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とらわれお姫さまのゆるふわ日記  作者: 猫の玉三郎


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35 きらきらアイドルグループ

 今日はセイレーンの歌手グループ『セレンファニ』のショーがありました。彼女たちはセイレーンの中でも選りすぐりの美少女で、歌もそうですがダンスもとてもお上手。ステージの上の彼女たちは本当にきらきらと輝いていました。


 まず会場へ入ると大きなペンのようなものを渡されました。ペン先が淡く光り、会場が暗くなった時にライトとして使えるものだそうです。席は二階の個室で魔王さまのとなりに座らせていただきました。


 ショーが始まる直前に会場の明かりがゆっくりと落ち、辺りは暗闇に包まれます。わたしはその暗闇がほんの少しだけ怖くなってしまいました。かつてのお城で暮らしていたとき、お姉さまたちに閉じ込められたことを思い出してしまったのです。あの時とはまったく状況がちがうのに、おかしいですよね。


 魔王さまはわたしのそんな気持ちにお気づきになったのでしょうか。「大丈夫か」とお聞きになりました。心配をかけたくなかったので問題ありませんと答えたのですが、魔王さまはしばらくの間をとったあと、わたしの手をとられました。


 魔王さまのあたたかく大きな手に握られると心がぽかぽかして、恐怖心なんかどこかへ行ってしまいます。何か言わなければと顔をあげると、内緒だと言うように魔王さまは人差し指を口に当てられました。


 ショーの間中、魔王さまと手をつないでいました。

 なんだかいけないことをしているようで、ドキドキが止まりませんでした。



 ちなみにアムトが所属する『セレンファニ・ファンクラブ』ですが、リーダーはまさかの庭師のヒョードで、初老の職人が両手に光るペンを持つハチマキ姿になるとは思わずとてもおどろきました。ファンの方たちは本当にセレンファニがお好きなようです。好きなものに全力をささげる姿というのは良いものですね。彼らの笑顔も負けずときらきらしていました。


 あ、わたしも片方の手でペンを振ったんですよ。

 みなさんの動きをまねしてみましたが、会場全体が一体感に包まれている感じがしてとても不思議な体験でした。



 本当に素敵なショーでした。

 よい思い出がまた増えました。


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