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第9話 街道での戦闘。

この日の魔物は嫌に数が多かった。

今までの人生でもたまにそんな日もあったのでなんとも思わないが朝のジェイドの話と顔を見た後ではブルアまでもう1日かかる事は容易に想像出来た。


途中、スライムの群れに襲われていた人間が居たのでミリオンとセレストが走って助けに行く。

「疾風剣!」

セレストは左足を大きく踏み込むと爆発的な脚力で前に出てスライムを斬り伏せる。


「ファイヤアロー!」

ミリオンは火の矢を放ってスライムを焼く。


だが数が数だ。

多少倒してもスライムは人間に襲い掛かろうとする。


「ちっ」

ジェイドは舌打ちをすると人間に覆いかぶさる形でスライムの溶解液を浴びる。


ジュゥゥゥと言う音でジェイドの肉は溶けるが次の瞬間には何事も無かったように傷は治り振り返り様にスライムを撲殺する。


その後は少し数の多さに手間取ったがスライムの群れを倒し切ったジェイド達は男に近寄る。


「無事か?」

「はい!御三方に助けていただかなければ今頃はスライムの餌でした!」

男はヘコヘコとジェイド達に頭を下げて感謝を伝える。


「1人で何をしていたんだ?」

「1人ではなく仲間が居たんですが…」


助けた男はそう言って遠くを見る。


「もしや…」

「私の事は良いからと逃げるように言いました。今頃は無事に逃げ切ったのだと思います」

てっきり既にスライムに溶かされていたのかと思っていたミリオンは勝手に心配して勝手にため息をついていた。


その後、男はもう一度「ありがとうございました」と感謝を告げると去って行った。


「今の方、何をされていたかは聞いても言いませんでしたね」

「ああ…2人とも嫌な予感がするから気をつけるんだ」

ミリオンが会話で起きた疑問を口にするとジェイドが難しい顔をしながら嫌な予感がすると言う。


「ジェイド?」

「いや、気のせいなら良いのだがな」


そう言ってジェイドがまた歩き始めるとセレストとミリオンが後ろを着いて行く。

ジルツァークは勇者の旅に不必要な人間のいる所では姿を消していて、歩き始めると「お疲れ様」と言って戻ってくる。


しばらく進むとようやく遠くにブルアの城が小さいながらも見えてきた。

やはり魔物退治が思いの外大変だったことから思った程進めずにいて、後2時間もあれば城に着くだろうが確実に日没には間に合わない。

既に日は傾き始めていた。


「俺は明日朝になれば行く。2人は先に城に行ってくれ」

「そんな!」

「ここら辺でも夜には魔物も出るし城につけば安全に眠れるんだよ?」


ミリオンとセレストが必死に訴えるがジェイドは頑として譲らない。ジェイドの横を浮かぶジルツァークが困り顔と困ったジェスチャーをしている。

ジェイドは口を開けば「亜人共を倒す為には必要な事なんだ」と言う言葉を返してくるばかりだ。


「それなら後1時間だけ歩いたところで野宿をして?これは折衷案として受け入れて?」

ミリオンがジェイドの顔を見ながら言う。

そしてセレストが「それを受け入れて貰えないのなら僕達もジェイドと野宿をするよ」と言うのだった。


そのやり取りと言葉に諦めたジェイドが「わかった…。ただ城が近いから外套を余分に置いて行ってくれ」と言って1時間程歩き進める。


歩いている間もセレスト達は「ご馳走を用意するのだがどうしてもダメか?」「お風呂や布団があるのよ?」と言うのだがジェイドは「済まない。気持ちだけもらう」と言って深く謝るだけだった。


これ以上はお互いの為にならないとセレスト達も諦めて城まで1時間の所でジェイドに外套を渡すと城に歩き始める。

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