートの味方。
ただ、重い母の愛には辟易しているので滅多に家には帰らない。
父も母もアルバートを見ない為、荒れてきた弟を諌める為に、領地や家の仕事が出来るようになったら戻って継ぐ。という約束をしたが、アルバートが思いの外管理に優れているので、自分は廃嫡してアルバートに継がせられないかと考えている。
ちなみにアルバートが定期的に兄に領地等状況を知らせて返答もしているので、ロジャーが継いでも過不足は無い。本音は音楽だけやっていたい人。ピアノ、チェンバロが得意だが、本性は作曲家。
レディ・ジェラルド
ジェラルド男爵家当主夫人。
ロジャー、アルバートの母。
音楽に目がなく、音楽の才があったロジャーを溺愛する。アルバートが好ましくない訳ではない。愛の比重がロジャーに大きく傾いているだけの話だが、幼少期、自分と兄を比べてアルバートはずいぶん淋しい思いをしている。寄宿舎時代は荒れてずいぶんと無茶もして手がつけられなかったのは母の所為。母は、その理由が分からずオロオロするばかり。結果兄がアルバートを諌めて落ち着くのだが、その事も知らず、ただ落ち着いて良かったと思っている。ある意味幸せな人。
成田(父)
成田屋当主。一、市の父。
元々はそんなに骨董に狂った人では無かったが、最愛の妻を亡くし、もう骨董しか生き甲斐を持てなくなり、人としての箍が外れていく。
成田 一
成田屋の跡取り。市の兄。
父から幼少期より跡取りとしての手ほどきを受ける。市の才能にいち早く気付き、自分を磨く為に丁稚奉公へ、コツコツと努力していく。家へ戻り、父によって磨かれた市の才能に愕然とし、更に自分を追い込んでいく。市の才能には嫉妬するが、市の事は妹として愛している。行かず後家を心配する振りをして実はいつまでも成田屋に居て欲しいと思っていた。享年20
成田 りょう
成田屋当主夫人。一、市の母。
身体は細いがきっぷのいい気持ちの良い方。主人を愛し、骨董店を守りながら子育てをし、順風満帆、幸せな人生を歩んでいたが結核であっという間に亡くなってしまった。
余りにも早い死に家族は信じられず、夫に至っては心を病み狂っていく原因となるのだが、本人が生きていれば泣いてやめてくれと言ったでしょう。享年33
おきよ
市の幼少期より成田屋に奉公している。
りょうの右腕の様に働いていた。りょう亡き後は市を助けて働く。
お八重
市と同年代。市が成田屋を出る4年前から奉公に来ている。成田屋にいる期間は短いが、同年代で市も気さくなので主人の娘と奉公人という立場ながら友人の様な想いをお互いに持っている。
以上
存外と、出てない設定がありましたね。
最初から決まっていた設定もあれば、今回書き出してみて自分でも、あ、そうだったのね。。。と思う設定もあり、書いていて楽しかったです。
皆さまも楽しんで頂けたならこの上ない喜び。最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。
檸檬 絵郎さまからFAを頂きました!
ありがとうございます。
この寝顔を見てたら手は出せない、と思ったのがSSの始まりでした。珍しく後ろから決まったお話。
でも、きっと手は出しちゃうでしょう。アルの事だから。
また、カフスを買いに行くというアイデアは、特撮仮面さまとお話していた時に出来たアイデア。
特撮仮面さま、ありがとうございました!
長々と楽しんで頂きました、黒瑪瑙、これにて完結です。
読んで頂けて、とても嬉しいです。
またどこかで皆さまと会える事を願って。
ありがとうございました。




