再会(4)
「夜夜は幼馴染み……と言うか、妹みたいなものですね。何せ、7歳も年下ですから。あぁ、もちろん濘音は夜夜の事知ってるから何も問題ないので」
「7歳も年下……?まだ10代なのか。そうは見えないが……。」
殿下はそう言って眉をひそめた。
「老けてると仰りたいのですか。わたくしは、まだ19歳になったばかりですのに」
「そうは言ってないだろう。大人っぽくて、10代に見えなかっただけだ。……それより、お前は何でそんな大荷物を持って皇宮まで来た?て言うかそもそも、玖苑は皇宮育ちなのにどうして幼馴染みがいるんだ??」
「……玖苑、本当だったのですね。殿下の記憶が無いという話は……。」
夜夜は顔を歪めて今にも泣きそうな表情になった。
話を無視されて殿下はじろりと瑠璃色の瞳で夜夜を睨みつける。
「記憶が無いと言っても、四年前のあの事件の事と夜夜を覚えいないだけですけどね」
玖苑は声のトーンを落として、夜夜に聞こえるくらいで話す。
「どうして……。わたくしだって、皇宮で育ちましたわ。いつも殿下のお側で、」
「夜夜、」
「四年前、わたくしがしっかりと殿下をお守りする事が出来てさえいれば、今頃こんな事には……っ」
「夜夜……ッそれ以上は何も言うな!!……殿下、あんたは公務の途中なんだから執務室行ってください」
玖苑が珍しく声を荒らげて泣き出しそうになった夜夜を止めた。
「おい、玖苑……。ちゃんと説明してくれ」
「それは後でにしてもいいですか。私たちは今から主上の所へ行かなければならないので」
玖苑はそう言って一呼吸置くと、夜夜が持ってきた大荷物を持ち上げた。
「……っうわ、おっも……。夜夜、一体何を入れたらこんなに重くなるのか。て言うか、これ持ってずっと歩いてきたんですか?」
「そうですけど、何か問題でもありますでしょうか。わたくし、荷物は自分で持ちますわ」
夜夜はそう言って玖苑から荷物を取り上げると、大事そうにそれを抱き締めた。
玖苑はその様子をチラリと訝しげに見てから、分かりましたと言って夜夜の腕を掴む。
「殿下、後でお話いたしますので大人しく執務に居てくださいね。では、これで失礼します」
「……あぁ、わかった」
殿下は少々納得のいっていない表情で頷くが、すぐに皇宮の方へと歩いていった。
「さて、夜夜。詳しく話してもらいますよ?」
「わかっております。話せることは包み隠さずお話いたします」
夜夜は大人しく玖苑に従い、主上の住まう『鳴尹宮』へと向かった。




