再会
***
________ 遼珂国、皇宮にて。
「……どうしてですの?」
「そう言われても、無理なものは無理だ」
先程の注目を浴びていた少女が皇宮の入口にて、門番の近衛兵に足止めを食らっていた。
外套の下では少女の苛立ちが伺える。
「わたくしには会わなければならない方がいるのです。ここを通して下さいませ」
「一般人の立ち入りは禁止されている。知らないなんてことはないだろう?四年前のあの事件を」
"四年前のあの事件"……。
それは、四年前に皇宮内にある第二公子の住まう東宮で起こった放火事件だ。
知るものは少ないが、放火事件の時に中にいた侍女は負傷し、第二公子は記憶を失ったという。
「……あれから、事前に約束が無ければ王族や貴族達でさえも入る事が出来なくなったのです」
3人の近衛兵の1人がそう言って首を横に振る。
その他の2人も肩をすくめて軽くため息をついた。
すると、少女はずっと腕に抱えていた大荷物をぎゅっと抱きしめて黙り込んだ。
「て言うか、あの……。見た目からして怪しすぎですよね。どうして顔を隠しているのですか」
「いや、それよりもその大きな荷物はなんだ。一体何を入れたらそんなになるんだか」
「……そうですか。では、ここに玖苑を呼んできてください」
「……っお前!玖苑様を呼び捨てにするなど!」
「玖苑様は高貴なお方です。貴方のような一般人に面会などなさいませんよ」
『玖苑』という名前を少女が口にした途端、3人の表情が一気にこわばった。
明らかに少女を警戒しつつある。
「分かりました。では、……」
少女は抱え込んでいた荷物をそっと地面に置き、羽織っていた外套に手をかけた。
すると、そこへ____________
「お前達、一体何をしている」
少々威圧感と威厳のある低音ボイスが響いてきた。
その声に、3人よりもいち早く少女が反応して振り返った。
「「「こ、皇太子殿下……ッ!!」」」
3人が振り返った先には黒髪に王家の証である瑠璃色の瞳を持つ長身の男性_______遼珂国の第二公子、稜 煌架が立っていた。




