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35/52

35 見つけるのが面倒なら呼び込めば良い、ただし一斉に襲いかかってくる

 新人二人をつれて迷宮に入る。

 とりあえず二人には手槍を与えておいた。

 ケンとダイゴと同じものだ。

 なんだかんだでこれが安くて使い勝手が良い。

 これを買うだけでも懐がさびしくなる。

 先行投資として割り切るしかなかった。



 そうして迷宮に挑んだマサヒロは、幾らか浅めの場所で止まる。

 幾らか弱めの怪物が出てくる場所だ。

 魔力結晶の値段も落ちる。

 だが、危険を考えると、ある程度弱い怪物の方が都合が良かった。



 そんなマサヒロは、まず手始めに何度か怪物と戦う。

 やり方を新人に教えるためだ。

 もともと村で怪物退治の外回りをやってたので、飲み込みは早い。

 動きを見て、これならどうにかなるとマサヒロは思った。



「じゃあ、やるぞ」

 そういってマサヒロは魔力結晶を取り出す。

 頭の中で求める効果を思い浮かべ、魔力を使っていく。

 その魔術が周辺に及んでいく。



 それは怪物にだけ聞こえる音だった。

 軽輩や雰囲気と言っても良い。

 怪物にだけ聞こえて感じ取れるなにか。

 それが怪物に響いていく。

「こっちに来い」と。



 通常なら、これは反対の効果を得るために用いられる。

 怪物が嫌うような音、波長、気配。

 これらを漂わせて安全を確保するためだ。

 しかし、その逆を行う事も可能。

 そうする事で、怪物を誘導していくために使う。



 忌避と誘因。

 そう呼ばれる魔術だ。

 上手く組み合わせる事で、迷宮内で安全地帯を作れる。

 それをマサヒロは用いた。

 怪物の誘因だけを。



 すぐに効果はあらわれない。

 それを受け取った怪物がやってくるまで時間がかかる。

 だが、暫くすれば結果が見えるようになる。

 怪物があちこちの通路からやってきた。



「やるぞ」

 四人に声をかける。

 今回、新人二人が盾を床に置いて壁を作っている。

 そうして怪物を受け止め、ケンとダイゴの二人がとどめを刺していく。



 マサヒロは怪物の中に突進。

 怪物を弾き飛ばして怪物の動きを調整する。

 1度に大量の怪物が襲いかからないように。

 そして、上手く怪物を仲間のところに飛ばしてもいく。

 簡単に倒せるようにするために。



 押しよせてくる怪物の数は多い。

 だが、マサヒロが上手くさばく事で他の四人への負担は減る。

 最初の呼び込みでやってきた怪物は30頭。

 1度に相手にした数は、今までで一番多い。

 それでも何とか全部倒すことが出来た。

 損害も無い。

 成果は上々だ。



「よくやった」

 どうにか怪物を倒した四人をマサヒロは褒める。

 だが、休んでもいられない。

「次に行くぞ」

 申し訳ないとは思うが、移動を開始する。

 この近辺の怪物は消えた。

 他の場所に移動しないと怪物を集める事も出来ない。

 一カ所に止まってるわけにはいかなかった。



 そうして何度か場所を移動して怪物を集めていく。

 おかげでこの日、マサヒロ達は200頭の怪物を倒すことが出来た。

 数だけで言えば、今までの二倍ほども稼ぐ事が出来た。

 もっとも、幾分弱い怪物が相手だ。

 その分だけ単価は減っている。

 これはやむをえないとマサヒロも諦めていた。

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