表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三分の一の勇者は不死身なので何をしても勝つ。  作者: さんまぐ
人間界の先に着いた復讐者。
74/172

第74話 別の神が生み出した存在。

突然現れたヘルケヴィーオの行動に腹を立てたジルツァークが睨むがヘルケヴィーオは気にせずに話を進めて行く。


「別にあなたの世界を台無しにはしないわよ。ただ、今回も勇者を助けようとしただけよ。ジルツァークは亜人界を見るだけで干渉値がモビトゥーイに渡るのよね?」

「………ええ、そうよ」

ジルツァークが憎々しい表情で答える。


「じゃあ、今も見ていないで推察で話をしていると言う事よね?本当に安全かなんてわからないじゃない。もし五将を生贄にして大軍を一気に生み出して人間界を襲わせることだって可能よね?」

ジルツァークに生み出されていない存在であるヘルケヴィーオはジルツァークの提案に異を唱え疑問を口にするとそこにジェイドが同調をした。


「確かにそうだな。狙いが俺達か人間界かわからないが油断をした所を狙う可能性はあるな。ミリオン、魔法に余裕はあるな?俺達がここを離れたらポイズン・ウォールでもう一度塞ごう」

「ええ」

ジェイドの提案はもっともだとミリオンが賛成をするがヘルケヴィーオは違っていた。


「駄目よ。あの魔法の毒性はとんでもないからこの綺麗な草原が台無しになってしまう。

上層界を抜けて亜人界に入ったらにして」

「だが…それでは…」

それでは万一の時に人間界が危険に晒されると言おうしたジェイドだったがヘルケヴィーオが理由を説明する。


「それこそジルツァークに干渉値を払って見守ってもらいなさいよ。亜人界の端からこの穴までは2日かかるからエルフの街から穴までは半日なのよ。間に合うでしょ?」

「…そうか。頼めるかジル?」

珍しくジルツァークがジェイドの言葉を無視する。


「………」

「ジル?」


「やるよ。でもヘルケヴィーオの思い通りになるのが嫌なの!!」

「大丈夫だジル。俺はジルを信じる」

ジェイドがジルツァークの目を見て信じると言う。


「え?」

「へぇ…」

面白そうにジェイドを見るヘルケヴィーオ。


「一日も早く亜人を滅ぼす為にエルフの住処には行く。だがそれが夜ならジルの意見に従って宿なり住処の空き地なりにテントを張ったらそこから出ない。誰も迎え入れない」


「面白い考えをするな。勇者、名は?」

「俺がジェイド、こっちの男がセレスト。こっちがミリオンだ」


「覚えた。それならジルツァークも不満はあるまい?ジェイド達には家を1軒貸してやろう」

「…ジェイド?本当に約束を守ってくれる?」

ジルツァークがジェイドの顔を覗き込んでくる。


「ああ、だがどうした?何が心配なんだ?」

「エルフやドワーフ、ドラゴンは私が産んだ命じゃないから私の言う事を聞かないんだ。

だから干渉する事もできないんだよ。それにもしかしたらモビトゥーイの手先になっているかもしれないでしょ?」


ヘルケヴィーオが「酷い言いがかりだな」と言って笑うとジルツァークが睨む。

ジェイドは何の問題もないとジルツァークに話しかける。


「それはもう考えた。これが罠だとしてもいざとなればジルに干渉値を払ってでも乗り切るし、そうならないように俺が何とかするさ」

そこまで話してようやくジルツァークの顔が明るくなる。


「じゃあ、夜は外に出ないでね。私の居ない所でエルフやドワーフ、ドラゴンとは会わないでね」

「わかったよジル」

「はい、仰せのままにしますジルツァーク様」

「ご安心ください。ジェイドがフラフラしていたら僕が捕まえます!」


「それではヘルケヴィーオ、住処まで案内してくれ」

「ああ、だが私の事は長いと呼びにくかろう?ヘルケで構わないぞ」


そう言って5人は前進をした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ