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プロローグ
さよならを言わずに君は去った。
僕たちにはさよならなんて必要ないと思ってたのは、きっと僕らが若かったから。
主人公とヒロインが死に目にキスをするなんてお話の中だけで、現実は残酷だ。
僕が君を見たときは、もう君を抱きしめることは出来ない状況だった。
でも、君の死体を見たときに、顔に着いている血さえも美しいと思った。
身体は最早原型を留めていなかったが、顔だけは綺麗だった。
「顔に銃受けて死ぬのは嫌だな。顔の銃創は酷いからね。」
彼女の言葉をふと思い出した。
もしかしたら、神様が、彼女の最期の願いを叶えてくれたのかもしれない。
そんな血と硝煙の香りしかしない彼女にキスをして、僕は仕事に戻った。
彼女を殺した側の人間を一人でも多く殺すために。
愛した君にさよなら。ありがとう。
そして、また会おう。あの世で。
個人的にはそこまで残酷な描写ではないも思うのですが、取り敢えず警告タグつけておきました。基準が分からないもので…(笑)
続く予定です。