表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/21

第九話 1F

薄々分かってはいた


陽動の住人を襲うと見せかける魔術式の構築


それを削除、からの白薔薇を拘束する為の魔術の構築時間


魔術発動時の、本来の魔術を圧縮するのにかかる、溜めの時間


それらすべてを合わせた


魔術発動までの時間が、白薔薇の剣が俺の首をはねるまでの時間を越えてしまっている……


正確には間に合う、圧縮時間の短縮さえできれば―――


 ***


「先輩、私、転職しようと思ってるんです」


「ああ、そうか……」


転職、なるほど、こいつも行くのか


まぁその方がいい、こんな職場に骨をうずめるよりは


「おめでとう、次の職場でも元気でな」


そう言いながら、俺は彼女の背中を押す


確か、これは二年前だったか、俺が教育係を受け持った後輩との最後の会話だ


懐かしい、この頃はまだ余裕もあって、ブラックなりかけって感じだったっけ


「先輩、先輩も転職しませんか?日に日に弱っていく先輩を置いて行けないっすよ」


そんな事は無かったか、俺はこの頃もかなり限界ギリギリでただ義理でいただけ


「また義理とか恩とか、そんなものないって知ってるんすからね」


……そんな事は無かったらしい、そうだ、俺はただ怖かったんだ


何度も受けたお祈りメール、転職しようとして、また否定されるのが怖かったんだ


「先輩、最後に言っておくっすけど、挑戦しないと何も変わらないっすからね!!」


そう、だったな


そうだ、俺は今まで挑戦することから逃げていたんだ


ブラック企業から逃げる勇気もなく、誰かを愛する勇気もなく


死ぬ勇気もなく、生きる勇気もなく


だが、それは昨日までの自分だ


俺は逃げない


「やってやる、俺は白薔薇に勝つ」


「フロスト様やっちまいましょう!」


シロがにっこりと笑いながら、そう言う


まただ、俺はこの景色を何回見ればいいんだろう


さて、以下同文








 ***








もう何回やったか、覚えていない


何十回?何百回?そんなことはどうでもいいのだ


俺が魔術を発動しようとしてから、俺の首に白薔薇の剣が差し掛かるギリギリまで


猶予、脅威の0.016秒


その間、小さな小さな針の穴に糸を通すような神業


それを俺は成し遂げた


「引っかかったな、白薔薇ァ」


白薔薇のマリア、彼女の剣が俺の首を落とす、その寸前で止まった


その理由は、彼女の姿を見れば明白だ


半身を氷に包まれた、その姿を見れば―――



名前 フロスト


職業 白の魔王


二つ名 無し


持ち物 特に無し


眷属 シロ、骸骨騎士


能力 召喚、迷宮支配


適性魔術 氷を生み出し、操る(名称不明)

どうも、孤宵です


多分後一二話で一区切りついて、ダンジョン運営編が始まります、早く書きたいです


ここまで読んでいただきありがとうございました、もしよろしければ


・ブックマークに追加

・広告下にある「☆☆☆☆☆」から評価


をしていただけると、とても喜びます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ