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白い世界

転生の話です。会話ばかりで見辛いのは申し訳ないです

気が付いたら辺りは白一色だった

あまりにも白いので目が痛くなるのではないかと思ったが…痛くない

そもそも辺りが白いせいか感覚がぼやけていて見ているものが現実なのかもわからない


「ぁ、もしもし?」


ん?


「聞こえてます…か?」


なんだろう、声が聞こえる。幻聴か?


「幻聴じゃないですよ…?」


そして、それは視界?に入ってきた。声からすると美しい女性、なのだろう。輪郭からしてほっそりとした小柄な女性のようだ。


「輪郭…ぇ? ぇ?」


何を驚いてる?


「私の事が見えないのでしょうか…って、ぁ!!!!」


見えてはいるが、ぼやけたままなのだが…ってどうした?


「…うそ。魂のまま存在しているなんて。ちょ、ちょっと待っていてください!!」


……おい?

というか、どこかに消えてしまったな…ふぅ


さて。これからどうすればいいのか……

辺り一面白の世界の中、思考を働かせようにも…




「っふ、お待たせしました」


早いな? 余り待ってはいないぞ? 時間感覚もあやふやになっていたらわからないが


「えっとですね。元の貴方の姿を投射するのでじっとしててください」


………ん? 何だその四角い箱のようなものは…


「3、2、1、はいっ!!」


女の掛け声と共に生まれたのは膨大な光の波だった……これは死んだな



………

……



「こんな物で死ぬってどれだけですか!? 寧ろ貴方は既に…」


あぁ、死んでる。理解はしたよ、たった今な


光の後、光の余韻が続き…薄れた後に見えたのは美しい女性の姿だった

あまりにも完成された作りをしているのでこいつはきっと天使か何かなのだろうとすぐに理解…あまりにも人間に近い感情表現に違和感は感じたがな


「やっと話が出来る…私は天使じゃなくて神なのですよ。女なので女神と言われてたりします」


神か…とその前に質問なのだが?


「何でしょうか?」


どうして私は今までぼやけていたのに今は貴女をはっきり認識できる?


「それはですね…あなたが死んだタイミングとあなたの世界に関係があります。あなたは自分がどのようなタイミングで亡くなったか覚えていますか?」


…ちょっと待て。記憶が薄れていて時間が掛かりそうだ

 

「ゆっくりでいいですよ。今までのあなたは霊魂のまま彷徨っていたような状態でしたので」


…自分は王国の私服を肥やしている人間共と一緒に消えた…で良いか?


「半分正解、半分不正解です。あなたは消えた人々と同じタイミングで滅んだのでは無いのですよ」


あぁ、もしかして…その前に事切れていたか


「それが正解です。あなたは自分の魔法を発動後に亡くなって体と霊魂が切り離されました。その後に『滅びの光』が城を襲い他の生命を全て滅ぼした…これが答えです」


霊魂は魔法の対象ではなかったのか…?


「そこまでは調べていなかったのですね。あの光は『生命を滅ぼす光』であって霊魂は対象にならなかったのです。そしてあなたが霊魂のまま彷徨っていた理由もここにあります」


…肉体が残っていなかった。記録として私の姿と一致する死の姿が無かったから器が無い…そういうことか


「理解が早い人は助かります。と、次に2つ目のこの世界の関係に関してです。実はあなたは特別でした、と言ったら信じますか?」


………信じる事は難しいが、神の言葉なのだろう?


「はい。あなたは特別でした…生きている間の多々の行動が聖者の魂として認知されるまでになっていたのですよ」


私はそんな大それた人間じゃなかったぞ?


「それでもです。そして認知されていたにもかかわらず、王国を滅びの光で襲ってしまったのが問題となったのです。あなたは悪人のみを対象としたと思っているでしょう…が、その中には悪行とは全く関係の無い人々も結構な数が含まれていたのですよ」


逃げ遅れた兵士たちの事か


「解っているのですね。ほっとしました…ここで知らないと言われたら聖者の魂を払い下げる必要があったのです」

女神は少し微笑んでいた。


褒められているのだろうと思ったが、流石に少し恥ずかしいな…

行った事は良いとはいえない…はは、まだ私にも罪悪感というものが残っていたようだ


「罪を罪として見つめる事。それが必要なのです…罪から逃げることは悪人と変わりません…さて。あなたのこれからの話をしましょう」


…これから? 天国か地獄に行くのではないのか…私は地獄だと思っていたのだが


「聖者の魂というのは即座に転生させる事になっているのでそれはありませんよ。ただ、あなたの場合は先程言った最後の悪事の所為で人に転生する事が厳しくなっています」


人としての輪廻転生の波から逸れる。そういうことか


「はい。普通に悪行が無い人々は人として輪廻転生の流れに乗ります。聖者の場合は即座に人として転生し世界に生まれます。ですがあなたはもう人として転生は出来ません…聖者の魂なので転生を拒む事もできません……………ごめんなさい、私の力不足で…ぅ」


…………泣くな。決して貴女の責任じゃない。私が悪いだけだ…たとえ獣や魔獣になろうとも精々生き延びて見せるさ


「……っく、はい。せめてもですけれど、私が転生までの間お手伝いします…宜しくお願いします」


こちらこそ宜しくだ…と、そういえば忘れていたな。貴女の名前を。女神でも名前はあるのだろう…?


「あ、そうですね…初めに言うべきでした。私は少し前にこの世界の神に就任しましたメリッサと言います」


少し前というのが気になるけれど…私はフィルという。メリッサ嬢、これから宜しく頼む


「…嬢ですか…まあ、良いです。空船に乗った気持ちで任せてください」


(本当は様と言った方がよかったのか…?)


「いえ、呼び捨てでよかったなんて思っても居ませんよ?」


ぉ、心を読まれたのか…ん。大丈夫だ、メリッサ。



そしてここから転生に向けての準備をする事となった

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