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転生に向けて

会話文主体です…まだこのまま2話くらい会話文になりそうです

「まず、転生する内容として何か希望はありますか? 無茶な希望や度を過ぎた要望でなければ少しは融通できると思います」


希望…生前の私は魔力が人並みにしかなかったから魔力を多く欲しいのはあるかな


「魔力を多く…他には?」


なにやら羽ペンのような者を取り出し本のような物に書き込んでいくメリッサ

ようなといっているのはこの世界でその物に対しての名称が合っているか解らないからだ


と、他にか……余り大きなものには出来ればなりたくない


「へぇ……龍とか獅子とかを望みじゃないのですね」


意外そうな顔をされた…ちょっとショックだ

そもそも龍や獅子といえば有り余る力を持ちすぎて討伐対象になる最たるものだろう

例え無敵に近い力を得られるとしても無闇に人類と対立する存在になぞなりたくは無い


とはいえ、理由は他の意味のほうが大きいが


「……?」


首を傾げるメリッサ。少しは考えろよ…


私は人間だった。それが巨大な龍や獅子になったとして巨躯を操るのに上手く行くとは思えない…むしろ仲間の龍や獅子等に笑いものにされるだけだろう。それならばまだ人に近い大きさか小型のもののほうが良い…腕力は無かったが足には少しは自信があったのもあるがな


「成程。そこまで考えるのがあなたなのですね…解りました。ではその通りに登録しましょう」


ペンがすらすらと留まらずに本に何かを書き込んでいく。のようなはもう止めた…自分の認識でいいじゃないか


と、そういえば転生に関して質問なのだが。獣と魔獣と亜人と鬼人と人。人は兎も角として亜人と鬼人にも転生は無理なのか?


「無理です。ゴブリンやコボルト、インプなどでも無理です…『人』には為れず『獣』としてしか転生できない…そういう制約なのです」


ぁ、悪かった。悲しませるつもりじゃなかったんだ

ただ、気になっていたことだったから言ってしまっただけだった…『人』ではなくなる…か。4本足で歩くのは違和感がありそうだな…


「ぁ…いえ。その点はこちらで認識変更をさせて頂きますので大丈夫です。歩くという通常の行動などはその体に合ったようにスムーズに行う事ができます」


4本足の動物という認識か…そうなると私は元人間だったと言う記憶なども消えてしまうと言う事……か?


「それは…過去事例から見ると低い可能性ではありますが記憶を有して転生することもあります。ただ極稀なケースなので記憶は無くなると思ったほうがいいでしょう」


そうか……ふぅ


「…………………フィン」


あぁ、慰めは要らない。転生者が元の記憶を持っていることが間違い…寧ろ今の状況がイレギュラーだしな


「…………」


…ぁあ、湿っぽいのは止めにしよう。獣だろうが魔獣だろうが何とかなるさ


「………………フィン。少し話を聞いてもらえますか?」


………なんだ? 実は聖者の魂ではなかった、とか…?


「いえ、違います……少し待ってください」


メリッサは一息ついた後、目を閉じて何かを語り始め…いや、歌い始めていた

私には旋律というものは理解できないが、多分これは歌なのだろう…音として聞こえない、だが光と空間を僅かに揺らして魂に響くような歌…私にも感じられると言うのだからそういうものなのだろう…


…その時間は刹那ほどの短さにも永劫に近い永さにも思えた






「………っ、と。お待たせしました」


呆然とその光景を眺めていただけだったはずの私の前に居たメリッサは……


いつの間にか神になっていた







「私は初めから神ですよ!?」


そういわれてもな。先程までの光と今のメリッサの周りの光…を見たら同一の存在とはとても思えないのが現状だと思うのだが


「今回は特別です。少しだけ本気を出しました…先程までの私は力のかけらも使っていない状態でしたよ」


ん、そういうことなら納得だ。これなら天使に間違えようが無い


「この姿の私に対してこれだけ普通に話す事が出来るあなたもとんでもないのですけどね」


そうなのか? 少し変わってもメリッサはメリッサだろう?


「………ふ、そうですね」


と、話がずれたな……結局力を使ってまで私に話したい事とは、何だ?


「…………………」


この期に及んでメリッサは迷っているような素振りを見せている

他の者誰にも聞かせられないような話をする為に結界を張ったのだろうに…張り損だぞ、このままだと


「………本当、規格外です。結界まで解りましたか……そうですね。誤魔化すのは止めましょう」



「……転生後、堕ちた妹を探してもらえませんか?」





……………

………


長い沈黙が流れたが…気にする事じゃない

寧ろ考えを纏めるのに一役買うぐらいの存在だよ、沈黙の空気と言うのは…


よし、落ち着いた…話の流れとか色々ごちゃごちゃだったが…どういうことなのかも何となく理解した


メリッサ。間違っていたら言って欲しい


まず。メリッサの前任の神、女神が妹で何らかの理由で神の力を剥奪された。理由まではわからないが堕ちるのだから相当な事をしでかしたのだろう。

そして後任のメリッサが神としてやってきた。メリッサは妹の安否を確認したところ地上にいるという情報を掴んだ。だが女神の立場からでは直接助ける事ができない…そこで出てきたのが聖者の魂での転生者へ依頼すること……


「……………………………」


人の言葉や視線の動き、表情の動きなどを見ないと生きていけない仕事場だったんだよ…今の所間違いは無さそうだな。

ただ、ここで問題点が1つ。聖者の魂の転生者でも転生後に記憶が無くなるのだから僅かな可能性をかけて何度もお願いする必要がある…さて、ここで質問だ。この話を私以外に持ちかける事は出来たのか?


「…………」

メリッサは驚きの表情を隠そうともせずに、首を振った


そんな事だろうと思ったよ。『聖者の魂は死後直ぐに転生に着く』……余程狙った状態で居合わせない限りは、な

だが、例外は居た。ここに……と、一つ聞きたいんだが……



私の悪い癖だ。話し始めて自分のペースになったら回りの景色が霞み始める

だから、メリッサの雰囲気の変化に気づくのが遅れてしまった……






「…………」


気付いた時には……女神は呆然としたまま、涙を浮かべていた……

あれ…どうしてこうなったのだろう?

イメージの段階ではもう転生してるはずなのに…

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