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30/52

30 おまえら、俺達の経験値になれ

 迷宮に入っていく。

 今までよりも更に奥、より強い怪物が出るところへ。

 この辺りから、今までとは違った怪物も出て来るようになる。



 これまでは平べったい虫のような怪物だけだった。

 だが、更に踏み入った場所では獣型の怪物が姿を見せ始める。

 姿は犬やネズミの合わさったようなもの。

 それが地面を這いずり回るようにして向かってくる。



「いくぞ」

 ケンとダイゴに声をかける。

 事前に聞いていた怪物の特徴を踏まえて、新たな作戦を立てている。

 ここに来る途中に遭遇した虫型の怪物でも試してみた。

 その時は上手くいった。

 おそらく、ここでも成功するはず。

 そんな確信をもって対処していく。



 ケンとダイゴが前に出る。

 そして、かがんで盾を地面に立てる。

 木の板に鉄の枠を付けて補強しただけの簡素なものだ。

 だが、高さ1メートルはある大きなもの。

 幅も50センチはある。

 それを横にして、壁のようにして前に立てる。



 怪物はその盾に向かって突進してくる。

 動きは早いが、飛びかかってくる事はない。

 足が短く、高く跳ね上がる事が出来ないのだ。

 また、そういう習性なのか、人間に真っ直ぐ突っ込んでくる。



 これを利用し、まず敵の動きを止める事にする。

 盾を壁のように立てておくだけで良い。

 あとは勝手に突進してきてくれる。



 あとはぶつかって来たところを攻撃すれば良い。

 動きを止められた怪物を横から木槌で叩き込む。

 ゴルフのクラブのように振り下ろされた木槌は、重さと衝撃で怪物を吹き飛ばしてた。

 まとめて何匹も飛んでいった怪物は、床にたたきつけられてゴロゴロと転んだ。



「いまだ!」

 声をかけながら、マサヒロはナイフを抜く。

 吹き飛ばされた衝撃でまともに動けない怪物。

 それにナイフを突き刺す。

 抵抗する事も出来ず、怪物は死んでいく。



 ケンとダイゴも槍を持って怪物を突き刺していく。

 まともに動けないので簡単に狙える。

 動き回っていたら対処も難しかっただろう。

 だが、のたうち回っていたり、のろのろと立ち上がってる怪物は格好の的だった。



 遭遇した怪物は五匹。

 それを簡単に倒していく。

 そうしてマサヒロ達は、新たに遭遇した敵を簡単に倒していった。



 その後も同様の方法で怪物を倒していく。

 魔術による能力強化を使うまでもない。

 数が多いときはさすがに使ったが。

 それでもさほど面倒な事はなかった。



 怖いのは不意打ちくらい。

 それも、探知の魔術を使うことで危険を避ける事が出来る。

 怪物がどこにいるのか分かるのだ。

 奇襲を受ける可能性は低い。

 余裕をもって怪物を倒していける。



 ただ、さすがに怪物も幾分強くなってる。

 ナイフや槍で刺しても一撃で死なない。

 急所を突けばともかく、そうでなければ何回か刺さねば死ななくなってる。

 勝てないわけではないが、勝つための手間が増えている。

 わずかではあるだろうが、マサヒロ達が死ぬ可能性も出てきている。



 それでも、怪我らしい怪我をする事もなく成果をあげる。

 魔力結晶を回収して町に戻る事も出来た。

 今はこれで充分だった。

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