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姫様転生 -運命の歯車をぶち壊せ-  作者: ねこねここねこ
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勝利の美酒とタコ料理

 浜辺にてバーベキューが開催されている。

 肉の代わりにひたすらタコなのだが皆はおいしそうに食事をしている。

 

 酒場のマスターが出張で調理の陣頭指揮を取っているらしい。


 「・・・人を食ってたタコを食べれるの?」


 とエレナが嫌そうにしていたのには私も激しく同意だが街の皆は逞しく所詮はタコだとの事。


(いやいや、魔力を蓄えてたはずですよね。どう考えても人体に影響あるでしょ。)


 けれど街の人にとっては散々魔獣オクトパスやら、悪魔のオクトパスなど言っていたのに倒してしまえば、毒見がてら犬に食べさせ問題なければタコはタコのようである。


 サメだって人を食べるが尾びれは美味いだろと言われると何とも反論しにくい。


 (でも、食べるけど食べてないのと確実に食べたのでは色々と違うと私は思うのだが。)


 けれどこうして目の前に大量につくられたタコ料理を前にすると普通に美味しそうだから困るのだが。


 皆、昼間から酒を片手に宴会状態である。


 「よう!マリア様よ!ちゃんと食べてるか!」


 「・・・・食べてます。タコ以外。」


 ドンは既に酒臭く出来上がっているらしい。


 「美味しいのに。」


 ウェルチはぶつ切りにしたタコの足を串でさしたモノを食べている。縁日で売ってたのとは随分とイメージが違うのだが・・・


 「そうそう、お前様達。今回の分け前はどうするんです?」


 「ああ、報酬の件ね。まー四等分でいいんじゃない?」


 「四等分?」


 ドンが不思議そうな顔をする。


 「そう。均等に私達3グループと亡くなった人の家族分。今回の被害者6名の家族。」


 「そうか・・・へへっ、ガキ・・まだまだ子供のくせに!」


 ドンは機嫌よく人の頭をガシガシと撫でようとして止める。


 (ん?)


 「いけないいけない。んじゃ、俺は他のとこに挨拶に行くからよ!後で皆の前で一言よろしくお願いな!」


 そういうとドンは危ない危ないと言いながら他の仲間の所へと行ってしまった。


 「・・・なんかさっきからドンの言動やら行動が変な気がするのだが?」


 「会った時から変だったけどね。」


 さすがのウェルチさん、相変わらず酷いです。


 「皆は?」


 「シルフィーはいじられてる。エレナはあそこで何やら怪しい毒物を作ってる。ルークは知らない。」


 見るとシルフィーは皆に慰められながら飲まされている。今回の作戦の一番の被害者だったのだ。接待のつもりなのかドンの仲間達はシルフィーを宥めながらアンタが居たから!などとシルフィーを時折もちあげている。


 「ちょっと出てくるよ。そうそう、少し買い物に行ってくるとでもいって皆をすぐ旅にでれるようにさせておいてくれる?」


 「・・・まあこのままだと色々と面倒ごとになりそうだしね。」


 ウェルチも気づいているようだ。


**********************************

 浜辺を出て冒険者ギルドに向かう途中、ルークがギルドから出てどこかへ向かうのを見かける。


 見失わないうちに急いで冒険者ギルドに顔を出し一言だけ要件をいうと驚き慌てる声の主を無視してルークを追いかける。


 (確か・・・こっちの方に向かったはず。)


 街の横にある丘、見晴らしのいいところにルークがいた。十字の木の板に酒をかけている所をみるとそこに眠っているのはルークの元パーティーの戦友なのだろう。骸無き魂の墓場。


 「・・・誰かいるのか?」


 「邪魔しちゃった?」


 「いいや、僕こそ勝手に出てきてしまって奴隷の身で申し訳ない。」

 

 ルークは座りながら海岸線を見ている。


 私も隣に並ぶ。


 これから夕方になるときっとここは凄い綺麗な光景が見えるのだろう。傾きだしている太陽をしばらく黙って二人で見る。


 潮の匂い、ザザーっという波の音、鳥たちの鳴く声が響き渡るのはどこの世界でも同じようだ。


 「・・・ありがとう。僕のわがままを聞いてくれて。」


 「別に、私がしたいからしただけよ。」


 「そうか。」


 「そうよ。」



 私はルークの肩をそっと叩く。


 「夕刻にはこの街をでるわ。ルークはどうする?」


 「・・・僕は奴隷だ。それに恩を返すまでは嫌と言われてもついて行くつもりさ。」


 「ならば荷物を纏めなさい。私は先に街の外で待っているから。」


 「すまない。あと少し・・・別れを済ませたらすぐにいく。」


 「これを。自分のモノは自分で揃えなさい。それも時間に込みだからね。」


 「こんなに?」


 「元の装備一式とまではいかないと思うけどね。今の所このパーティーの中で貴方は二番目に強い。これは必要な投資よ。」


 「わかった。」


 私は先に街の外へと向かうのだった。




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