再会(7)
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しばらく歩いたところに、一際目立つ建物の前へと辿り着いた。
ここが主上の住まう鳴尹宮。
もちろん、扉の前には2人の近衛騎士がいた。
「……っ玖苑様!」
「玖苑様、そちらの方は……?」
近衛騎士は不審者を見るような目で、チラリと玖苑の後ろにいる私を見てきた。
「私の知り合いです。主上にお会いしたいので、通して下さいませんか」
「……玖苑様のお願いでも、主上とそちらの方を会わせるのは難しいですよ」
「それに、こんな時間に来られても困りますね」
確かに、今は月が一番キラキラと輝く時間帯だ。
そんな時間に主上との面会は難しい。
「まぁ、そうでしょうね」
玖苑は近衛騎士の言葉に対して肯定を示した。
そもそも、わたくしが怪しがられてますわね。
外套を外した方がよかったのでしょうか。
「玖苑……?」
隣をチラリと伺ったが玖苑は考え事中らしく、視線が合わさることはなかった。
仕方なく、羽織っていた外套に手をかけた時_______
「玖苑、私は事前に申請が無ければ来客と会うつもりはないと伝えておいたはずだが」
煌架様とよく似た低音ボイスが聞こえてきた。
少しだけだらしなく胸の当たりがはだけた深衣を身に纏い、頭の上には主上だけがつけられる頭飾りが乗っていた。
さすが主上なだけあって、第二公子である煌架様よりも豪華な衣装だ。
「……っ紅、焔さま……。」
私はポツリと目の前にいる男性の名前を呼んだ。
この方は第二公子の父親で主上の稜 紅焔様だ。
「……鈴、鳴?」
視線が合ったかと思えば、紅焔様の口から出た名前は私の名前ではなかった。
鈴鳴とは私の母親、汀 鈴鳴のことだった。




