28話 告白?
笹木君の彼女さんとは1、2回しかあった事がない、
だから正直言うと浮気されたと言われたところでふーんとしか思えない、薄情な奴と思うかも知れないけどそれが僕の率直な感想だったりする
ただその彼女が笹木君に対して酷い事をした事にかんして何も思はないのかと言えばそうではない
僕には実際の所彼女はいない
しかしもし彼女がいたとすればどうだろう
その彼女が僕の知らない所で逢瀬を重ねていたら僕は耐えれるだろうか、当然耐えれない
因みにこれはアキラ君も同じだ
前世、前の世界でアキラ君がまだ男だった頃二人でよく互いの性癖について話し合った事がある
男友達と性癖について語り合うとか良くある事だろう
そうやって話すなかで互いの性癖と性癖がぶつかり合う、解釈の一致と不一致
その中で特に意見が揃ったのがNTRに対する意見だ
アキラ君は純愛厨である。
トゥルーラブ大好きマンである。
NTR大アンチマンである。
彼は常々語っていた。
「嘆かわしい!世の作家達の大半はNTRに走る、ソレも俺が目を付けた神絵師に限って!何故だ!……みなまで言うな、康太、わかってるよ……NTRは売れるんだ…NTR物描いてりゃとりま売れる、絵が上手けりゃそりゃ売れるよ……でも俺からすればNTRってジャンルに好きな絵師を寝取られた気分だ、ちくしょう…コテコテの純愛モノが見てぇよぉ…」
彼との反NTR談義は朝まで続いた
つまるところ僕もアキラ君も寝取られが大嫌いなのだ
故に男として彼氏を蔑ろにする女など汚物同然なのだ。
つまり何がいいたいかと言うと笹木君が彼女に浮気された事にかんしては可哀想とは思ってもそれ以上思う事はない。
同情以上に出来る事など僕には無いからだ。
ただ清楚系幼馴染をこよなく愛する1オタクとして浮気はヒロインがしてはならない禁忌なのである。
清楚系幼馴染美少女は寝取られるモノという鉄板ネタは何故鉄板足り得るのか
夜が明けるまで語り明かしたいモノだ、
オタク的観点から見れば笹木君の彼女さんはドグサレビッチそのものなのだ、
我ながら処女厨を拗らせてるなと思ったのだが僕よりも憤慨している奴が近くにいた。
誰かなんてわざわざ言うまでも無いだろう。
「はぁ!?浮気ぃぃー!?クソだろそんなん!!」
そう、僕が通う高校のなかで屈指の人気を誇る清楚幼馴染美少女、前園明その人である、
いま僕は前園さんと共にいつもの屋上に来ている
因みに現在12時、お昼休み時だ、
いつもの様に二人して並んで座って前園さん手製の弁当を食べる、なかには色とりどりの食べ物が並んでいるがそこには栄養満点激マズな食べ物が潜んでいる
アキラスペシャルは今も健在である。
「まだ証拠とかは無いから確定では無いんだって、」
「つっても笹木君が浮気してるかもって思うくらいには怪しい行動取ってるんだろ?」
「まぁそうだね、」
「はぁ…NTRはフィクションの中だけにしといて欲しいわ、現実の浮気とかもはや見るに耐えん」
「でも何か事情があるのかも?」
「事情ってなんだよ、アレか?良くあるエロい写真取られて脅されてますとか実はエロ自撮り投稿主でアカウント特定されて脅されてますとか?」
「いやぁ、無いでしょそんなガバガバ設定みたいな展開、現実にそんな理由で脅されてる子いたら頭がゆる過ぎて逆に尊敬に値するよ」
「じゃなんだよ、事情って…」
「普通に家の手伝いとか友達の約束とか」
「だったらそうだって連絡するだろうし、彼氏が凹むまで放置してる時点で彼女失格だろその女」
「なんかアキラ君と付き合う事になる男子は幸せだなぁ、絶対浮気とかしなさそう」
「偽とはいえ私と付き合えてるお前は世界一の幸せ者だな?」
「だね、中身がアキラ君である事を除けば見た目ドストライクな幼馴染美少女が毎日お弁当つくって迎えに来てくれるんだから正に理想のシチュだよ、」
「そうだろそうだろ!」
「ただ、……だからこそ虚しくなる事もあるよ……」
「……やっぱ…彼女欲しいのか?康太は?」
「そりゃ欲しいよ、まっ、僕みたいな陰キャの相手してくれる子なんていないだろうけどね、ははは…」
「なってやろうか?本当の彼女に?」
「は?」
「だから、私が本当の彼女になってやろうかって言ってんの!」
笹木君には悪いが浮気されたという話が個人的には吹き飛ぶ程の衝撃を受けた
そりゃそうだ、
アキラ君がこんな事を言い出すなんて誰も想像出来やしないだろ?
少なくとも僕には予想すら出来無かった。




