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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

私は逝きました。

作者: バール



ホラー書こうとしたら全然違うものになった\(^o^)/

私は十字路に立っていた。

白い白いミルクが溶けたような空間の中、

私は十字路に立っていたのだ。



……あぁ。これは夢だ…。


私はそう気付いていた。

こんな空間は現実には絶対に存在しないし気づかないうちにここにきた事もおかしかった。

多分道を戻ればこの夢も覚めるのだろう。





……戻るつもりはないが……。




私はここに来た経緯を思い出したのだ。

最後に見たものを……





降りそそぐ雨






迫るライト







ありえない方向に曲がった自分の手……






戻れば辛い現実が待っている。



では前に行けば楽に逝けるのだろうか?








わからない。





何もわからない。






次に私は右と左について考えてみた。




単純に前に行く事が"死"を意味するならば右と左は何を表すのか、








それもわからなかった。









十字路に立ち、私は考える事しかできなかった。

前か右か、それとも左か……。



ふと、私はある事に気付いた。



……なぜ私はこんなに戻る気がないのだろう?普通は例え事故にあって酷い怪我をしたとしても生きたいとは思わないのか……?


そう思って手元を見ると左手の薬指に微かな光を放つ指輪がはまっていた。



……あぁ。だから私は………。





指輪の光る石の上に、ポツンと水滴が落ちた。










道は決まった。

私は、左を選んだ。



そこに彼が待っているから……。











最初は歩いて、だんだん早足になり、最後には息が上がるほどになって彼の元に走った。



苦しくて苦しくて、今までこんなに走ったことなんてないくらい走って走って……




走って……






ようやく私が立ち止まったのは、彼が目の前に現れたからだった。



あの日と変わらない、最後に見た後ろ姿で……。


彼は歩き出そうとする。





「っハァハァ……待って!!!」




私はまだ息が荒れているのに彼を引き止めた。

彼がまたあの日のように消えてしまいそうだったからだ。







プロポーズされた次の日だったあの日の姿に……。




死因が恋人と同じって笑っちゃうわねと場違いな事を私は考えた。





私が引き止めた後、彼は動きを止めた。何かを考えるように10秒……20秒……そして、何かを決意したのか、ゆっくりとこちらを振り返った。




「アキラ……」



彼は怒りの眼差しを私に向けていた。




「カオル……」



その声には

『なぜ道を戻らなかったんだ……!?』

という意味がこめられているようだった。




……バカな人。





私は笑った。




「っ………!?」



彼が目を見開いて私を見た。

私はそんな彼を見つめながら口に微かな笑みを浮かべて言った。






「貴方のいない世界にもう一度帰るなんて出来る訳ないじゃない。」


私の言葉に彼はすかさず反論する。



「っ……でも俺は……!!」

「貴方が自分の事を忘れて私に生きて幸せになってもらいたいのは知ってる。でもね……」







「私は貴方以外の相手と幸せになる予定はないのよ……!!」



私は彼を抱きしめた。



もう絶対に離したりはしない。

そう決意を込めて……。



「カオル……」


彼は戸惑った声を上げたが私を振り払おうとはしなかった。

彼もわかっているのだ。この私を拒む事なんて出来ないと……。


彼はまだ少し躊躇しながら……しかし私を強く抱きしめた。





「……愛してる。」

「……私もよ。」




彼は私に口付けした。



空から白いフワフワした物が落ちてくる。



……まるで祝福されてるみたいね。


私がそう彼を見つめると


……これは結婚式なんだよ。


そう彼は見つめ返した。



私は笑みを浮かべた。



彼も私を見つめて微笑んだ。



そうして私達はもう一度口付けを交わした。




私は幸せを感じながら、遠くで教会の鐘の音が聴こえた気がした……。










私は逝きました……。


……愛する彼と一緒に。






























というリア充爆発エンドでした!!


ここまでお読みくださりありがとうございます!!


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