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姫様転生 -運命の歯車をぶち壊せ-  作者: ねこねここねこ
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ホド村 盗賊子分vsマリア

脱出!何か忘れているような・・・

 財布も元通り、この旅用の袋の中身も何一つかけることなくきちんとある。

 しいて言うならば下着が何故か無くなっていて、逆に知らない女物の下着が増えているくらいである。

 

 (・・・もしかしてあの少年の仕業であろうか?)


 あの短時間で女性盗賊の部屋を探して小さいサイズの下着を取ってきたとでもいうのだろうか。袋を背負い、短剣を左腰に下げ、財布を右の腰元に括り付ける。あの少年の事を考えるのは取り敢えず後回しにし準備を整える。


 「よし、さっさと逃げるとしますか。」


 盗賊のアジトなんて初めての体験だしお宝とかありそうな気もするが、それよりも高価な宝石を取られずに助かったのださっさとここから逃げるのが先だろう。


 「そういえば、見張りが一人いるとか言ってた気がするけど・・・あの少年が倒してくれたのかな?」


 ふと淡い期待をするが、出口まで来た時にやはりかとも思う。どうやって逃げたのかは知らないが気づかれずに出て行ったみたいだ。


 出口にいた盗賊のアジトの見張りの男と出くわせてしまったのだ。


 「物凄い音がしたが、お前さんだったとはな。どうやって抜け出したかはしらないが、ここから先にはいかせないぞ。」


 見慣れた顔、あの時私を襲った細身の男だ。


 「さて、今ここにいるのは俺一人だがどうする?大人しく牢屋に戻るか、俺に気絶させられ戻されるか。好きな方を選びな。」


 恐怖が蘇る・・・けれども今しか逃げるチャンスはないだろう。正直、大勢いる時に逃げることは今の私では100%無理だ。けれど、相手が一人なら逃げる事は出来るかもしれない。


 (金貨を投げれば反応しそうな気がする。その隙に逃げるか?)


 けれども、相手の表情からそれは間違った選択のような気がする。

 

 「その腰についた剣は飾りか?剣は抜かないのか。」


 「・・・言われなくてもやってやる!・・・わよ。」

 

 短剣を両手で持ち構える。相手も短剣のようであるが右手右足を出したフェンシングスタイルである。


 (実践・・・剣道の試合とはわけが違う。竹刀のように面をよけて肩で受けることも出来ない。)


 体力、腕力、素早さ、リーチ、何を取っても今の私にはこの男に勝てるモノがない。ならば意外性にかけるしかない。手に持つのは短剣である。過去の僕のやり方(剣道)では相手を倒せないだろう。


 「行くぞ!」


 相手の手元をよく見て真っ直ぐに走る。相手は短剣を横にして受ける構えを見せる。

 子供として侮っているならばそれをより強く意識させる。

 

 馬鹿正直に真っ直ぐに振り下ろす。

 

 キン!


 剣同士がぶつかる。予想通りに剣を受ける盗賊の男は私に力比べをさせると


 「おら、どうした!そんなもんか!」


 受けたままの状態から腕力だけで短剣を跳ね上げる。両手が上に持ち上げられ胴がガラ空きになる。

 

 (短剣や隠しナイフ以外の蹴りかパンチで頼む!)


 次に来るだろう衝撃に備えて腹部に力を入れるが次の衝撃が来ない。後ろに数歩下がり間合いを取る。


 「所詮はガキの腕力だな。一ついい事を教えてやる。その短剣で俺を刺したとしても殺せないぞ。お前が生き延びるには心臓か首を上手く一突きしないとなー。短剣の弱点は個人のスキルが高くないと手数少なく相手に致命傷を与えられないことだ。」

 

 短剣に舌を這わせると男は短剣の刃を手にナイフ投げのように持つ。


 「だが、スキルが高いとこんな風にも短剣は使えるんだぜ?」


 言うと真っ直ぐに短剣を投げつける。まさか武器を投げつけてくるとは思わなかったが辛うじて短剣を弾き上に飛ばすと少し後ろに落ちる気配がする。


 男は真っ直ぐに走ってくると頭に向けて蹴りを放つ。


 (くっ・・・この!)


 なんとか体を反りギリギリ躱す。身長が低くて今回ばかりは助かった。それにこの体は思っていたよりも体が柔らかいらしい。


 『お前は女だ。どうやっても女としてしか生きられない。己を知り己を認めない限り成長はない。』


 あの少年の言葉を思い出す。相手は蹴りを振りぬくとそのまま剣を取る為しゃがみ込む。

 

 (ならばこの体の柔らかさを使ってやる!こうして体を捻って!)


 状態を反らした所から右側に体を捻る。相手の方へと体の向きを入れ替えると短剣を横に薙ぐがあと一歩相手に短剣が届かない。相手が短剣に手を伸ばすのが見える。


 「ちっ、このクソガキが!手間を取らせやがって!」

 

 丹田に丸い魔力をイメージし作り上げる。

 

 「私は・・・マリアだ!」


 私は短剣に魔力を流し込みながらそのまま回転し続け、左足を軸にもう一歩踏み込みながら右足を跳ね上げる。相手を見失わないようになるべく素早く空中で回転する。


 洞窟でのイメージを思い出しながら短剣に魔力を素早く流し込む。短剣が光り魔力の刃が宿ったのがわかる。先程の4分の1のイメージで作った刃は普通の長剣くらいの長さとなり相手に向かっていく。


 「だからこんな所で・・・」


 盗賊は振り返り短剣を両手に構えて防ぎ弾き返そうと構えている。


 「負けてたまるかー!」


 全体重を乗せた魔力の刃の一撃は短剣のいとも簡単に切り落とし相手ごと真っ二つに切り捨てる。


 「うぶっ!」


 着地まで考えていなかった為、背中から思い切り地面に打ちつけられる。


 (呼吸が・・・でも相手を倒したぞ!・・・倒したわ!)


 「うっ!うげえ。」


 辺りに広がる匂いと自分の行為の後に胃を空にさせられる。そこまで多く食べていなかったのがよかったのだろう。


 「この世界で私は生きる・・・慣れたくはないけどこういう事も含めて私はこの世界の住人として生きていくんだ。後悔と罪の意識は今日で全部吐き出す。明日からは全てをあるがままに受け入れる!」


 だから今は思い切りその罪の味を十字架を悔いを受け入れ吐き出す。

 

 (はあ・・・はあ・・・うえっ・・はあ・・・はあ・・)


 「カオル!大丈夫か!」


 今度こそウェルチの声がする。


 「大丈夫かカオル!これはお前がやったのか?大丈夫かカオル!」


 「違う・・・」


 「お前がやったんじゃないのか?じゃあ、誰がこの盗賊を?剣を切るほどの腕をしているなんて。近くに誰かいるのか!」


 体を支えながらウェルチが警戒をする。


 「違うん・・違うわ。ウェルチ。私がやったの。それは事実でほかの誰でもない私がこの人を切ったの。・・・ううっ。」


 「これをカオルが?信じられない。そういえば、何か言いかけてたけどじゃあ、何が違うんだい?」


 ウェルチは私の口を拭き、水の入った水筒を渡してくる。

 私は口をゆすぎ吐き捨てるとウェルチにもう大丈夫と言って体を離す。


 「違うのは私の本名。私はアシラッド=ミラ=マリア。ウェルチさん、これからはマリアと呼んでください!」






ホド村編終了というか盗賊編ですね・・・軽くホド村がどうなったか書きますが、マリアたちは村を放置して旅にでます。

そんなんでいいのか!主人公!

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