再会(10)
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鳴尹宮は何度も入ったことがあるが、以前よりもはるかに豪華になっているような気がした。
たくさんの装飾品が煌びやかに輝いている。
天井から吊るされているシャンデリアはダイヤモンドがキラリと光っている。
床は真っ赤なカーペットで、シミ一つなかった。
さすが、主上の住まう宮だ。
先に行ってしまった玖苑を追いかけると、談話室ではもう既に紅焔様が1人掛けのソファに座って待っていた。
「さて、話をしようか。夜夜、玖苑、どこでもいいから座れ」
紅焔様に促されて私は向かいのソファに腰を掛け、隣に荷物を置いた。
「夜夜、どうして突然病院からいなくなったのか教えてくれないか」
「紅焔様、申し訳ありません。わたくしはその質問に答えるつもりはありませんわ」
そう答えると、紅焔様の表情が歪んだ。
「……そう、か。じゃあせめて、何故今戻ってきたのかは教えてくれ」
「それは、……4年経った今でも煌架様を愛しているからですわ」
私は紅焔様から目をそらさずに答えた。
すると紅焔様は表情を緩ませてソファから立ち上がり、私の傍へと歩いてきて頭に手を乗せるとフッと笑みを浮かべた。
「……っえ?」
頭の上からスーッと髪の毛をとくように何度か撫でられた。
私にはその行動の意味がわからなかった。
「……よかった。もう夜夜はココへ戻ってきてくれないのかと思っていたんだ」
「御心配をおかけして申し訳ありませんでした」
「元気そうで何よりだ。……だが、夜夜は私の娘も同然なんだから、もう心配させないでくれ」
紅焔様はそう言って私の背中に手を添えると、上から覆いかぶさるように抱き締めてきた。
「……っ紅焔、様」
「夜夜、今は何も聞かない。だが、いつかはちゃんと全て話してくれないか」
「……っはい。わかり、ました」
私が頷くと、「……いい子だ」と言って頭を優しく撫でられた。
だから、思わず自分から紅焔様の背中へと手を回してしまった。




