23 二日目、稼ぎは急上昇
「今日も稼いだな」
受付のオッサンはそう言うと買い取り査定に入った。
受け取った魔力結晶の魔力をはかり、金額を決めていく。
その結果を受け取り、マサヒロは自分の考えの正しさをかみしめた。
強い敵は大きな魔力を持つ。
その通りで、この日の敵は幾分強力、昨日より多くの魔力をもたらした。
おかげで買い取り金額も上がった。
今回持ち帰った魔力結晶の数は120個。
数は昨日よりも少ない。
だが、一つ一つの金額は多くなってる。
内訳は次の通り。
300円のものが、10個。
200円のものが、90個。
100円のものが、20個。
一個100円だったものがほとんどな昨日とは大きな違いだ。
このうち、もっとも安い100円のものを全部手元におく。
明日の探索に使うためだ。
それ以外は全部売却する。
おかげで、売却金額は2万1000円になった。
だが、喜べたのはここまでだ。
ここから更に手数料や税金が引かれる。
手数料が引かれて、1万8900円。
税金が引かれて、1万3230円。
これが最終的な手取りになる。
「相変わらず差っ引くな……」
ぼやきが口から漏れる。
前世の日本も、税金やら社会保障費やらで色々強奪していったが。
この世界の政治もなかなかに多くのものを強奪していく。
それでも昨日より多くが手元に残るが。
割り切れないし釈然としない。
だが、余裕があるのは良いことだ。
この調子なら、もう少し稼ぎを増やせそうだった。
魔力を使えば、作業効率をもう少し上げられそうだからだ。
「ほら、今日の分」
何はなくとも、ケンとダイゴに今日の分のカネを渡す。
二人に4000円ずつ。
残りはマサヒロがもらう。
「わ!」
「すごい……」
二人とも手にしたカネに驚く。
子供からすれば大金だからだろう。
もっとも、ここから宿代と食事代を出さねばならない。
手元に残るのは1000円だ。
それでも、二人は喜んだ。
そんな二人を見て、マサヒロは明日からの事を考える。
次はどうするか、どうやって稼ぐか。
その為にまず情報集め。
資料室へと向かっていく。
明日に備えるために。