再会(12)
私は慌てて身なりを整えると、郢明公主の前へ歩いていって深々とお辞儀した。
「淋漓様、お久しぶりございます」
「夜夜……っお父様の新しい妃嬪かと思ったら、あなただったのね?!もう、どこへ消えたのかとわらわはずっと心配で心配で……!!」
淋漓様が瑠璃色の瞳をうるうるとさせて、ぎゅっと抱きついてきた。
頭飾りの蜻蛉玉がシャラリと音を立てて揺れた。
「淋漓様も相変わらずなのですね。御心配おかけして申し訳ありませんでした」
そっと淋漓様の腕を解いて離れると、先程よりは軽く頭を下げた。
視界に入るのは、淋漓様が着ている可愛らしい桜の模様が入った淡い桃色の衣装。
「……っ嫌よ、夜夜!その他人行儀な話し方やめなきゃ、わらわは許さないわ」
彼女は薄紅色の唇を噛み締めて、ツンとそっぽを向いてしまった。
「ふふ……っそんな事言われても困りますわ、お姉様」
私は思わずさっき離したばかりのお姉様にギュッと抱きついた。
こうやって改めて抱きついてみると前は彼女の胸に顔を埋めてしまっていたけれど、今は肩の位置に顔がある。
「夜夜、身長伸びたのね?前は小さくて、なかなか伸びなくて悩んでたもの」
「お姉様!身長のことは言わないでくださいませ」
お姉様は紅焔様に似て身長が高く、4年前でも165cm以上はあった。
…………それに比べてわたくしは、140cm前半だったのだけれど。
「そう言えば、お父様!わらわの夜夜に手を出したりなんてしていませんよね?」
お姉様がクスクスと私を見て笑うのをやめて、紅焔様に視線を向けた。
「いやいや何を言ってるんだ、淋漓。夜夜は娘として見てるだけに決まってる。そもそも、夜夜は淋漓のものでは無いだろう」
「……女として見ていたら、最低ですわ。それと、お兄様が記憶喪失だから夜夜はわらわのモノ」
ぎゅうううっと抱きしめられたまま、お姉様は自慢げに言って口元を緩めた。




