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4話  清楚系巨乳幼馴染美少女の友達がいる苦悩

朝の教室



アキラ君こと前園明さんは舞野さんと女子トークを始め、僕は自然とフェードアウトさせられていった

そこにゾロゾロと陽キャ親衛隊の皆さんが揃い僕は無事前園制空圏から放り出された


連中より先に学校に到着し、自分の席と椅子を確保

座ってしまえば連中も無理矢理椅子を取っては行かないので一安心だ

しかしトイレに行けてない、今からトイレに行っていればその間に前園親衛隊が来るかも知れない

後で尿意に襲われるかもしれない事を覚悟でトイレに行きたい思いを断腸の思いで絶たなければならない


「はぁ…」


と溜息がひとりでに漏れる


何やってんだろな、僕は…

アキラ君とは中学からの付き合いだが前園明さんとは小学一年のころに知り合った幼馴染だ

だがこれを幼馴染と言っていいのだろうか

なんか若干インチキくさい

全国の幼馴染スキーを敵に回してやいないか

そもそも前園さんという皮を被ったアキラ君相手に何故こんなにも頭を回さなければならないのか


「はぁ…」


また溜息が出る

アキラ君、彼が今の彼女、前園さんになったのはおそらくだが何かしらのきっかけがある

再開当初、小学校当時の彼、いや彼女はまだアキラ君だった、前園さんの皮を被ってはいなかった


当時彼女は


「康太!俺、将来は絶世の美少女になるわ!」


と意味のわからない宣言をして、それから意味のわからない努力を重ねて行った

年をおうごとに目を見張る美人になっていったのは彼女の元々の素質もあったが彼女の謎の努力も相当大きかった様に思う。


ただ一つ転換期があったと思う


「康太、俺は駄目だ、理想の美少女になれない、俺は美少女になれない……」


某ロボットアニメの主人公の名台詞、俺はガン○ムになれない……のセリフパロを挟みながら彼女はそんな事を真顔でいった、


「十分かわいいと思うけど?何がそんな不満なん、」


「駄目だ駄目だ!こんなの、俺の望む美少女じゃない!」


「えぇ…、」


彼女は何日も何がいけないのか、何が足りないのか

それをずっと考えていたが当時の僕には何が何だが一つもわからなかった


しかし今日舞野さんを見てはっとなった

アキラ君が目指していた美少女の理想像、あれはおそらく舞野さんだったのだと、

くりくりの瞳、薄茶色のゆるふわツインテール

小さい体に不釣り合いなオッパ……


とにかく当時のアキラくんの格好は舞野さんをリスペクトしていた様に思う

しかしアキラ君…というより前園さんは小学校当時から背は高かったし目も切れ長でかわいいと言うより綺麗系の顔付きだ、同じ一群女子でもベクトルが違う



つまり今の彼女は色々煮詰めた結果の果てなのだろう

決して僕の好みに合わせた訳では無い、

僕は前世で男だった頃の前園さん、すなわちアキラ君に

自分自身の好みを熱弁した事がある

ヤロー同士で自分の好みを語り合う

誰だってしたことあるだろう

つい熱が入るものだ

誰だってそうだ


黒く艶のある綺麗な長い黒髪

身だしなみはきちんとしているのに溢れ出すエロさ

清楚系のなかにあるエロス

それをアキラ君に馬鹿みたいに熱弁した

我ながら黒歴史だ、ユニバースだ


アキラ君はなんの嫌がらせか、そんな僕の理想の美少女像をこれでもかと体現していた

ホントになんの嫌がらせだ………




「はぁ………、」


「また一段とデカいクソデカ溜息だな?」


「ああなんだ、笹木君か…」


「何だとは何だ、只野君」


「別に、ほっといてくれよ」


「いやいや、親友のクソデカ溜息を間近でみてほっとけないだろ?」


「え?僕達友達だったの?」


「俺は時折お前が大物にみえる事があるよ」


「冗談だよ、まぁ朝から疲れる事があってね」


「疲れるって我らがクラス、つーより学校のマドンナ2人を侍らせて登校した事か?なんと贅沢な」


「はぁ…もう広まってるのか……」


「あぁ、しかもかなり脚色されてるな!」


「随分たのしそうだね」


「あぁ、お前を見てるとホントに飽きないわ」



侍らせてた記憶は微塵もないが美少女二人と登校したのは間違ってはいない

他の男子が悪意マシマシで噂を広めるのは想像に容易い

僕も前世の高校生活ではモテない男子通しで結託して散々イケメンやモテ男子、彼女持ちを敵視してきたので大変遺憾ではあるが彼等の気持ちは痛い程わかる

わかるからこそ前園さんと一緒にいる所は見られたくないのだ


前園さんを避けても、逆に開き直って仲良くしてもどうせ敵視される


何故か?わかりきってる

釣り合ってないからだ

彼女と釣り合う様に努力すれば良いと思うかも知れたいが人には出来る事と出来ない事がある

身長を伸ばそうたってそんなのは無理だし

生まれ持った物は整形しないと変わらない

非現実的過ぎるのだ

なら外見以外の所を伸ばそうと努力すればいいと思うかも知れないが、僕の体力や学力はそんな努力とかでなんとかなる程容易いものでは無いのだ



「はぁ〜……」


「どした、今日1デカい溜息だな、また前園さん関連か?」


「いや、自己嫌悪かな…」


「あぁ…、まぁ人間立ち止まりたくなる時もあるさ、なんなら帰りどっか寄ってくか?」


「カラオケは嫌だよ?」


「誰もお前の歌声なんて聞きたくねーよ」


「ならばよしだ」



こうして隣の席の友人笹木君と帰りに遊びに行く事になった

彼は陽キャと陰キャ、どちらの派閥にも身を置く中立派で早い話が立ち回りが上手い

遊びに行くにしても僕の嫌がるところには連れて行かないだろうという謎の信頼感がある

まさにギャルゲー主人公の友達枠にうってつけの人材だが騙されてはいけない

この男実は彼女持ちである

今日彼女と遊ぶ約束が無いので僕を誘っているのだろう爆ぜろリア充め!



この後に特に何か変わった事があった訳では無い

いつも通り前園さんが取り巻きの親衛隊を引き連れ、お上品に教室にログインし、優雅な微小を教室内に振り撒き俺にニッコリと含みのある笑顔を向け、男子から睨まれるといういつもの流れの後、先生が教室にログインしてきたくらいだ

ちなみに前園スマイルを向けられた僕に対する妬みを含んだ眼差しを向ける面子に笹木君は含まれていない

当たり前だ、彼には彼女がいる

実に妬ましい


こうして授業と10分休みの繰り返しと昼休みをはさんだ学校の長い、無駄に長い一日は無事に終わり放課後となった


笹木君と遊びに行くとは行ったが結局行く場所は学校からは家と反対方向のファミレスとなった、

なんか僕の愚痴を聞いてくれるらしいが十中八九彼女の自慢だろう

彼は何故か彼女がいる事をあまり言いふらさない

僕がしってる事からも別に隠してる訳では無い様だが言いふらす程でもないというのが彼の持論だ、



いくか、と笹木君の合図に合わせて学校から出ようとするとスマホが振動する

画面には


゛今日も行くから、゛



と、だが今日は笹木君との先約があるので


゛今日は無理、先約がある゛


とウチ返す

既読は直ぐに付いたが返信が来ないためまぁいいかと笹木君とそのまま学校を出ようとすると



「あら、奇遇ね、只野君、それと笹木君」



門の前で前園さんと鉢合わせてしまった

いや、これ

どう考えても待ち構えていたと考えるのが自然……

かな?

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