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41 新人も自分達の育成もぬかりなく

 迷宮都市に来て二年目が終わる。

 三年目に突入し、予想通りに出身地の村から新人がやってきた。

 予想通りである。

 今回は一人。

 さすがに村の方も追い出す人間の在庫切れかと思われた。



「とにかく、こいつを育てる」

 新人を加えて活動するにあたり、マサヒロは全員に通達した。

「優先してこいつのレベルを上げる。

 その前に、基本的な事を教え込む」

 地獄の新人研修が始まる。



 たんに能力だけが欲しいなら、レベルを上げれば良い。

 ただし、それは基本的な立ち回りを身につけてからだ。

 レベルだけ高くしても、それでは力任せになってしまう。



 力がない時はどうするか。

 どうやって動くか。

 まずはそれを知らねばならない。

 その為にもレベル1で基礎的な事を身につけてもらいたい。



 最弱の状態で生きのびるにはどうするか?

 これを考える事で基礎を身につけてもらいたかった。

 なので最初の一か月は経験値を渡さない。

 最弱の状態で迷宮に入ってもらう。

 そうして最弱の開物相手に立ち回ってもらう。



 もちろん、付き添いはする。

 マサヒロが新人をつれてまわる。

 最初は最弱の怪物を相手に。

 二週間目には、少し強い怪物と戦い。

 三週間目は他の者と共にそこそこ強い怪物と戦っていく。



 戦闘だけではない。

 迷宮での動き方も教えていく。

 警戒のやり方、隊列の組み方、やるべき作業。

 知りうる事を教えていく。



 一か月もすれば、一通りの事ができるようになる。

 それを見て、マサヒロ達は魔力結晶を渡していく。

 レベルを上げるために。

 この日のために、経験値分の魔力結晶はとっておいた。

 一気にこれを使っていく。



 新人はレベル3まで上がった。

 このレベルなら、十分に稼げる。

 そんな新人をつれて、マサヒロ達は迷宮へと向かう。



 出向いたのは売値が400円になる魔力結晶を出す怪物達がいるあたり。

 そこで二手に分かれて行動する。

 今のマサヒロ達なら、これでも十分に安全に活動できる。



 当然、怪物を引き寄せて数を稼ぐ。

 一度に大量の怪物を相手にしなくてはならないが、この方が効率が良い。

 それに、怪物の動きもある程度は制御している。

 様々な方向から襲われないように。



 誘因の前に、忌避の魔術も使っている。

 これを使い、怪物がやっくる道をを制限している。

 後ろから襲いかかってこないように、通路を封鎖するように忌避の魔術を使っている。

 こうして怪物が通りたくない場所を作り、安全をある程度確保した。

 怪物は忌避が使われてない場所を通る事になる。



 とはいえ、忌避を無視して突破してくるものもいる。

 それは仕方ないものとして諦める。

 怪物を完全に遮断する事は難しい。

 それは覚悟して事を作業を進めていくしかない。



 それでも順調に稼いでいく。

 一日に倒せる怪物の数は200頭前後で安定している。

 これだけ稼げれば日々の利益を出しつつ、経験値を確保する事も簡単だ。



 一日の収入を6000円ほどにおさえ。

 魔術用の魔力結晶を控えて。

 それで手にはいる経験値は350点ほどになる。

 この経験値を使って、レベルを一気に上げていく。



 手にはいる経験値が多いので、レベルの上昇は早い。

 三か月ほどで全員がレベル6に上がった。

 更に五か月でレベル7になる。

 迷宮都市に来て3年目が終わろうかという頃には、レベル8まで上昇した。



「順調、順調」

 レベルも稼ぎも安定して上がっていく。

 その事にマサヒロは気をよくしていく。

 これならもう少し強い怪物を倒しにいける。

 稼ぎをもっと増やせる。



 そう思っていた。

 もちろん、そろそろ村からまた新人が来る事も想定している。

 だが、今のレベルなら、新人もすぐに育成できる。

 基礎を教える一か月を超えれば、経験値を与えてすぐに強く出来る。

 そして、稼ぎに繰り出せる。

 そう考えていた。



「あと少し稼ぎを増やせば、この先は安泰だ」

 今でもかなりの稼ぎではある。

 だが、先々の事を間がえるとまだ足りない。

 上を見ればキリがないのも確かだが。

 それでも、稼ぎもレベルももっと上げておきたかった。

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