31話 笹木純一その2
いつも誤字雑字の修整有難う御座います
最初は小さな違和感からだった
自分を変えたいといった彼女は高校から部活を始めた
テニス部だそうだ
運動が苦手な彼女はあえて運動系の部活に所属する道を選んだ、正直俺個人としては彼女との時間が無くなるので部活などしないでほしかったがそんな事は言えるはずもない、人見知りで運動オンチの彼女が自分を変えたいと言うんだ、頑張れよと応援するしかなかった。
しかし俺は自身のこの判断を後に後悔する事となる
彼女は部活を理由に俺との約束を無下にする事が増えていくからだ、
学校帰りに一緒に帰りたいと言う願いは彼女側から部活があるから無理と言われる
なら明日は?その次の日は?その次の次は?
その日も部活明日も部活、また部活
彼女は部活を優先するようになった
それでも彼女を応援すると言ったのだから不満ばかり口にしてられない、そもそもあんまりしつこいと嫌われる、そう思って我慢した、
だが部活が無い日もある
テスト前だったり、何かの催し前だったり、そんな時くらいは彼氏の俺を優先してくれる、そう思った
「ごめんね、純君、今日部活の皆とボーリングにいく事になったの、また今度埋め合わせするから」
そう言うと彼女は一瞥もくれず部活仲間の方に走って去っていた、
彼氏ってなんだ
彼氏ってここまで惨めな思いをしないといけないのか
部活を始めてから彼女は明るくなった気がする
はつらつとした印象を受ける様になった
眼鏡はコンタクトに変えてボサボサだった髪も
整えて、スポーツを始めた効果か、ぽっちゃりしていた体もキュッと引き締まって来ていて健康的な太ももが見える
前から可愛いかったが今は以前に増して可愛いくなった
俺の彼女は可愛い、嬉しい筈なのに彼女が可愛くなった事に一切貢献出来てない事に気付いて険悪感だけが募る
そんな鬱屈とした日々が続いたがある日嬉しい事があった、
彼女が向こうからデートの誘いをしてくれたのだ、
着ていく服を選ぶ、お金の準備のため母さんに小遣いをせびったり、デートコースをスマホで調べたり色々して、楽しみが心の中で溢れた、
今にして思えば楽しみにしていた事そのものがフラグだったんだろう、
彼女はデートの待ち合わせに来なかった
デートの待ち合わせ場所についても彼女はいなかった
30分待っても来ない
電話をしても来ない
心配で彼女の家に電話をするが彼女の母親からはあの子なら出て行ったよと言われて心配が加速する、
しかしここで彼女の母親が言った言葉で頭が真っ白になった、
「部活の友達と遊ぶ約束があるといってたよ」
なんだそれ………
なんだよ…、それ………
お前から言ったんじゃんか、今日久しぶりにデートしょうって……
なのに部活?
その時彼女からラインが届く
月里冬美 なに?今部活の友達と買い物してるから
あんまり構ってあげられないよ?
はぁ?何言ってんだコイツ……
笹木純一 はぁ?お前が今日デートっていうから今も
待合せの場所にいるんだぞ?
なのになんでお前約束すっぽかしてんだ
よ?
月里冬美 あれ?デートの約束って今日だっけ?来 じゃなかったっけ?
まぁいいじゃん、また来週で、
それきり何度もラインしても既読すら付かない、完全に無視を決められたのだ、
なんだこれ、おかしいだろ……
因みにあの女は来週のデートもすっぽかした、俺もデートをすっぽかされるのではと確信に近い勘繰りをしていたので約束の場所には行かず家から時間にラインを送るとアイツは今日も急用が入ったからまた今度ね、そう言って流された
中学の頃はこんな奴じゃなかった
もっと真面目に俺の事を……
いや、よそう、現実逃避は…
あいつは元からあぁ言う人間だったのだ、わかってた筈だ、
俺は人を見る事だけは得意だから
アイツの性格もふんわりとだが理解していた
ただここまで酷いとは思っていなかった
それだけだ
始めての彼女だ
認めたく無かったのだ
アイツが俺を利用していた事を…
部活と言っていたがあれは半分本当で半分嘘だ
テニス部に入ったのはアイツがテニスを好きだから入った訳じゃない、
テニス部にお目当ての男がいたからだ
部活に頻繁に通っていたのも同じ理由
だからテニスを頑張っていたのは本当で俺に隠れて浮気していたと言うだけのはなし
俺とつきあったのは陽キャ連中とのコネクションを作るのに丁度よかったから
陽キャに囲まれれば俺は用済み、徐々に疎遠を装って自然消滅を測ったのだろう
女は怖い生き物だ、狡猾で残忍だ、
吐き気がする、
それからまもなくして俺は彼女から呼び出された
呼び出された理由はまぁ、お察しだ
「ごめんね、純君、いえ、笹木君、私、好きな人が出来たの、だから私と別れて欲しいの……」
何ともまぁ……わかってたがこれはツライ
駄々を捏ねても仕方ない
俺は彼女から言われた別れ話に同意した
するしか無かった
こうして俺はまた一人になった
陰キャでも陽キャでもない
どっちつかずな人間、
魅力なんてない、わかってる
たがらフラレた
いや、あの女は最初から俺の事など見ていなかった
キスどころが手を繋いだことすら片手で数えるくらいしかない、
わかってた
わかってた筈なのに…
涙は出ない、感情が追いついて無いからか、わからない
もう何も…わからない
「ねえ?」
「え?」
「人を好きになるのってどんな気分?フラレたらどんな気分?」
彼女に捨てられ放心状態でその場に立ち尽くしてる
俺にそんな意味不明な質問を投げかけてきたのは
この学校に二人しかいない高嶺の花の片割れ
舞野瑠衣だった
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