11 村から追い出され
単調な日々が続く。
そうするうちに時間も過ぎていく。
とうとう村から追い出される日がやってきた。
マサヒロが14歳になった時だった。
特に見送りもなく、やってきた行商人につれられて町へと向かう。
村に来る唯一の外部の者だ。
町に向かうついでに連れていってもらうよう、毎回頼んでるという。
行商人も慣れたもので、文句を言ったり迷惑そうにはしない。
そんな行商人と共に村から追い出されたのは三人。
マサヒロの他に二人、一緒に外回りをしていた者達が町に向かう。
他の二人はまだ幼いので何年かあとに村から追い出される事になる。
新たに外回りをさせ始めた子もいるので、その面倒を見る者も必要だった。
その為、ここで一旦分かれる事になった。
不安はある。
迷宮で上手くやっていけるのか。
怪物との戦闘はどうなるのか。
心配する事は多い。
ただ、悩んでいても仕方ない。
何が起こるかは目的につくまでわからない。
わからない事に必要以上に不安を抱いてもしょうがない。
悩みはどうしても出てくるが、それは問題が起こった時に考えるしかない。
(気楽にいこう)
そう思うことにする。
簡単にできるものではないが。
なんにせよ、迷って悩んでも解決はしない。
そもそも問題にすらまだ遭遇してないのだから。
それから一週間。
マサヒロは迷宮の前にあるある町にやってきた。
意外なほど多くの人で賑わってる。
それが最初の印象だった。