19話 前園明の陽キャ撃退方とは
舞野さんのあの反応が少し気がかりだが僕等3人は共に学校へと向かう。
コレまで舞野さんは前園さんの隣にいて、前園さんに抱きついたりしていたはずだが今は僕の隣にいる。
これ見よがしに抱きついたりはしてこないがソワソワした感じで目付きが笑顔なのに笑って無い気がしてすこし怖い。
そうこうしていると前園及び舞野親衛隊の皆さんがゾロゾロと集まって来る、中には初日のあいつ等もいる、その他にも僕に牽制をかけたり脅したり、実際に暴力を振るって来た奴もいる。
彼等は僕の方に笑顔でおはよう只野君と笑顔で挨拶してきたと思ったら気安く僕の肩に腕を置いて前園さん達に聞こえない様に囁く。
「なんだよ今日も学校休むと思ったのにガッカリw今日も休んでろよ陰キャw」
「つーか俺等言ったよね?前園さんと別れろって、なのに何?お前?調子のんなよマジで?」
でた、調子に乗ってる理論
コイツ等の言う調子に乗るとはどういう意味なのか
自分が正しい、お前は間違ってる
その何処からくるのかわからない謎の自己肯定感や自信は僕には無いものだ
正直こんな風になれたら良いなと思う反面、こうはなりたくないとも強く思わされる
「おい、テメェ聞いてんのか?ちょ…」
「あっ、ずるいですよ、康太は私の彼氏なんです、皆さんも私を入れて下さい」
陽キャが何かを言おうとしたが前園さんがそこに割って入る、
律儀に僕の名前が下の康太呼びになってるし、僕の腕に自身の腕を絡めるのも忘れない
私が彼女ですアピールとしては完璧だ
「えっ?あ、へ……」
「皆さんが康太と友達になりたいのは理解できます、康太はこれで中々に侮れない魅力を持ってますからね、惹かれるのは無理ないでしょう
しかし、彼女の私を通してくれないと困りますね!
以降、康太とお話するときは私も同席しますね!
康太の連絡先も私が管理していますので、康太から勝手に聞かないように!
貴方方を信頼してない訳ではないのですがもし、貴方方を介して康太が他の女子と私の知らない所で仲良くなってるとかゾッとしますからね!!
もし康太が浮気なんてしょうものならその首ねじ切ってやる次第で……あっ、すいません、なんでもないんですよ!とにかく康太に用があるときは私に一報下さると助かるのですがどうですか?」
いつもの澄ました顔で中々に重い事を言う前園さん
無論俺の連絡先を彼女が管理しているとかは嘘だがあぁもシレっと言われると本当の事の様に思えてくる凄みがある
言われた陽キャ達も言葉が出てこないのか、それとも前園さんの先程の剣幕に押されたのか唖然としている
「あっと…えー、いや、その只野君には前園さんと普段何話してるのかなーって話を聞いてただけでね……」
「康太と何を話していたかですか?うーん、そうですね、昨日は彼が体調を崩していたので一日中看病してましたから話らしい話は特にしてないですよ?
体調が優れない時に声を発するのは辛いですからね、だからお粥をつくって上げました、あ~んとふーをしてあげてお粥を、食べさせてあげました、康太は猫舌ですし、舌を火傷したら大変ですからね、仕方ないですね!
そのあと眠った彼の寝顔をずっと見てました、ふふ、至福の時間でしたね、彼ったら寝顔がとても可愛らしいのですよ、見ていて飽きません、昨日も……」
「わぁぁ、ストップ!ストップ!前園さん!ストップ!わかった!わかったから!ね?ね?」
「え?いえいえ、皆さんあんなに楽しそうに私の康太に接していたじゃないですか?康太の魅力を語る上でまだまだ語る事は沢山ありますから遠慮なさらずに、それで昨日の話続きなのですが……」
「あー、俺学校に急がないと〜」
「あ、俺も俺も!」
「じゃね、前園さんまた!」
そうして一部の親衛隊は親衛隊グループから抜けでて別々に学校に向かっていった
残った親衛隊のなかでも優等生キャラの新井君がひきつった顔をしながら何とか冷静を取り戻し、前園さんに話かける
「いやぁ、前園さん見事な撃墜法ですな、彼等の言動は以前から目に余る問題だと思っていたのです、これで…」
「撃墜?なんの事ですか?そうだ!新井君、康太の寝顔がね!犬みたいで可愛らしいんです、鼻が寝息に連動してピクって動いて、まるで小動物的な魅力があるんですよ!?お粥を食べてる時も猫舌だから一気に食べれなくて……」
「そうですか……あはは……あはは…」
優等生新井君の顔も引き攣っていた、その後も前園さんの康太トークは延々と続き、新井君のライフは限り無くゼロに削られていた
因みに僕が猫舌なのは本当だ
おでんとか熱くて食べれないし、ラーメンもだいたいのびる、そこをネタにしているのだろうが聞いてるこっちが恥ずいから止めてほしい。
その後、教室についた僕と前園さんだが彼女は自分の席ではなく僕の席にまでついて来て隣にしゃがみこみニコニコ笑顔で話しかけてくる
机の上にデカいオッパイがドンと乗せられている
凄い光景が眼前にせまっていた。
そんな様子を見ていた一部の生徒がこちらにやって来て話に加わろうとするが先程と同じく僕の話で相手を圧倒して撃退していた。
今日の前園さんは基本的にずっとこんな感じだ
暇があれば僕の所に来てぎりぎり前園明のキャラを維持しつつも限り無く素に近いテンションで話していた
それが何処かとても自然で彼女の笑顔により一層彩りをあたえていた。
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