表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/52

9 今回もままならない子供時代になってしまう

 自分が怪物相手にどれだけやれるのか。

 確かめようと思えば出来る。

 壕の中に入って怪物と戦えば良い。

 だが、そんな事を一緒にいる大人が認めるわけがない。



「これもお預けか」

 魔力結晶と同様、自分の腕を確かめる事も大人に止められる。

 なかなか思うようにならない。

「なんか、前と同じだな」

 大人の都合で振り回される。

 あれをやれと言われ、これは駄目と止められ。

 思い通りにはならない。



「やっぱ、働きに出るのを待つしかないか」

 前世では、働くようになるまで自由は無かった。

 今回も同じような道をたどりそうな気がした。

 とはいえ、子供が大人に守られ、だからこそ大人に色々制限される。

 それもわかってしまう。

 一概に悪いとは言えなかった。



 一度は大人だったのだ。

 大人の考えもわかる。

 しかし、だからといって現状の不自由さは納得出来ない。

 もう少し思い通りに動ければと思ってしまう。



 それでも、今は仕方ないと思って耐えていく。

 いずれ自分で動けるようになれば、もう少し自由になる。

 生活は自分でどうにかしなくてはならない。

 それが制限になるのもわかってる。

 だとしても、他の誰かにあれこれ言われる事は減る。

 それは大きな利点だ。



 それまでは制限の中でやれる事を出来るだけやる。

 それしかない。



「本当に面倒だな……」

 あらためて子供時代の不便さを思い知らされる。

 それも今だけ…………と我慢できるわけもない。

 子供時代が存外すぐに終わるのはわかってる。

 嫌でも大人になるのも。

 だとしても、今この瞬間の不自由さを受け入れたくはなかった。



 やれる事が減る。

 それは今後の可能性が、選べる道が減る事を意味する。

 それもまたわかってしまう。

 だから焦る。

 このままでは可能性がどんどん小さくなると。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


規約が変更になったので、支援サイトのファンティアへのリンクをはりつける。

【よぎそーとのネグラ 】
https://fantia.jp/fanclubs/478732
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ