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第二話 なんか魔王らしい

「俺、だよな、俺というか、立花、隼人、だよな」


鏡の前に立ち、鏡に映る自分の姿?を見ながら、頬をつねる


確かに夢ではないし、この鏡に映る、彼?は俺なのだろう


「俺、何だろうけど、俺こんなに顔だったっけ」


イケメン、ああ、文句も言えないほど、イケメンだ


どう考えてもこんな顔では無かった、なんか髪の色白だし


だが、このぼさっとした髪は見覚えがあるし、面影も、、ある、か?


「まぁいいや、とにかく、ここはどこって話で―――」


そう言いかけた、その時、皿が割れる音がした


それを聞き、その音がした方向を見ると、一匹の白い狐?の様な動物がいた


そして、恐らく、その狐が皿を落としたようだ


「魔王様!生き返ったんすか?!?!」


狐は興奮し、そう言いながら駆け寄ってきて、俺の懐にダイブする


「よかったー失敗したかと思いましたよ、輪廻召喚」


そう言いながら、その狐は俺の懐に頬を擦りつける


「えっと、君は……?いや、その前に怪我は大丈夫かい?」


俺は白狐の行動に困惑しながらも、とりあえず、そう尋ねる


「あ、やっぱ忘れてるっすよね、僕なんて下っ端の中の下っ端でしたから―――」


白狐はしょんぼりとした様子で、そう言った


なんかこのままいくと勘違いが加速しそうと感じ、俺は口を開く


「いや、まぁ、話せば長くなるんだが、どうやら、俺は俺じゃないらしい」


「はえ?どういうことっすか?」


白狐にそう尋ねられ、俺は説明する、ここに至るまでの経緯を


別の世界にいた事、気が付いたら姿が変わっていた事


大体そんな事を説明した


「はえーそういう事なんすね、じゃあ魔王様ではないんすか……」


「いや、一応魔王?なんじゃないか新たな魔王がどうとか言ってたし」


「え?神威カムイ様の声を聞いたんすか?」


「神威?」


「ああ、そういえば、そうすっね、別の世界から来たんすもんね」


「神威様は、この世界、森羅万象を司る神様っす」


「まぁとにかくすごい偉いお方なんすよ」


すごく浅い説明だったが、まぁなんとなくわかった


「で、多分魔王様が聞いたのは、神威様の魔王誕生宣言っすよ」


「なるほど」


俺は、魔王になったのか、異世界で?いや、なんか実感ないな


そもそも魔王って何するもんなんだ、やっぱ虐殺とか、支配とか


そういう―――


「さて、じゃあ、魔王様、何もわからないと思うんで、魔王の能力の一つ、召喚サモンについて教えるっすね」


おお、なんだ、それ魔王っぽい、テンション上がってきた


「まず、魔王には一人一つ迷宮が授けられるっす、神威様からっすね」


「この迷宮を運営し、たまに来る冒険者を撃退したりするのが魔王の仕事っす」


なるほど、あのゲームの紹介文とほぼ同じか


「その迷宮には、基本的な要素として、召喚の魔法陣って奴が組み込まれるっす」


「へぇ、その魔法陣はどこに?」


「え、あるじゃないっすか、すぐそこに」


きょとんとした表情で狐はそういう、だがいくら周りを見渡しても見つからない


「足元っすよ、足元」


そう言われ、俺が足元を見ると


なんか魔法陣と言えば、みたいな文字と図形が描かれている


「これが、、」


「ん?召喚の魔法陣の上に何故、俺が?」


「あ、気づいちゃったっすか」


「そういえば、輪廻召喚とかなんとか、、」


「ま、まぁ過去の事はね?一旦、ちょっと術式間違えたくらいのミスっすよ」


「ミス?もしかして、君のミスで俺はここに―――」


「さ、さぁ召喚の実践してみましょう!」


そう言って、白狐はぴょんぴょん飛び跳ねて


さっき白狐が来た方向にある部屋に向かう


なんか、誤魔化してるな


まぁ別にミスでここに来たとしても怒る事ではない


そもそも俺があのゲームを起動した事も原因、というかほぼほぼそのせいだろうし


あくまで彼?のミスはストーリー上のものだろう


てかむしろラッキーだ、こんな面白そうな事を体験出来て


前の世界の事には未練は無いし、とい


そんな事を考えながら、追って部屋に入ると


「なんだこれ」


部屋に入ると、本とか謎の瓶とかいろんな物が雑多に置かれている


一応、机があるが、机の姿が見えない、沢山の埃や放置された物によって


「召喚には術式と魔力、あと核となる素材が必要っす、術式はもう設置してあるんで、後は魔力と素材っすね」


そう言いながらごそごそと棚はテーブルを探る


「まず、召喚には大きく分けて二種類あるっす、通常召喚と特殊召喚」


「通常召喚、これは適当な素材で召喚する感じっすね、出てくる魔物、魔族は基本弱く、運が良ければ強い時もある、完全ランダムっす」


なるほど、完全にソシャゲとかでよく見るガシャだな


「次に特殊召喚、これは特定の素材、召喚したい魔物、魔族に縁がある素材を使ってする召喚っす、素材が間違っていなければ、確実にその魔物、魔族を召喚できるっす」


なるほど、ガチャじゃなくて、素材を集めて作るタイプか


「どっちの召喚も呼び出した後、契約する事によって自分の眷属にすることができるっす」


「どっちでやるっすか?一応前の魔王が残した素材があるんで、特殊もできるっすよ」


そう尋ねられ、俺は少し考える


だが、俺の答えは決まっている


「通常召喚にしよう」


そう、何を隠そう、この俺は


【先に始めた友達に素材を全部貰って強キャラ作って無双とかは許せないタイプ】


だからな、そんな強くてニューゲーム思考何が面白いんだ


コツコツ積み上げて、作り上げるのが面白いのに


「そう言うと思ってたっすよ、僕も嫌いなんす、そういうの」


そう言いながら、狐は謎の瓶を手に持ち、俺に見せる


「この中に入っているのは、ちょうど一体召喚できる分の素材っす」


「ちなみに、これは先代魔王の物じゃなくて、神威さまからの提供品っす」


そう言って、謎の瓶を俺に渡す、中を見ると、なんかドロドロとした


言葉では表現できない色の液体が入っている


神威さまからの提供品、初回無料10連ガチャ見たいな感じか


それを受け取り、俺はさっきの部屋、魔法陣の所に戻る


「じゃ、それを魔法陣の中心に」


そう言われ、俺はその瓶を、魔法陣の中心に置く


「後は魔力っすね、魔王様、手を魔法陣に触れてください」


「感覚なんで分かりづらいかもっすけど、なんかエネルギーを流す感じっす」


「ちなみにこの魔力は時間経過とかで回復するっす」


俺は魔法陣に触れ、なんとなく、体を流れるエネルギーを手に集中させる


そして、そのエネルギ―を魔法陣に流す


「後は詠唱っす、我の願いに答えたまえ、召喚サモンって唱えてください」


そう言われ、俺は魔法陣を見る、だが、ふと一つの事を思いつく


そうだ、まだやり残したことがある


「あ、そうだ、聞きそびれてたけど、君、名前は?」


「え?僕の名前っすか?」


「僕の名前はホワイトっす、シロって呼んでくれてもいいっすよ」


「シロ?ああ、あだ名的な感じか、じゃあそっちで呼ばせてもらおう」


「じゃあ、シロ、君に一つ言いたいことがある」


なんでここでシロに名前を聞いたのか


それは聞きそびれていたから、という単純な理由ではない


初めての召喚、初めての眷属を作る前に


この世界に来て、初めて会い、色んな事を教えてもらい


これからも長い付き合いになりそうな、シロと


「俺の最初の眷属になってくれるか?」


最初の眷属として、契約をしておきたかったからなのだ


「当たり前じゃないっすか、一生ついて行くっすよ」


シロはそう言いながら、ニコリと笑う


「あ、ちなみに、魔王様は?なんて言うんすか?」


「ん?俺か、そうだな」


俺は多分、もう立花隼人ではない、いやまぁ前世はそうなんだが、とにかく、俺はもう人間じゃない、魔王だ、なら……


「うーん」


しまった、俺ネーミングセンス無いんだった


「名前が無いなら、フロストはどうすか、氷っすよ、かっこいいじゃないっすか」


シロがしっぽを振りながらそう言う、フロスト、フロストか、いいな


なんか少し中二病っぽいがいいだろう、シロが考えた名前だし


「よし、俺はフロストだ、シロよろしくな」


「はい!魔王、、フロスト様!」


すると俺とシロが白い線でつながる、そして白い光に包まれる


こうして、俺にとって、最初の眷属が誕生した


そして、これで俺は迷いなく、召喚できる


「我の願いに答えたまえ」


召喚サモン!!」


そう唱えると、白い光がその場を包む、そして風が吹く


「おお、すごい魔力っすよ、これはすごい奴が来るんじゃないっすか」


その声と共に、光が晴れる、そして、そこには―――


「ホネ?」


剣を持った骸骨が佇んでいた―――


名前 フロスト


職業 サラリーマン、迷宮の主


称号 魔王


持ち物 特になし


眷属 シロ


能力 召喚

勢いでホワイトっていう名前を付けたはいい物の呼びづらくて辞めました


どうも、孤宵です


ここまで読んでいただきありがとうございました、もしよろしければ


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