31 経験値と能力値確認
帰ってきて探索者協会で魔力結晶を鑑定する。
400円で売却できる魔力結晶が70個。
あとは、500円で売れるものが10個と300円で売れるものが20個。
大儲けではないが、それなりの金額にはなっている。
このうち、400円で売れるものを全部売却。
300円のものは魔術用として翌日に持ち越し。
500円で売れるものを経験値にしていく。
手にしたカネは1万7640円。
ケンとダイゴには5000円ずつ渡し、残りをマサヒロがもらう。
そして、経験値である。
500円で売れる魔力結晶10個。
今回はこれを取り込んでいく事にする。
その前に、一旦安物の魔力結晶を使って能力を鑑定する。
やり方は簡単、自分の能力を知りたいと願うだけ。
それで能力の鑑定が出来る。
これも魔力の一種なので、そう願えば効果があらわれる。
即座に効果があらわれる。
頭の中にマサヒロ自身の能力が数値として浮かんできた。
様々な要素があるが、今は必要な部分だけ抜き出していく。
すると、
<能力値>
レベル 1
経験値 0/1000
<能力値>
このように浮かんできた。
今現在のマサヒロのレベルと、レベル上昇に必要な経験値が分かる。
それから魔力結晶を経験値として取り込んでいく。
握った魔力結晶から何かが自分に入り込んでくるのをマサヒロは感じた。
とはいえ、終わっても特に大きな違いがあるようには思えない。
だが、もう一度自分を鑑定すると次のようになっていた。
<能力値>
レベル 1
経験値 50/1000
<能力値>
経験値が増えている。
次のレベルにはまだ足りないが、確実に進んでいる。
単純に計算して、この調子ならあと19日でレベルが上がる。
これが早いのか遅いのかは分からない。
しかし、一歩は前進したのは確かだ。
(間に休みを挟んで、だいたい一か月くらいか)
特に事故や問題が起こらなければ、それくらいで強くなれる。
とはいえ、レベル一つでどれだけ差が出るのか。
これはレベルが上がるまで分からない。
(はっきりと分かるくらい強くなれればいいけど)
そうなればいいと思った。
また、目安も立てやすくなった。
一回の探索でどのくらいの経験値が手にはいるかが分かった。
今後の見通しが立てやすくなる。
レベル上げを含めて今後どうしていくか。
それを考える材料が出来た。
だからこそため息も出て来る。
レベルを一つあげるのに、おおよそ一か月。
ケンとダイゴも含めれば、全員のレベルが上がるのに三か月は必要になる。
それだけの時間をかけて、ようやくレベルが一つ上がるだけなのだ。
満足のいくレベルになるのは本当に先の事になる。
(厳しいなあ……)
ため息が漏れる。
迷宮都市に来て何度目だろうと思った。