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僕の友達はTS時間逆行拗らせ隠れ陰キャ幼馴染系巨乳美少女JKの前園さん  作者: ムラタカ


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17/79

17話 マイフェイバリットフレンド

それから何度か学校に行ったんだが僕が心を落ち着けられる場所が日を追う事に無くなってきていた

皆が皆、僕が前園さんと付き合ってる事に強い憤慨とか嫉妬とかを持っていたし、その感情は次第にエスカレートしていってもうそれはイジメという行為に片足を突っ込んでるくらいにまではなっていた。


クラスメイトからは露骨な無視をされた

女子側は男士の稚拙な行為に呆れ返り、舞野さんを中心に何人かは僕の味方をしてくれたがソレがかえって男子達の怒りに油を注ぐ結果に繋がった。


笹木君なんかは変わらず話しかけてくれるがそれで彼に迷惑がかかる様なことにはなって欲しくない

僕のせいで彼もイジメに巻き込まれたりしたら申し訳なくて泣きたくなる。


学校に行くのが嫌になり、僕は生まれて初めてサボりなる行為に及んでしまった、

学校への連絡は自分でやった

仕方ない事だ、僕は一人暮らしで親がいない

こういった連絡は自分でやらなければいけない。


電話する時はかなり緊張した

色々問い詰められたらどうしようとか仮病がバレたらどうしようとか、しかしそんな心配は無用だったようで僕が思ってたよりもあっさりと休みを取る事が出来た

しかし学校が始まる8時、2時間目が始まる9時とやっぱり学校に来なさいなんて連絡が来ないか、はては学校から親に連絡がいって親から連絡が来ないかなどいらない心配や不安が尽きない

まぁそんな心配をする必要は無いのだが…


しかし一人暮らしはこういう時便利だ

普段の生活では食事、掃除、洗濯、皿洗い、買い出し等全部自分でやらなければならないから最初はかなり手こずった、でもこういうサボり行為も自分の意志で出来る、一人暮らし万歳だ。



「はぁ……」



状況は何も好転してはいない、僕は相変わらずイジメに遭うか遭わないかの絶妙な所に立たされてる、

こういう時、友達が少ないと味方がいないから厄介だ

明日も学校に行かなければならないと思うと嫌になる

成る程

こうして自宅警備員が増えていくわけだ

今はその気持ちがよくわかる、

行きたくも無い所に無理して行く事になんの意味があるのだ、生きていく上で勉強や集団行動なんて必要ないじゃないか

無論そんな事ないのは、百も承知だ

学校とは社会の縮図だ

人間は成人すればその社会に出なければならない、

そのために縮図である学校で社会に出るための経験値をためなけらばならない、

という事はだ社会の縮図たる学校でイジメがあるように、社会でもイジメはあるのだろう

はぁ…と溜息が出る。


所詮大学入試時点までの経験値しかない僕の時間逆行というチート要素は糞の役にも立っていない、

せめて社会に出ていればもうちょっと明るい未来でもあったという可能性が……



「あほくさ…」



現状のまま成人すればそれは現状維持だ

かわることはない

結局僕は僕のままなのだ

それを自覚したら急に怖くなってきた

心細くなって目元に涙が溜まってくる


このまま、ずっとこのまま、高校を卒業して大学を卒業して、成人して社会にでてもずっとこのまま、

いや、下手したら大学すら行けないかもしれない、そうなったら…

僕は…僕は…


心の中の不安が大きな渦になって押し寄せてくる


恐怖で心が潰されそうになる


誰でもいいから助けてほしい


こんな僕を、助けてほしい


わかってる


そんな都合のいい展開は無い


無いのだ


僕は一人だ


ずっと、ずっと……



「康太ー!いるかぁーー!!!」



人様の家のドアを勝手に開け放ちドカドカとお仕掛けて来たのは前園明だった

彼女には家の合鍵を渡してある

以前彼女が勝手に家に入ってきた事があったがソレも合鍵を使ったからだ

合鍵を渡す程度には康太は彼女の事を信頼している

しかし康太にとっては今、最も会いたくない相手だった


康太は頭まで布団を深く被りその態度で会いたくない事を示す

しかし



「心配したんだぞ?待ち合わせ場所に来ないし、学校に行ったら欠席だって言うし」


「………」


「……、とりまなんか食うか?お粥でも作ってやるよ、……安心しろ、病人にアキラ様スペシャルは荷が重いからな、今回は勘弁してやるわ」


「………」


「ま、しんどい時は寝てるのが一番だ、一応風邪薬とか買ってきたけど具合はどうだ?」


「…………………………、仮病だよ…」


「はぁ?仮病?」


「学校に行きたく無かった……だから…休んだ…」


「……、そっか……でもなら一言くらい言えよ…?友達だろ?」


「……、友達…か」


「なんだよ…お前最近変だぞ?なんかあったんなら相談しろよ…?」


「……誰の……」


「あん?」


「誰のせいでこんな思いしてるとおもってるんだ!!?僕は!僕は!アキラ君の恋人役で、でも周りからは本当の恋人でそれで嫉妬されて!恨まれて!!

イジメられて…僕は…僕はぁ!!!」


「なんだよ……それ…、イジメ?なんで…なんで…相談してくれなかったんだよ?」


「出来る訳ないだろ……そんな、みっともない事、僕は、僕は前園さんの彼氏として…堂々としてないといけないんだから!」


「わっ、私は別にそんな事……」


「アキラ君がよくても!周りはそうは思わない!なんであんな陰キャが!あんな頭の悪い奴が!運動出来ない奴が!前園明の、彼氏なんだって思うんだよ!僕は舐められないようって、でも、結局……僕は駄目な、奴だから……うっ、うぅ~…」


自分の不甲斐なさ、情けなさ、みっともなさ、其れ等が波となって押し寄せて康太の心を抉る、

泣きたくなんてない、それなのに涙は止まってくれない、前園さんの…アキラ君の前で泣きたくなんてないのに……

なんて


情けないんだ











「康太は私の彼氏を……辞めたいか?」


「え!?」


「お前が嫌なら辞めてもいい、どうする?」



「ぼくは…僕は…辞めたくない…、」


「そっか……」



明は康太を抱き寄せる

自身の豊満な胸に康太の顔を埋める

康太は反射的に逃げようとするがそうは行くかと明は康太の頭を自分の胸に押しつけてガッチリホールドする

明の体温が伝わる、大きな胸の奥から心臓の音が聞こえる気がする



「アキラ君……?」


「私はお前の事を友達だと思ってる、その友達を苦しめてまでこんな事をやらせる気はない、でもな、お前が辞める気が無いってんなら続けてもらうつもりだ」


「……、」


「なら見せつけてやればいい、嫉妬も僻みもバカバカしく思えるくらい見せつけてやればいい!お前ら如きモブに私等の間に立ち入る隙間なんてねーんだよと見せつけてやればいい、いいか、康太、お前は私と言う偉大な存在をその人生をとして見続けていく義務がある!お前が私の近くにいる限り私はお前に私って存在を見続けていく事を強制する!」


「そんなめちゃくちゃな……聞いてないよ…」


「馬鹿か、おまえ?私は前園明だ!めちゃくちゃ言う人間だ!知らなかったか?」




人形のように整った端正な顔を彼女は不敵な笑みで歪めては言う、


そんな明に康太は思う



(そうだ、アキラ君はこういう人間だ、言動も行動も全て身勝手で自分勝手、でも僕はそんな彼に、いや、彼女にずっと救われてたんだ…)


康太はゆっくりとアキラの胸から頭を上げ彼女の顔を見る、そこには端正な顔をした美少女の癖にやたら男前な顔をした親友がいた



「で、お粥くうか?」


「うん、頂くよ……」



その後康太は明の作ったお粥を食べ、

その温かさに涙を流したのだがそれはまた別の話だろう。



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