第十七話 ゴルゴン
違法都市ゴルゴン、金の魔王が統治する国
ユーラテリア王国の東、かなり近い位置に存在し
他の国では違法とされている行為が横行している事から違法都市と呼ばれている
賭博、奴隷、犯罪、なんでもあり、世界で一番治安の悪い国と呼ばれている
「うわぁいつみてもでかいっすねぇ」
雲を穿つほど、天高くそびえ立つ塔、ゴールデンタワー
その頂上である256階には金の魔王、フレディ・ゴールドが住んでいるらしい
つまりゴールデンタワーが金の魔王の迷宮という事だ
「というかやっぱりここら辺は臭いっすねぇ」
ゴルゴンには他の国にはない特徴がある
持っている金を基準に国民に順位がつけられている、という点だ
最上級国民、上級国民、中級国民、下級国民
シロが今いる場所は下級国民街、ゴールデンタワーから一番離れた位置に存在している
ちなみに、中級国民、上級国民と進むごとに中心地、ゴールデンタワーに近い場所に住む事ができ
下級国民街、中級国民街、上級国民街、三つの街と街の間には堅牢な壁があり、厳重な警備が敷かれている
そして、ゴルゴン最上級層である最上級国民は金の魔王フレディよりゴールデンタワーに住むことを許されている
「うわーここでもやってるんすね、ギャンブル」
こんな陰鬱な街でも、一際盛り上がっている場所がある
そう、それは賭博所だ
ゴルゴンでは経済がほとんどギャンブルで回っていると言っても過言ではない
下級層から最上級層まで、全員がギャンブルに熱狂している
「フッ、魔王様、任せてくださいっす、実はこのシロ、ギャンブルには一家言あるんすよ」
「このゴルゴンでギャンブルで成り上がり、最上級国民になってエルフの奴隷の情報獲ってくるっすよ!!!」
そう言ってシロは駆け出した、いや賭けだした
少しの鉱石で手に入れたお金を持って
その後のシロ、ギャンブルの結果はシロ以外誰も知らない
ただボロボロで半泣きで逃げ帰ってきたシロがいるだけだった
「魔王様、イカサマが、イカサマなんすよ、イカサマがぁ」
おのれ、金の魔王フレディ、許さんぞ
***
まぁというのは置いておいて、シロはこう見えても結構いい仕事をしてくれた
ある情報を手に入れてくれた
ゴルゴンゴールドオークション、略してGGG
一か月後、ゴルゴンで下級層から最上級層まで、全ての人が参加できるオークションが開催される
このオークションでは様々な物が売られ、日ごろのギャンブルで貯めた金を解放しお祭り騒ぎになるそうだ
そして、シロはGGGに出品される物リストを見つけ、手に入れてきた、有能だ
まぁ全国民に配布されているらしく、普通に道に落ちていたらしいが……
とにかく、そのリストによると、今回のGGGの目玉が例のエルフ奴隷だそうだ
希少なエルフ、しかも騎士団に所属していると来た、そりゃあ目玉に相応しい
で、本題というか問題のスタート価格
……500万、まぁまぁまぁ言っても鉱山増設していけばいける価格だろう
と思ってたよ、これエルフ一人の価格ね
出品されるエルフ奴隷、6人
つまり、スタート価格だけでも3000万G必要という事だ
目玉だからかなり跳ね上がるという事を考慮すると……
ふぅ……取りあえず、白薔薇に土下座でもしようかな―――
名前 フロスト
職業 白の魔王
二つ名 無し
持ち物 特になし
眷属 シロ、骸骨(40体)、エルフ
能力 召喚、迷宮支配
適性魔術 氷を生み出し、操る(名称不明)