表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/79

9話 チャラ男襲来

校舎裏の茂みにいる康太はそこに新たにやってきた二人

に注目する

一人は学校のマドンナ、前園明

そしてもう一人は学校一のチャラ男と名高い男

河野だった


彼は以前に前園さんに告白してフラレている、

しかも完膚なきまでに


彼は前世で前園明の前の姿

男だった頃のアキラ君をいじって遊んでいた男だ

アキラ君は尖った性格で負けず嫌いだった

イジればそれだけ面白い反応を返してくる

アキラ君をおもちゃにしてクラスの人気取りの道具にしていたのが河野なる人物だ

アキラ君はあんな奴にかまけてる時間が無駄だと言っていたが快く思っていないのはありありと理解出来た

まぁ当然だろう

イジりはその範疇を超えイジメに発展してもなんら不思議では無かったのを良く覚えている。


河野は浅黒い肌と茶色に染めた髪とラフに着崩した制服とまさにチャラ男のお手本みたいな男だ

NTRモノのエロ漫画にそのまま出てきそうなチャラ男で男子からの評判はすこぶる低い

噂じゃ実際に男子生徒から彼女を寝取った事も何度かあるらしいが…


「漫画じゃないんだぞ」


アキラ君は僕にとって憧れだった

友達で親友で誇れる存在

そんなアキラ君があんな奴と二人でいるなんて

そんなのおかしいのだ。


僕は影から二人を盗み見る



「いい加減何処か行ってくれませんか、貴方に用も興味もありません。」


「おいおい、そりゃねーだろ?こんな人気のない所に自分から入ってくなんてよ〜、誘ってんだろ?お前?」


「はぁ?わけわからない誤解しないでくれますか?いいからどっか行って!」


「連れないなぁ〜まぁ、そんなところもソソるんだけど!」


「ちょっ、近づかないで!」



河野は舐めまわす様に前園さんの体を見る

顔に、腰に、足に、胸に

舌舐めずりして、目を充血させて

それは性欲の権化だった

性欲の権化は徐々に前園さんに歩み寄り距離を詰める

後退りしてなんとか距離を空けようとする前園さんだが背中に校舎裏のコンクリートで出来た壁が邪魔をする

退路なんて無かった。




「へへ、嫌がる女を落とすのも燃えるよな〜、安心しろよ、俺に抱かれた女は皆最初は嫌がっても後でメロメロだからよ〜、へへへ〜」


「嫌だ…嫌だ…康太……」


「へへ、俺をコケにしたツケを払えや、マドンナちゃ……うん?」



河野が前園さんに抱きつく瞬間に物音が聞こえたかと思ったら突然


「そこで何をしとるんだ!」


と野太い声が掛かる

河野は焦った顔で前園さんから離れる


「ちっ!センコーか?」


脱兎の如くその場から逃げだす河野

逃げ際に、ちくんなよ!と脅すのも忘れない

河野はそそくさと校舎裏から出ていった 


前園さんはふぅ…と溜息を付いたあとこちらに目を向けてぶっきらぼうに呟いた



「遅いぞ康太、あわやレイプされそうになったやんけ!」


「助けて上げたのになんて言い草…」


「私はあんなちまい助け方じゃなくもっとドラマチックが良かったわ」


「無茶いうな、コッチは運動神経クソ雑魚の陰キャなんだ、そんな事出来るわけ無いだろ、」


「ま、康太にしては及第点だな、………ありがと…」


「うん」



前園さんが襲われるビジョンは容易に想像出来る

それを見越してスマホには多数の音声が録音されている

複数の足音、野太い強面先生の怒鳴り声、ガラスの割れる音、木枝が折れる音

今回みたいに適所で音を流せば相手を争い事に発展するまでもなく追い払える訳だ

まぁこんな音声にそこまでの信頼を置いてるわけでは勿論ない

河野みたいな自己顕示欲の強い主張型のチャラ男は自身の面子を気にする

先生にバレて学校側が問題とする様な事態は避けたいはずだから、こうやって野太い先生の声で退散してくれたのだ

これが別の奴なら対処の仕方も多少変わってくるのだ。



「で?なんでこんな所に一人で来たの?」


「お前が私の作った弁当を食ってるならここかなって思ってな、」


「……僕のせいだったか……」


「そうだぞ!私があんなギャル男に迫られたのは全部お前が悪いんだ!だからちょっと今から付き合え!」


「え?陽キャ達の所に?嫌だよ?」


「ちげーよ、いいから」



舞園さんな校舎の中に戻り、つかつかと先を歩く

僕はそんな彼女の後ろをやや距離を開けて歩く

アキラ君のときとは明らかに異なる距離感


これが僕と前園さんの距離感だ

彼女がこの距離感に反感を感じてるのは理解してる

でも仕方ないだろ?

我慢して欲しい


そうしてやってきたのは学校の屋上だ


この学校は基本的に屋上は締め切っている

何処かのラノベみたいに屋上が基本的に開けっ放しで開放されてるなんてのはフィクションだ


思春期真っ只中の高校生は何をしでかすかわからない

予想外の行動に出るのが子供の特権だ

そんな子供を擁する施設で懸念たる屋上を常に開放しているなんて事は基本的にない、

まぁ例外は探せばあるかも知れないけど…



「よく屋上のカギなんて持ってたね」


「前に先生が落としたのを拝借してな、合鍵を作っといた、」


「地味に犯罪だよ?それ」


「卒業したら捨てるから大丈夫だよ」


「………、」


「お前と学校で二人きりになろうと思うとこうでもしないと出来ないだろ?仕方ない処置だ」


「それはまぁ…そうだね」


「だろ?まぁ座れよ」



僕と前園さんは隣り合って座る


屋上は人が寛ぐ事を想定などされてない

ベンチもないし、あるのは室外機やよくわからない機械だけだ、

コンクリートの段差に二人して座り弁当の続きを食べる


「で?どうよ、前園スペシャルデリシャスお弁当は?」


「栄養バランスが考慮されていて見た目にも鮮やかで綺麗、味も驚くほど意外に美味しい、そうやって安心させた後のステルスアキラスペシャルにさっき舌を集中攻撃されてお茶が半分近く無くなったよ」


「はははーそれは良かった、朝早起きして作った甲斐があるってもんだ、明日も作ったるから期待してな!」


「出来れば教室で渡すのはごめんこうむりたい、周りの目線がいたい」


「……、それなんだけどよ、お前に頼みがあるんだよ」


「頼み?嫌な予感しかしないんだけど?」


「頼む前からんな事言うなよ」


「で?頼みって何?」


「あぁ…さっきの河野みたいな奴によく付き纏われてさ、困ってんだよ」


「僕の見てる範囲でならさっきみたいに助けてあげれるけど喧嘩とか僕出来ないよ?クソ雑魚だよ」


「お前がクソ雑魚なのはしってんよ、なんだ煽って欲しいのか?やーいざ〜こ!ざーこ!」


「そういうのは舞野さんみたいなメスガキに言われると価値が上がるな」


「お前……、後で瑠衣ちゃんにちくっとくな?」


「申し訳ありませんでした!」


「で、さっきの頼み事だけど、」


「うん…」



この時僕はアキラ君がどんな頼み事をしてくるか全く

予想出来てなかった

だからなんの覚悟も心構えも出来ちゃいなかった



「私の彼氏、恋人になってくれないか?」



だってそりゃそうだろ

恋人になれなんて

普通思わないだろ?

もしこの小説を読んで少しでも面白いと思はれたなら、ブックマークや、↓の★★★★★を押して応援してもらえると幸いです、作者の執筆モチベーションややる気の向上につながります、お願いします


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ここまで読んでみて、TSキャラの良さが遺憾無く発揮されててワクワクします [気になる点] 前園さんと舞野さんが混じってたまに舞園さんになってます この前のどれかの回でもありました [一言]…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ