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第十五話 金の魔王

「金の魔王、か」


クロエの話としてはこうだ


大体一年前、前緑の魔王の体調が悪化した


その頃に金の魔王、フレディ・ゴールドはエルフの国、エルムンドを訪れた


ダークエルフという種族と共に


ダークエルフ達は平和に住んでいた所、ある魔王の戯れで蹂躙され、命からがら逃げていた所を、フレディに救われたらしい


そして、ダークエルフ達はエルムンドに住むことになった、地下に住む種族で生活範囲が被らない事と、ある程度時期が経ったら出ていくという条件と共に


だが、緑の魔王ロイドが隠居をすると言い出した辺りで、ダークエルフ達は政治に口を挟むようになった


「私たちもエルムンドの民だ、魔王を選ぶ権利がある」


といったような感じで、最初は反対ばかりだったそうだ


だが急に状況は一転、賛成が多数派となり、魔王を選ぶ会議にダークエルフが参加する事となった


会議ではエルフが推す、エルフの中で魔力が一番いい青年、ラーンと


ダークエルフ、そしてエルフの一部が推す、ダークエルフのアルマという青年で


どちらかが魔王になるという所まで行ったらしい


最初はラーンが優勢だった


だが、途中で金の魔王フレディが登場した所で変わった


彼が登場した瞬間、その場の皆はアルマを推すのだろうと予想した


だが、フレディはラーンでもなく、アルマでもなく、エルフのエレナという少女を推したのだ


それと共に、ラーン側のエルフはエレナ側へ


指示者を大半失ったラーンは俺は魔王にはならない、と降り


最終的に、アルマかエレナか、という事になったのだ


そして、クロエはその瞬間、当時、クロエが団長をしていた騎士団全員と共に会議を飛び出し、仲のいい白薔薇をたより、ユーラテリア王国を目指したそうだ


だが、ユーラテリア王国に向かう途中で金の魔王フレディの手先に襲撃を受ける


応戦するも歯が立たず、クロエは殿しんがりを務め、逃がそうとしたが


副団長のショーンが残り僅かな魔力で転移魔法を発動


「おい!ショーン、団長命令だ!この魔法を解除しろッ!!」


転移魔法はショーンが唯一使える魔法で、消費魔力が激しく一人しか転移する事ができなかった


そして、転移魔法が発動すれば、その陣から外に出る事はできない


「申し訳ございません、団長、これが最後の我儘です」


「生きて、私たちの無念を果たしてください」


ショーンがそう言った、次の瞬間にショーンの首は胴と離れた


そして、クロエだけユーラテリア王国に転移されたそうだ


その後のエルムンド騎士団の行方は分かっていない


ただ金の魔王フレディの国、ゴルゴンにて、エルフの奴隷が新たに入荷したという報告があるらしい


淡々とクロエはそう話していたが、感情が籠っているのが分かった


「魔王様、本当に、本当に申し訳ないのですが、どうか、どうか、仲間の救出を手伝っていただけないでしょうか」


そう言いながら、クロエは頭を下げる


「……クロエ、頭を上げろ」


俺がそう言うと、クロエはおずおずと頭を上げる


「まず一つ、手伝う事はしない」


そう言うと、クロエは顔を曇らせ下唇を噛んだ後、俯く


「お前はもう俺の眷属だ、仲間だ、所有物だ」


この異世界に来る前の、俺の人生は散々な物だった


「金の魔王フレディは俺の眷属を害した、その事実が、俺は気に入らない」


理不尽に怒られたり、残業祭り、趣味をやる時間なんて0


そんな現実から解放されたのに、なぜやりたい事をやらない?


「手伝うんじゃない、俺は俺がやりたいからやる」


俺より先に生まれた魔王、多分生まれたての俺じゃ勝てないだろう


だが、それがなんだ?


やりたい事ができる、それがゲームってやつだ


現実じゃできない事を、現実じゃかなえられなかった夢を


クソ同僚を、クソ上司を、取引先の馬鹿を


「金の魔王、フレディと戦争だ」


俺は、殴り飛ばしてみたかったんだ―――




名前 フロスト


職業 白の魔王


二つ名 無し


持ち物 6000G


眷属 シロ、骸骨(10体)、エルフ


能力 召喚、迷宮支配


適性魔術 氷を生み出し、操る(名称不明)

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