表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/172

第88話 ハルカコーヴェとワタゲシ。

ジルツァークの加護が無いと話にならない事がわかったジェイド達はヘルタヴォーグの館で一先ず昼食を貰う。

昼食が出てくるまでの間テーブルで待つジェイドの顔は普段と変わらないがセレストとミリオンの憔悴具合が見て取れる。

2人を支えていたモノが勇者としての力と使命その自信。

それらが崩されてショックだったのだろう。




そしてジルツァークの顔も険しい。

ジルツァークはずっと「モビトゥーイはこんな攻撃はしない」「あの力、セレストとミリオンはまだしもジェイドは死んじゃう」「なんとかしなきゃ」そんな事ばかりをブツブツと言っていた。


だが、何であれ前に進むしか無い。


「ヘルケ、この先の予定を教えてくれ」

ジェイドが向かいに座るヘルケヴィーオに予定を聞く。


「ふむ。ジェイドは前向きで助かる。

セレストにはエルフ流の剣術を身につけてもらう。

講師は呼んであるから食後にくる。

ミリオンは私と魔法の基礎を学ぶ」

そう言うとセレストとミリオンがヘルケヴィーオを見て頷く。


「俺は?」

ジェイドが自分の訓練を聞く。


「タカドラも言っていただろう?

まずは魂の怪我を癒して治せ。

この後は湯治と食事療法を併用する。

そして盾を使う訓練だ」

「わかった。

だが盾は父から学んでいる。

今は使っていないだけだ」


「そうなのか?」

「ああ」

意外そうにヘルケヴィーオがジェイドの顔を見る。


「ならば午後は講師との軽い訓練をしろ。

終わったら風呂に入って貰う。

薬湯だからもしかすると慣れるまでは匂いが気になるかもしれないが治すためだ。我慢をしろ」

「了解だ」

自分の訓練がしっかり用意されていた事でジェイドが安心して頷く。


「ジルツァーク、お前はどうする?」

ヘルケヴィーオがジルツァークを見て午後の予定を聞く。


「一度帰る。

私にもやれる事があるかも知れないもん。

ジェイド、セレスト達をお願いね。

変な事を吹き込まれそうだったら注意してね」

「わかったよジル」


そう言ったジルツァークはジェイドの反応を見て安心しながら帰っていく。

その後ろ姿を見てジェイドが1つの事に気が付いた。


「ヘルケ、ジルはどこに帰るのだ?」

「ふむ。私達もそれは知らないのだ。遥か遠くか、はたまたすぐそこなのか…。

タカドラが神になったら聞いてみても良いかもな」


その後、ジェイド達がヘルケヴィーオとヘルタヴォーグと昼食を食べ終わると2人の男が館に現れた。


「よく来てくれた」

ヘルタヴォーグが立ち上がって入り口まで行って2人を歓迎する。

2人がヘルタヴォーグに頭を下げると後を着いてくる。


「ジェイド、セレスト、お前達の講師だ。2人とも名を名乗れ」

その声で2人が前に出て挨拶をする。


「僕の名はハルカコーヴェ」

「俺の名はワタゲシ」


名前からしてハルカコーヴェがエルフ。ワタゲシがドワーフだろう。

だが2人の外見的差は人間のそれと大差はない。


その時、ジェイドはハルカコーヴェと名乗った男の顔にピンと来るモノがあった。

そのままヘルケヴィーオを見る。


「ハルカコーヴェはヘルケの?」

「気が付いたか。そうだ。ハルカコーヴェは我が息子だ」


「息子と呼ばれるのは懐かしいです。ご無沙汰しています母上」

「元気そうで何よりだ。変わらぬか?」


それだけでヘルケヴィーオとハルカコーヴェの会話が終わってしまう。



「ハルカコーヴェにはセレストの講師を、ワタゲシにはジェイドの講師を頼んである。

食休みの後、午後から訓練を始めてくれ」


「了解です」

「わかった」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ