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姫様転生 -運命の歯車をぶち壊せ-  作者: ねこねここねこ
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盗賊狩り

 「一日に一件ペースで盗賊に狙われるってどういうことよ!!」


 私は八つ当たり気味に盗賊の尻を蹴り上げルークを見る。


 「仕方がないですよ。男一人に女性が二人。こんな山道を歩いていれば狙って下さいと言っているようなものです。普通は戦えない女性二人を攫えばいいだけなんですから。」


 ルークは落ちている木の棒を手に一人、また一人と打ち倒していく。その動きに無駄はなく始めてみた頃を思い出すと天と地の差である。あの時でさえ強いと感じていたのにこの四年間はそれだけのものを詰め込まれたのだろう。


 「ちょっと、本気でいいなら私が全員をまとめて倒してもいいんだけど!!殺さぬ程度にって甘くない?盗賊よ所詮は!」


 それは我々も同じであり口だけの外野であったエレナは隠れるだけの存在ではなく、こうして大の大人を簡単に無力化出来る程の実力をつけていた。負けるのがとにかく嫌いな貴族の性格がいい方向に出たのか、あのエロ爺がそう仕向けるのが上手かったのかは判断がつけにくいのだが…。


 解せないのは明らかにエレナに群がる敵が多いという事だ。エレナは背が伸び美人になっていた。剣を振るう度に揺れる胸に吸い寄せられるように敵が釣れていく。


 盗賊の前に立たせればホイホイと釣れるのだから困ったものである。


 「あー殺すとメンドクサイから気絶させたら縛っておきましょう。助けてもらえなかったらそれまでという事で。」


 私はたまにやってくる人質にしようと考える輩を処理する程度だがそれらを相手にしながら答える。


 14歳からそろそろ15歳へと向かい始めた私だが、身長はやや伸びはすれどもよく言えばほっそりとした体系は成長をみせていない。大器晩成型なのであろうか?


 「そっちの方が酷い気がするわよ?」


 エレナは遊ぶのに飽きたのかバク転をし相手との距離を取ると片膝を立て居合の構えを取る。


 「見えた!」


 「ああ、見えたな!」


 「くそう!チビを見てて見逃した!」


 盗賊三人の足が止まる。


 「エレナ、私も見えたよー。何でスケスケの白?」


 キンッ 

 

 一瞬、耳鳴りのような物が耳に届く。


 「もう一度見せやがれー!」


 見えなかった男が突っ込んでいく。愚かな。それにしてもパンツくらいで怒るならあんなアクロバットな下がり方をしなければいいの・・・あいつチビとか言ってたか?


 「エレナ、許可。」


 「わかったわ。三人まとめてになるけどね!」


 盗賊がナイフをエレナに振り下ろそうとする途中で動きを止めていた。


 チンッ!


 「はん!その刀は見かけ倒しか!抜きもしないのに手を当ててるだけで怖がってるのか!少し刃を出したはいいが抜けないのか!」


 エレナは立ち上がると馬鹿にしている男をちょんっと押す。男の視界は次の瞬間には天を仰いでいた。


 「お?いつの間に倒されたんだ。柔術か何かか?あん?足がいう事を効かねーぞ。立て・・・」


 そこにあるのはなんだ?何故自分の足がそこにある?とい表情が次第に青く染まり始める。


 エレナは既に一度刃を抜いていたのだ。


 「おい!お前たち・・・お前たち?」


 振り返ると距離があったにも関わらず二人は胴から下半分を残し地面に倒れ伏せていた。


 「師匠のようにはいかないか。」


 「エレナさん!背後に新たな敵です。」

 

 「気づいてるわ!魔術師が二人よね。ほっとけばいいんじゃないかしら。どうせ、マリアが倒すでしょ。」


 「来ましたファイヤーボールのようです。」


 私は二人に向かって手をかざす。


 「省略版、シールド。」


 バシュンッ


 と音を立てて炎の玉が霧散する。少し視界が悪くなるのが欠点だが、風の壁が二人の前に現れ炎の玉の力をかき消したのだ。


 「そんな!詠唱もなしにだと!相手は魔法使い並みか。」


 逃げようとする遠目に移る魔術師の数名を捕らえる。


 「ウォール オブ ラビリンス。」


 地面が揺らぎ魔術師達のいる場所を中心に木々の間に土の壁が出来上がる周囲50m程をその名の通り迷宮が完成する。

 

 「うわっ、えげつないの使ったわよ。」


 「僕も思い出しましたよ。あれですか。」


 二人とも私の実験台になった事を思い出したのだ。


 この魔術は土系操作ができる物かなんかしらの威力のある魔法を使える物、頑張って掘ることができる人しか抜けられない。


 外周は土の円で囲まれた行き止まりである。円の最も深くの壁を壊さないと出れない出口のない迷路。

 途中の壁を壊してもまた壁が出てくるわけである。そして空を飛ぶ魔術を使う事が出来るのはある程度の高度な魔術を使うものか魔族だけであり登ろうとするやつを感知したら水の魔法で押し流してやればいい。


 この二人が思い出したのは私がこの倍の迷宮を作った時に各ポイントにゴーレムを配置したことがあったからだろう。その分ちゃんと出口も作ってあげたわけだが。


 「まあ、今回はほっといていいんじゃない?」


 私はエレナに言うと回収するもの回収したらさっさと行きましょうと言う。今日こそは野宿は脱したい。


 「こちらは完了です。」


 「私も全員縛ったわよ。で、そっちは・・・まだ出てない所をみると苦労しそうね中の魔術師達は、まじめに探しているのかも知れないわね出口。可哀想に。」


 「うるさいなー、これ作ったのエレナの発言が元だからね?」


 私は抗議するが二人ともそんな魔術を使った本人がなどと言っている。


 それはさておき、いつの間に私達は盗賊狩りが板についたのだろうか。


 食料と貯め込んだ宝石を回収させてもらうと泣き叫ぶ声を後に旅に戻るのだった。


 「あれの一番キツイ所は作った場所によって食料がまったく手に入らないのよね。外から助けが来ても中がどうなってるかわからないし。木々を結ぶように上に蓋をしたら日の光も入らないのよね。今回はそれはなさそうだけど。」


 (まだ言うか!!)







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