再会(3)
「"お久しぶりですね?"……じゃないですよッ貴方は今までどこに消えてたんですか?!」
そう言って少女を睨みつけたこの男性は、第二公子の側近である李 玖苑。
主上(王)である、稜 紅焔の右腕とも言われる、三省六部のうちのひとつである尚書省尚書令の李 瓏瑛の息子だ。
第二公子より2つ歳上の26歳という若さで、彼の右腕である側近を務めていることから、宮中では彼のことを尊敬している人が多いと言われている。
だが、残念なことに敬語を使っている割には言葉遣いが荒いとも言われていた。
「わたくしはしっかりと病院の方に言伝を残しましていきましたのに……。」
「あぁ、それは分かってますよ。しっかりと拝見させていただきましたので」
「では、このこ「ですが!」
少女が話を終わらせようとして口を開くが、玖苑がそれをすかさず止める。
「私が言いたいのは……っ姉さんや父上、紅焔様、郢明公主が一体どれだけ心配していたか分からないのかって事です!」
まぁ、特に心配していたのは父上と紅焔様と郢明公主ですけどね。と顔を顰めて言った。
郢明公主とは、皇帝陛下の娘である稜 淋漓のことだ。
郢明公主は煌架様の双子の妹でもあった。
「それは、……大変申し訳ないことを致しました」
少女は肩を落として赤い唇をギュッと噛む。
玖苑はそんな彼女に手を伸ばして自分の方へ引き寄せると、ギュッと抱き締めた。
先程から黙り込んで様子を見ていた第二公子と近衛兵たちは目を見開いて、「な……っ」と声を上げて驚いた。
「夜夜、お願いですからあまり私に心配をかけさせないで下さいよ。本当、貴方が危なっかしいのは小さい頃から全く変わらないですね」
「……おい、玖苑。どういう事だ?」
「それをお答えする前に1つ言いたいことがあるんですけど」
「……何だ?」
「唇、夜夜の紅がついてますけど」
玖苑は少女_______ 夜夜を抱き締めていた腕を緩めて離し、彼女の顔をチラリと見てから、どこから出したのか分からない布を殿下に投げつけた。
殿下はそれを受け取ると、何のためらいもなくその布で口元を拭う。
それを見てショックを受けたのは夜夜だけだった。




