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聖女と接続

少しは休みが欲しいです…

私は今椅子に座っている















彼女が云々と頷いている様子を見るに、私が着る服はこれらしい…これなのか?


「…とても動き辛いです」


着た服は何重にもフリルがあしらわれた淡い色のドレスだった。今は床で擦れることは無い長さなのだが、多分激しい動きをすると裾やフリル部分が汚れてしまうだろう。まるで拘束具のようだ



「それも前提で選んだのよ。動きが更にお嬢様のように見えるようにって。それと、あなたの性格からしてお転婆にはならないと思ったからこっちにしたのよ」


確かに間違いじゃない。活発に動くことはそれ程得意ではない…でなければ宮廷魔術師などやってはいないだろう。しかし、それ程私をお嬢様のように仕立て上げようとするのは何故だろうか














「私は貴女の聖女と同じではないですよ?」


ふと、言葉が零れた。何となくだが、彼女は私に聖女を映しているのではないかと思えてしまったのだ。間違いなく失言だろう…言ってから口を押さえなかっただけ良くやったものだと思う


「ん~。そう思ってはいなかったんだけど、そうなのかしら…あまり自覚は無いわよ、私はただ、可愛いものが好きなだけだから。貴女もあの娘もどちらも可愛いわ」


だが、彼女はあっけらかんとしていた。吹っ切るという訳じゃないだろうが未練というものは見受けられなかった。しかし、私に可愛いは褒め言葉じゃない。笑われているかのようだ


「聖女はどうするのですか? 後数年で魔術が解けるのでしょう?」


未練が無い理由は分かっていた。未練は終わった事への思いだ…つまり、彼女の中では現在進行形なのだ。幽閉させたとはいえ生きているのなら


「邪推しすぎよ。あの子の傍には誰も近づけないもの…それに今あの子を助けた所でかける言葉が無いわ」


彼女こそ隠すのが下手だな、私もだが。似たもの同士か…結局は彼女の頭の中で助けた後にかける言葉を色々と捜しているのだろう。助けるだけなら直ぐにでも出来る筈だ。国を敵に回す覚悟は必要だが、そんな些細な事彼女が気にするわけが無い


「…男装して格好良い王子様のように助けてあげれば良いのではないでしょうか?」


「……冗談でもそれはきついわ。そんなことして助けたら私一生男装する羽目になるわよ」


喩えを出しただけなのだが過剰に反応された。何故だ? もしかして何かトラウマに触ってしまったのだろうか…これ以上は止めておこう













「…話を変えましょう。そういえば聖女様はどのように女神様から神託を受けられたのですか?」


「突然ね。まあ、色が悪くなりそうだったから良いわよ……逆にこっちが質問。貴女が神と連絡が取れるかもしれないと思う方法って何?」


返された言葉に少し目を瞑り考える。私が女神と連絡を取る手段…私の中で一番ありそうなことは念話だがこれは相手が承諾しないと成り立たない。私などが相手ではメリッサは困るだろう…ん?


「……そうですね。神から繋げられた念話が一番可能性が高いと思います」


「うん、流石と言ってあげるわ。大正解よ。まあ、フィンと私と同じような感じね…念話のように繋がっていたらしいわ」


やはりといったところか。私は女神の力を把握しているわけではないが魔術の扱いと大差ないのではないだろうか。実際魔術は手間や魔力の差はあれど万能な能力だ。女神が次々と編み出される魔術式を神の力に置き換えて使用している可能性は無いとはいえない。もしかしたら本より神の力にあるものを私達が魔術として発見しているだけかもしれないが…鶏と卵の関係だな


「…なら確かめる必要があります。私と貴女で出来ている事が女神との間で出来ていないとはとても思えません」


「成程、フィンはあの子の事を完全に信用しているわけじゃないからそういうことが出てくるのよね……私には出来ない考えだわ。それと、前に聞こえなかった理由を調べたって言ったでしょう? その時に色々と調べたのよ、私の出来る範囲でだけど…結果は女神との繋がりは消えていないけれど女神側で止まっているってことだけしか分からなかったわ」


無魔術の部類だから完全に私のオリジナルだったはずだ、となると彼女も相当研究したらしい。その結果が分かった事ならばそれは正解なのだろう。ただ、何かが引っかかる…





「……女神との接続が無くなったのは私が消えた後ですか?」


「…………フィン。貴女何か知っているような言い方だけど…まあ、良いわ。あの子はあまり話そうとはしなかったけれどもうあの時には聴こえてなかったみたいね。で、それが何かに繋がるのかしら」


僅かに繋がった気がした









私が消えた後ではない、私が消える前だった…その言葉が意味するものは


憶測ではあるが堕ちた原因ではないだろうか…と


そして女神の後任となったメリッサが偶然私を見つけ手筈を整え転生した。時の流れとしては間違ってはいないはずだ



確かに聖女の言葉というのは恐ろしくも確定的であまりにも可笑しな内容すらあった事は覚えている。そしてそれが「神の神託」という名で固められていた事も…セラのこともあり、あまり言葉に出す事はなかったが


















「……一つだけお願いをして良いでしょうか? その後なら私が言わなかった事をお伝えすることが出来ると思います」


「…ここで軽返事をしたら何か大変になりそうな予感がひしひしとするのだけど?」


彼女が眉を顰めている。それはそうだ、いきなり言われたら私でも困る。いや、私なら間違いなく断るだろうな…私は悪い奴だ。彼女が持っているお人好しの心につけ込もうとしている。結局は私もメリッサと同じ穴の狢というわけだ


「…ごめんなさい。多分今からするお願いは貴女にとって望ましい事ではありませんので、断って頂いても構いません」


「……あのね。ここで私が断ったら「可愛い女の子のお願いを無碍にしたお嬢様」とか私が言われるのよ。あれに…貴女、分かって言ってるでしょう!」


あれ? ふと目を向けると扉がいつの間にか開いていて侍女がこちらを窺っているのが見えた。今更隠れても遅いと思うのだが、私と目があった途端に窺う姿は消えていた。本当にあの侍女、諜報者か暗殺者か何かではないだろうか?


「ちょっと待ってなさいね。あと、今から悲鳴が上がるけど気にしないように」


唖然とする私を他所に……そんな言葉を残して彼女も部屋を出て行った





























黒魔術の気配がしたが気にしないほうが良いのだろうな…ふぅ

ちょっと書き溜めしようと思います

他の物も同様にするので更新が一気になるかもです

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