再会(16)
『……あなたには真紅が似合うな』
『え……?』
『真紅はあなたの綺麗な瞳の色だ』
『……煌架様はわたくしの瞳の色がお好きですか』
『あぁ、だから真っ赤な椿や薔薇があなたには良く似合う。……夜夜の色は、真紅で決まりだな』
私が昔、煌架様に言われた色を殿下は答えた。
真紅はわたくしの瞳の色……。
その色を煌架様は好きだと言って下さった。
周りの人とは違う、真っ赤なわたくしの瞳の色。
「……っ煌架、様……。」
私の瞳から涙が零れ、頬を伝った。
「……何であなたは泣いているのですか」
「何故でしょうか……。強いていえば、殿下のせいですわ」
「は……?」
「夜夜、わらわは気付いてしまったわ。でも、言わない方がいいのよね」
「えぇ、今はまだ何も言わないでくださいませ」
真紅が似合うと煌架様に言われた事は、今まで1度も誰かに言ったことがない。
「……そうか。では、真紅の椿模様のものを幾つか見繕わせる」
紅焔様は満足げに笑って部下に走り書きのメモを持っていかせる。
煌架様だけは意味を分かっておらず、怪訝な表情を浮かべて佇んでいた。
「さて、李 淑栄」
「はい」
「そなたには夜夜の専属になってもらおうか」
「……っ夜夜の、ですか?!」
「嫌か?」
「そんな訳ありません!夜夜の専属なら、喜んでお引き受け致します」
「そう言うだろうと思っていたよ」
何故、なんの地位もないわたくしの専属に第二公子専属の淑栄さんを……?!
「父上、何故ですか!」
「……煌架、お前には夜夜をつける。これからは、夜夜が専属だ」
「主上?!」
「父上、一体何を……っ」
「お父様、夜夜はわらわの女史に……!」
「何を言っている、淋漓。私は誰が何を言おうと、この決断を変えることは無い」
紅焔様はキッパリと言い切って1人がけのソファに腰を下ろす。




