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12話 お泊りする清楚系巨乳幼馴染




地獄だ、天国と地獄、死後の世界はこの二つの世界の何方かに送られるという

僕は生きながらにして今その地獄にいる

いや見方を変えればこれは天国と言っても過言ではないのかも知れない。


まずその1


前園さんはお風呂に入った、僕の家のお風呂にだ

シャーというシャワーの音が聞こえるのだ

色々想像する、主に前園さんの裸

服を着ていてもあの大きさだ

果して全部脱いだそのままの大きさはどんな物か、そしてそれは直ぐにわかる事となった


その2


お風呂から出てきた前園さんはバスタオル一枚羽織っただけの防御力が限りなくゼロに近い姿で居間にやってきた

体に巻かれたバスタオルから溢れ落ちる丸い二つの肉の塊

とてもやわらかそうだ

彼女はいつも風呂上がりはこの姿でしばらく過ごすのだという、いや、普通に風邪ひくぞ?



そしてその3


今現在前園さんには僕のベッドを使ってもらっている

スースーと規則正しい寝息が耳に優しいが全く眠気がやって来ない…

最初は一緒に寝ようとか抜かしてきて断固辞退した

そりゃ一緒に寝たいがそんな事をしたら僕の男の子の部分がイグニッションして寝るどころでは無くなる。


僕は布団をひいてそこに寝ているが、そもそも、ヤローの感性があるなら一緒に寝るなんて発想が果して生まれるものなのか?


これ等のアキラ君の仕打ちに僕は我慢を強いられている、そう強いられているんだ(集中線)


元男の友達相手に卑猥な感情を持つのはいけない事だ

それはアキラ君に対する裏切りになるし、冒涜でもある

僕はそう思って我慢している

これを地獄と言わずしてなんと言う?

眼の前に僕の好みを具現化した女子がいる

清楚系巨乳美少女幼馴染、前世から僕が追い求めた理想

それが僕の家の中で飯を食い風呂に入りバスタオル一で動き回り、今は寝息を立てている




最近のアキラ君の言動、行動から僕はある仮説を立てている、いや、実に気持ち悪い仮説だ

もはや仮説というよりただの妄想だが、自分の煩悩がそうさせるのかもしれない


アキラ君が無自覚に僕に好意を寄せているという可能性だ

彼女は他の男の前ではガードはとても固い、なのにそのガードの硬さは僕の前ではほぼほぼ役にたってない

何を思ってここまで無防備を晒しているのか


僕を試してる、そう思った事もある

男の友人として本当に信頼出来るのか、それを試して見ているんじゃないか

そんな風に思ったのは一度や二度ではない

でもそれを確かめる手段はない


本人に聞く?ありえない

軽蔑されるかもしれない、

縁を切られるかも知れない

そんなのは嫌だ

結局の所僕は現状に甘んじるしかないのだ




翌日の登校時、僕は寝不足だった

目の下に隈が出来ていて頭が重い

全体的に体が怠い

完全に寝不足だった。



「どーしたんだよ?昨日は普通だったのに?」


「寝不足だ」


「寝不足?んだよ、遅くまで起きてたのか?私はぐっすり眠れたぞ?」


「よく男の部屋で快眠を貪れるモンだ、関心する」


「男っつてもお前が相手なら別に問題ないだろ?」


「………、」



僕の仮説、というより妄想は間違っているのかな…

というより間違っているんだろう

仮にアキラ君が僕の事を異性として意識、見てた場合、多少なりとも動揺やそれらしい反応をしてくれてもいい筈だ


だがそんなモンは無い

なんにも…無いのだ

そりゃそうだ、変わったのはアキラ君、前園さんだけで僕は何も変わってはいない

前世との違いなぞ気付けば何もありはしないのだ。



「そりゃそうだよね、アキラ君にとって僕は都合のいい防波堤でおもちゃだしね」


「はぁ?私はそ…」


「あっ!アキちゃ〜んおはよー!」



僕の言葉に何かを言い返そうとした前園さんだがその声は元気な声にかき消される


手を振って走り寄ってきたのは前園さんと二分する人気を誇るもう一人の高嶺の花

舞野瑠衣さんだ。


人好きする、小悪魔めいた笑みを携えて彼女はこちらにやって来て前園さんに抱きつく

前園さんは今までの裏の態度を瞬時に隠し、朗らかな笑顔で応対する。



「おはようございます瑠衣さん」


「さっそく二人して登校?やけますなぁ〜」


「ええ、ふふ、念願の登校デートです」


「いいなぁー私も彼氏欲しぃ〜」


「瑠衣さんなら直ぐに素敵な彼氏が出来ますよ」


「だといいなぁー、ねぇ只野君は出来ると思う?」


「えへぇ?僕ぅ?」


「そうそう!僕僕!」


「いや、そんな、僕なんかがだいそれた事は何も……」


「いやいや、只野君の率直な意見が聞きたいなぁ~」


「えっと……わかんないなぁ…」



しまった…そう思った

こういうときは当たり障りのない事を言うのが正解

つまり舞野さんなら彼氏なんて直ぐに出来るよ!

とか言うのが模範解答だ、

なのに何を言ってるんだ僕は…

保守的になり過ぎて墓穴を掘っている。


「へぇ~わかんないんだぁー」


「えとあの…舞野さんは綺麗でかわいいけど…」


「けど?」


「……あ〜と……、誰かを本気で好きになるタイプに見えないから…、じゃなくて…今の無しで…あーと、ご、ごめん……」


「ふふふ、はは、只野君……」


「ひぃ…ご、ごめんなさ…」


「只野君…君、面白いね?」


「面白い?」


「うん、まさかそんな事を言われるとは思わなかったよ、多分私に対して似たような事思ってる人はいっぱいいるかもだけど直接言われたのは始めて!私は良いと思うよ、只野君面白いね」



どういう事なんだ?

怒ってない?いや、それは無いだろ

デリケートな所に詰め寄り過ぎたんだ。



「只野君、いまのは瑠衣さんに失礼ですよ!ちゃんと謝って下さい、」


「いーよいーよ、ホントの事だしさ、ただ、私、只野君に興味出てきちゃった」


「え?」


「へ?」


「ふふ、コレからは私とも仲良くしてほしいな?只野君?」



一つ言えるのはこれは舞野さんルートに入ったのか?

いやそんな都合の良い展開はないだろう

胃が重くなる事が増えたがこれに関しては完全は自業自得である


そして僕にとって不都合な事は重なる


前園さんと舞野さん、この二人を特異点とするかの様に人は集まって行く

そうそうに離脱を決意するが前園さんに手を握られ逃げられない

白く細い手の感触は筆舌に尽くしがたい

前園さんに直接触れたのが実はこれが始めてなのだとここで気付く、アキラ君が女で有ることを嫌でも意識させられる


そんな個人的葛藤などお構い無しに結成される前園&舞野親衛隊の皆さんは異分子である僕に早速的を絞ったようだ


「あれー、誰かと思えば只野君じゃん、珍しいね」


「ねぇねぇアキラちゃんと付き合ってるってホント?」


「それマジ話なん?」


「ここだけの話どんな告白したん?」



陽キャ達はコチラの気持ちなどそっちのけでパーソナルスペースにグイグイと押し入ってくる

この陽キャの独特の距離感が苦手だ

連中は徒党を組めば何をしても良いと思っている

この価値観の違いが決定的に僕には合わないのだ



「もーみんな止めたげなよー只野君困ってるよ〜!」


そこに助け舟を出してくれたのは意外にも舞野さんだった


「若い二人のカップルの誕生に祝福を上げてあげようじゃないの〜パチパチパチ〜ほらみんな!」


「そりゃそうだ、流っ石瑠衣ちゃん!」


「アキラちゃん!おめでとー!」


「よっ!お二人さん!」


「ヒューヒュー!」


「お前今日日ヒューヒューは古いだろ?」


「え?まじ?」



どっと疲れた

ほんと何なんだ、コイツラ、ノリで生きてるな


主食はノリなんじゃなかろうな



「只野君!只野君!」


「え?」


「ごめんね?騒がしいの苦手だよね?」


「あっ、いや、……まぁ、うん」


「ははは!やっぱ只野君面白いわ!なんてゆーか馬鹿正直過ぎw」


「ははは…」



それからは前園さんに舞野さん、親衛隊の人達と登校する事になった

賑やかな親衛隊との登校を終えなんとか教室に到着する、自分の席に行くと既に椅子がなくなっていてげんなり、これが明日以降も続くのかと思うとゾッとすると言うのが正直な所だ


「よっ、さっそく揉まれてきたな、」


「笹木君、椅子が無いよ……」


「あぁ、さっき山田が取っていったな」


「………はぁ…」


「そんな溜息ばっか吐いてると幸せが逃げてくぜ?」


「幸せってなんだろね?」


「哲学かな?」




今日も長い一日が始まる

ゾッとする一日が。




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