46話 嫉妬
いつも誤字報告申し訳ない
アキラ君の部屋で琴音ちゃんとソシャゲに興じる
思いの外、飲み込みが早い
地頭の良さからか課金などしていなくとも相性の良いキャラ同士の組み合わせで高めた効果で基本性能を底上げ、レアリティの低いキャラでもこんな使い方があるのか!?と思わず声を上げてしまう使い方で高難度エリアをクリアしていく。
基本ソーシャルゲームは高レアキャラを引かせる為に課金を要求してくる、華々しい見た目、高いステータス、便利な固有能力、こういうのが揃ったSSRキャラはガチャからの排出率が異様に低い。
故に未課金勢は運良く手に入れた高レアキャラを主戦力に高排出率の低レアキャラでなんとかやりくりする事を強いられる
しかし琴音ちゃんはその低レアキャラの中から無能、使えないと言われていた様なキャラ同士を同一パーティーに加え高難度ステージの報酬アイテムや無償供給のアイテムなどを駆使して僕でも思いつかない戦果を上げていた。
「凄いね、コレだけのキャラでこんなに戦えてるなんて、目から鱗だよ」
「ふふ、そんな事ありませんよ、全部康太兄様に教えてもらった戦術を琴音なりに応用しただけです、それにこのゲーム、とても奥が深いです、一見使えないと思われがちなキャラクターもステータスや能力でよく見れば思いもよらない力を秘めていて無限の可能性があります」
「そっか、そこまでやり込んでもらえたなら勧めた僕も鼻が高いよ」
「はい、素晴らしいゲームを教えて下さりありがとうございますね康太兄様。」
にこっと微笑む琴音ちゃんの可憐な笑顔にドキリとさせられる、オタクに優しいギャルならぬオタクに優しい可憐美少女とかオタクの精神によろしく無い
それに彼女は前園琴音、前世で僕に舌打ち、ガン飛ばしを食らわせた恐ろしい陽キャ少女だ
一切の油断はならない
「あ!そうだ、康太兄様、これはどういった意味かわかりますか?能力欄に書いてある意味が分からなくて」
そう言って彼女は自身のスマホが僕にも見える様に体を寄せてくる。
サラサラの黒髪と一緒に彼女の肌が僕の腕に触れる、すべすべの肌触り、いい匂いがする、
ヤバい、やばいよー?コレはいけませんのことよ?
いけませんのことよーー!!?
そんな感じで意外にも好感触な琴音ちゃんとの時間は思わぬ形で終わりを迎える
「ふふふふ、随分と仲良さそうにしているようですね?康太?琴音?」
「ひぇあっアキラ…君?」
「明姉様?」
「ふふ、私というものがありながら妹に手を出すとは随分な余裕ですね?康太?」
部屋のドアの前には仁王立ちする前園明がいた
凄いプレッシャーだ、
あまりの圧に吹き飛ばされそうになる
体からオーラ力がほとばしっている…様に見える
ほとばしるオーラ力が彼女の巨乳を縦横無尽に揺らしているかのような錯覚を覚えさせる
まぁ仁王立ちしているのでピンと巨乳が張っていてエロいが別にやましい気持ちで胸に視線をやっているわけではない。
何故胸ばかりに視線をやっているかと言うと顔を見るのが怖いからだ
何故かわからんがアキラ君は大変ご立腹だ。
私今怒ってます
そう態度でしめしている
これでもかとキレている
前に美人が怒ると怖いなんて話を何処かでした気がするがあれが本当なんだと改めて再確認させられた
怖い
「はぁ、康太、何を人の胸ばかりガン見ているのです?貴方、今自分がどういった状況か理解出来てるの?」
「あ…いやですね?琴音ちゃんとお話を…」
「だ・か・ら・何故私が目を離した隙にそんなに私の妹と仲良くしているのかと聞いているのですよ…康太?」
アキラ君はすごく怒っている
ここまでキレる理由は分からないがおそらく琴音ちゃんが絡んでいるのは間違い無い
こんな時、鈍感難聴系主人公ならば、え?何?聞こえないとか超鈍感パワーでやり過ごすのだろうが生憎と僕はそこまで鈍感では無い………つもりだ
この場合、アキラ君がキレている理由は2つ
アキラ君は大のシスコンで僕が琴音ちゃんを取ってしまうと不安になっている
そしてもう一つはその逆
琴音ちゃんに僕が取られてしまうことを危惧している
この2つどちらかだろうが2つに絞った場合
答えは考えるまでもない
第一にアキラ君は自身の家族を嫌っている
それは妹とて例外ではない
ならば答えは妹、琴音ちゃんに僕が取られる、
それを怒りという形で表しているのか、
元が男だと思うとなかなかキモいが目の前の光景をそのまま受け入れるなら嫉妬し、ヤキモチをやく清楚巨乳幼馴染美少女という構図はキモいという評価が一転して萌殺されそうになる程にいじらしい光景に早変わりする
全くとんでもないな、前園明の可愛さは化け物か!?
「何をニヤニヤしてるのですか?私は怒ってるんですよ、康太」
「え?あ、いや、」
「違うんです、明姉様!」
「え?」
「あ?」
「こっ…琴音が康太兄様に無理を言って、だから康太兄様を怒らないで上げて」
おいおい誰だよこの意地らしい生物は?
ホントにあの前園琴音か?
そっくりになりすましてる偽物では?
目が会えば舌打ちされ、肌が触れればウエットティッシュで触れた部分を拭かれ、同じ個室に入ろうものなら眉間にシワを寄せ不機嫌を隠そうともしなかったあの前園琴音か?
キャラ崩壊が半端ない、
あれか?今流行の転生して中に入ってる魂が別の誰かとかいうオチか?
正直普通にあり得るぞ
ここに逆行転生したやつが二人もいてしかもその内の一人は性別まで変わってるんだ
何でもありだぞ
「琴音、お前には言ってない、私は康太に言ってるんだ」
「いえ、姉様、私が康太兄様に遊んで欲しいと頼んだんです、だからどうか康太兄様を責めないで上げて下さい」
「………、もういい、」
そう言い残すと明は黙って部屋から出ていった
出ていった部屋主不在の部屋の中でその妹の琴音と客人の康太はポツンと取り残されていた
ヤバい、ガチめにキレている
アキラ君があそこまでキレているのは珍しい
コレは早々になんとかしないと本当にまずいだろう
「琴音ちゃん、明さんを待たせてはいけない、多分夕飯の準備が出来たんだろうし行こう」
「あ……はい…、」
琴音ちゃんは何かまだ言いたそうだったが僕はそれを無視してアキラ君の後を追うように部屋を後にした
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