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僕の友達はTS時間逆行拗らせ隠れ陰キャ幼馴染系巨乳美少女JKの前園さん  作者: ムラタカ


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75話



2年生後半つまり二学期と三学期は大学受験に向けて殆どが勉強だけで過ぎていった。

もっとも僕個人は勉強が苦手…というより嫌いなのでしたくないのが本音なのは否定のしようがない。

こればかりはいくらアキラ君と同じ大学にいって夢のスクールライフを送るためとはいえ僕にとっての苦行であるのは変わらない。


そんな僕の心境を察してかアキラ君は勉強を教えてくれる最中もリップサービス的な物をしてくれる。

例えば家庭教師風コスプレとでも言えばいいのかタイトなピチピチミニスカートに体のラインがくっきり出るセーターという所謂童貞を殺す服を着用し度数の入ってない伊達メガネをかけて女教師になりきっておしえてくれている。



「康太君うふふ、やれば出来るじゃない、先生賢い子は好きよ?その調子で頑張れたらご褒美を上げるわよ?」


「ご褒美……とは?」


「ふふ、それは出来てからのお楽しみかな?ほっぺにチュ~かもしれないし膝枕からの耳掃除かもしれないし完全肯定生ASMRかもしれないし…、それよりもっと凄い事かもね?ふふ。」


「もっと………凄い事?」


「ええ。」


「ごくり……!これは…ガンガルしかない!」



そういって康太は最後の力を振り絞り全ての余力を集中力に換算していく。

そんな康太の様を飲み物を取りに来た琴音は冷めた目で見ていた。

ここは明と琴音が二人暮らしで同棲する前園家の別宅であり康太は自分の家と明と琴音宅のどちらかで勉強をしているのだ。



「あれで集中力が保たれるなんて脱帽ですね…そんな発想は琴音にはありませんでしたよ。」


「いっただろ?勉強を教えるには相手のコンディションに常に気を張る必要がある、頭ごなしな教え方はためにならないんだよ。」


「それと姉様の格好になんの共通項が?」


「わからないか?はん、琴音はお子様だな!」


「なっ!?琴音が子供なのは関係無くないですか?」


「いやあるね!子供は自分の事しか見えてない事が多い、康太という人間に圧をかける事しか出来ないお前は結局自分の思い通りに事が進まないことに苛立ち康太にあたる事でその鬱憤を晴らそうとしたんだよ」


「………そう…ですね。それは認めていますよ。」


「およ?意外だな」


「琴音とていつまでも向こう見ずなつもりはありませんよ。己の失敗を糧にする術くらい持ってます…まぁそんな単純な方法があったのかと改めて姉様のデタラメさをまざまざと見せつけられた気分ですがね。」



琴音がはっきりと明を肯定した事は実のところ今までそんなに無い。

太陽みたいな存在だとか光だとか抽象的な表現で明を認めてはいても明という個人を彼女が見下していたのは紛れもない事実だ。

だからこうやってはっきりとした姉の優秀な一面を評価したいのは彼女の本心だったりするのだ。


まぁコスプレ紛いの格好で効率が上がるなら自分にも出来るんじゃないかとは思うのだが、そう簡単ではない。

まず琴音では明のまどろっこしく非効率な教え方は出来ないと自覚しているからだ。

効率を殺しあえて遠回りな教え方が一番の早道となるのはなにも勉強だけに限った事では無いのかもしれないが自分には無理だなと痛感させられる。


また姉は人には人の考え方があり千差万別、だからその人にあった教え方を模索し対応しなければならないとも言っていた。

効率厨の琴音にはそれが何より難しいと実感出来たのだ。


琴音から知らないところで評価が上がっているなどとつゆ知らず明は康太にわざと見える様に胸元を開き胸の谷間を見せて誘惑まがいの事をする。



「駄目だよ〜康太君、よそ見しちゃ?ちゃんとこの問題をとかないとね?解いたら好きなだけ見ていいよ?ふふ」


「ふんふん!」



しかしやはりこの滑稽なやり取りにはどうしても眉間を押さざるおえない琴音だった。




あくる日。

教室の中では隣席同士である康太と明は互いのテスト結果を見せ合っていた。

明は相変わらず良い意味で凄まじい結果だ。

全ての答案用紙には90点代くらいの結果を示す赤い文字が記されている。

そして2年3学期末テストの返却にて康太の平均成績は琴音が見ていた頃より明らかに良くなっていた事がわかった。

全ての教科が平均を大きく上回って余りあるしこれまでの康太の成績からは予想もできない程の大躍進だ。



「自分のテスト用紙だと思えないくらいだよ!これならなんとなりそうだよね!」


「バカヤロー!油断は大敵だぞ?お前は直ぐ気を緩ませるからな!あと1年は今の成績を落とさないように定期的な勉強を心がけていかないとな!」


「うぅ…そんなぁ…」


「たく、露骨に気落ちしやがって…どーすっかなぁ。」


「キスでもしてあげたらいいんじゃない?」


「「ふおえ?」」



二人の間に割り込んできたのは舞野瑠衣だった。

彼女はニヤニヤとして含み笑いで康太と明の隣を陣取る



「二人って付き合ってるくせに清い交際過ぎて面白くないんだよね〜!だからさキスとかハグとかそれ以上のすごい事を沢山やったらいいんじゃない?」


「そ…、それ以上って何をやるのさ?」


「そんなの決まってるじゃ〜ん、付き合ってる二人が最終的にやる事と言えば一つでしょ?」


「まっ……まさか……」


「ちょっ?康太?貴方何を想像してるのかしら?」


「へ?いや?これは、…ちがくて…?」


「あはは!やっぱり二人をみてるのは楽しいな!アキちゃんももっと大胆に攻めないと!ね?」


「大胆に……ですか…?ですが具体的にどーすれば?」


「アキちゃんちょっと耳貸して?」


「え?ほぉ~…」



瑠衣に耳元で小声で囁かれ変な声を出す明

美少女二人のそんなやり取りを遠巻きで見ていた男子達は二人のやり取りを鼻の下を伸ばしながら凝視するので必死だ。

無論康太もそれは変わらない。

百合アニメオタクでもある康太にはリアル百合展開が眼の前で繰り広げられていたならばそんなの見ないわけにはいかないのだ。

むしろみないと失礼まであるのだ。



「そっ、そんな事出来ませんよ!」


「え〜なんで〜?ここまでやれば只野君もアキちゃんにメロメロだよ〜?」


「もっもう!そーいう瑠衣ちゃんは笹木君とはどうなんですか?ちゃんと仲良く出来てるんですか?」


「え?私達?ま〜…うん!出来てるよー?」


「私としては瑠衣ちゃんの方が心配ですよ?」


「え〜大丈夫だよ〜?じゃーねー?」



まるで逃げるように瑠衣は立ち去っていった。

笹木君と上手く行って無いのだろうか?

3学期末にせきがえがあり長らく一緒だった笹木君とは席が離れ何の因果かアキラ君と隣席になってしばらく経つ。

だから最近は笹木君と舞野さんのことは余り知らなかったりするのだ。



「大丈夫かな?あの二人…」


「私等が干渉するのもなぁ…お節介に思われるだろうし…でも気になるよな…」



他人の事に干渉するのは得意ではない。

本質的にボッチで陰キャな僕の様な人間にはそれは難しく感じる。

それでもあの二人の馴れ初めを見てきた自分としては気にするなと言うのもまた無理な事だった。



「僕後で笹木君にそれとなく聞いてみるよ…」


「え?あぁ…そうだな…悩み事がもしあるんなら聞いてもらいたいもんだろうしな、私も瑠衣ちゃんと少し話してみるか。」



実際あの二人が上手くいってるのかいってないのかは分からない。

そうわからないのだ。

野次馬根性と言われたらそれまでだが上手く言って欲しいと思うのは僕達のエゴなのか。

それは笹木君達当人にしかわからない。

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