兄の影響
私には兄がいる。
その影響は大きく、今、私が好んでいるものの半分くらいはそれを受けています。
本や映画、とりわけ洋風なファンタジーだとか。そんな雰囲気が色濃いゲームだとか。
本に関していちばん印象に残っている、いちばん古い記憶は、兄が小学校の図書館から借りてきた「怪人二十面相」。ストーリーだとかはもう曖昧で、小林くんがいたはず…女の人もいなかたっけ? くらいの記憶なのだけど、夜に、多分、二十面相が時計塔がありそうな屋根の上に立っていて、おそらく小林くんに声をかけていた…気がするんだけど違ったらどうしよう。でもそのシーンが強く心に刻まれています。幼少時におけるありがちな記憶の捏造かもしれない上に全然ファンタジーじゃないけど。
でも、このことによって、本や物語に興味を持ったのかなと思います。その後はしばらく兄から本の影響を受けてはいなかったけど、私が高校生になったくらいから、どどんとお勧め小説を紹介されるようになりました。私が兄と小説の話が出来るくらいの知恵をつけたと認められたってことでしょうか。
勧められたジャンルは、某岩波でいうところの「赤」。敬愛するほどに好きになったのはジュール・ヴェルヌ。筏で漂流する話を最初に読んだのですが、本を読んで本気で吐き気を覚えたのも初めてでした。思春期の多感さもあってでしょうけど。他には短編集が多かったでしょうか。O・ヘンリーとかポーとかカフカとか。外国の民話も勧められたな。面白かったです。