再会(17)
「「私達は主上に従います」」
玖苑と淑栄さんが深々とお辞儀をした。
「わかったわよ、わらわは諦めるわ。夜夜はお兄様の女史が一番よ」
「わたくしは、紅焔様の言う通りに致しますわ」
私はニッコリと微笑んでふわりとお辞儀する。
「……っそれが父上の命令だと言うのならば、私は従うしかありません」
煌架様は明らかに嫌そうな顔で答えた。
「ふ……っ決まりだな。では夜夜、まずは自己紹介をしなさい」
「はい、紅焔様。……殿下、わたくしは汀 夜夜と申します」
「てい、やや……?父上、4年前の東宮放火事件であがった容疑者の名前ですよね?!」
「確かに、夜夜は容疑者だった。だが、夜夜はお前を庇って重症で入院していたからな。容疑者からは外れただろう」
4年前、東宮への放火事件で怪我を負ったのは2人だけだった。
負傷した女史とはわたくしのことで、あの部屋にいたのはわたくしと殿下のふたりだけでしたわ。
わたくしは重症で見つかった時には死にかけていたと言われた。
何とか生き延びたからこそ、今ここにいられる。
「……では、あなたが私を庇って?」
「そうですわ。と言っても、覚えていらっしゃらないのでしょう?」
「……はい、そうですね」
「犯人は見つかっていない。だから、東宮も後宮もここも警備は厳重になっている。まぁ、犯人は分かっているが煌架が記憶を取り戻してくれなければ証拠にならんのだよ」
「つまり、危険だと分かりつつ夜夜を殿下の側に置いて記憶を取り戻させるおつもりですか」
玖苑が眉をひそめて紅焔様に問いかけた。
「あぁ、そうだ。だから、夜夜に李 淑栄をつけたのだ。それに、玖苑もいるから心配ないだろう」
「それは、確かにそうですが……。」
「わらわも夜夜のそばに居るようにするわ」
「……淋漓が側にいると落ち着かない」
「お兄様、ひどいわ!」
「とにかく!そういう事だから後の事ははよろしく頼むよ。いいか、煌架」
「……はい」
「夜夜、煌架のことをよろしくな。何かあれば、いつでもここへ来なさい」
紅焔様は穏やかな笑みを浮かべて私の頭を撫でた。
私達はその後、鳴尹宮を出て東宮へと向かった。
夜夜達が部屋を出ていった後……
「夜夜には申し訳ないけど、夜夜がいれば犯人はきっとまた同じような手を使ってくるからね」
女の嫉妬ってのは本当に怖いからな……と呟いた。




