表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/172

第80話 ジルツァークの懸念。

ジェイドが起きると日の出はとうに過ぎていた。

寝心地の良いベッドに身体を沈めたせいか、イロドリと会話をしたからかかなり深い眠りについていた。

もう少し寝ていたい気持ちを振り切って起きたジェイドが寝室を後にして食事を摂ったリビングに顔を出すと不機嫌そうなジルツァークが居た。


「ジル、おはよう」

「早くないよー」

ジルツァークが口をとがらせて拗ねている。


「済まない。疲れが出たようだ」

「うん。それはセレストが言ってたよ。

ジェイドは3人の中で誰よりも先に寝たのに起きてこないって。

だから仕方ないけど…でもこの状況が嫌だったんだよー」


そう言うジルツァークの目線の先には目にクマを作っているセレストが少し辛そうにしていて、ミリオンは朝風呂に入ったのか上気した顔で濡れた髪を乾かしていた。

確かに3人の一体感は無い。


「確かにここは想像していなかった住処だな」

ジルツァークが味方でイロドリが敵の場合を考えるとエルフの住処で骨抜きにするのかもしれないなと思った。


「ジェイドはあまり代わり映えしないね」

ジルツァークが嬉しそうにジェイドに言う。


「ああ。昨日のヘルケヴィーオに言われた事が気になっていて眠る時もその事とこの先の事を考えていたんだ」

「亜人王の事?」


「ああ。そしてモビトゥーイだ。ヘルケヴィーオに言われてもう一度考えたがどう言う攻撃をしてくるのか想像もつかない。俺達の技が通用しない場合を考えていないわけではないがワイトが倒せた以上、俺達にも出来ると思ってしまっていた」


「そうだね…。きっと私がそこら辺を調べたり説明をしたら干渉値が大きく変わる。

それこそ五将軍が蘇るくらいの干渉値が行くかもしれない」


そこにヘルケヴィーオが朝食を持って現れる。


「おはよう」

「おはようヘルケ」

ジェイドとヘルケヴィーオは昨晩会っていた事を悟らせない完ぺきな対応だった。


「よく眠れたか?」

「俺はな、セレストが寝不足だ」

ジェイドが笑いながら言うとヘルケヴィーオがセレストを見て笑う。


「それは慣れてもらうしかないな。朝食を食べたら外に出て昨日の門に来てくれ。

先に聖剣と聖鎧の話を済ませよう。その後はエルフの長に会ってもらう」

テーブルに朝食を置くとヘルケヴィーオがエルフの長と言う。


「わかった」

ジェイドは普段の幹事で了解をする。


「なんで!?どうして?」

ジルツァークが慌ててヘルケヴィーオに食って掛かる。


「ジル?」

「ジルツァーク?」


「聖剣と聖鎧は仕方ない。でもエルフの長に会う必要は無いでしょ?」

「長期滞在になれば顔合わせは必要だ」

ヘルケヴィーオがジルツァークの疑問を一蹴する。


「…」

「ジル、エルフの長がもしかしたら亜人王やモビトゥーイについて何か知っているかもしれない。もしエルフの長がそこで嘘をつくのならジルが教えてくれればいい。それこそ信頼に値するかわかる」


「うぅ…。うん」

「なら決まりだな。では私は門で待つ」

そう言ってヘルケヴィーオは去って行く。


「ほら、さっさと食事を済ませて用意をして行くぞ」

「…もう。お姉さんのミリオンはお風呂でダメだしセレストもこの調子だとアテにならないし。

やっぱりジェイドだね」

ジルツァークが上目遣いにジェイドを見る。


「そうか?」

ジェイドが笑いながら朝食を食べる。

人間界でも食べられるパンと卵焼きとソーセージだったのだがこれも夕飯同様に今まで食べた中で1番美味しい朝食だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ