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三分の一の勇者は不死身なので何をしても勝つ。  作者: さんまぐ
人間界の先に着いた復讐者。
70/172

第70話 多対一。

ミリオンはジルツァークが出した光に映し出されたジェイドを見ている。

ジェイドは身体に纏わりついてきた亜人共を振り払いながらセウソイに殴りかかっていた。


「くっ、中々やるな不死者め!」

ジェイドは攻撃の切れ目を狙われてセウソイの金棒で吹き飛ばされるがすぐに立ち上がって殴りかかる。


その顔は歓喜に満ち溢れて居た。



「ジェイド、嬉しそう」

「ジルツァーク様」


「なに?」

「ジェイドは常日頃から亜人の事ばかりを考えているのですか?」


「うん。4年前から毎日休む事なく亜人を滅ぼす事ばかりを考えているよ」

「じゃあセウソイとの戦いも…?」


「そうだね。セウソイが大軍のセウソイとは知らないから、不死身の敵が出てきたら絶望をさせて倒そう。毒使いの敵が出てきたら毒が効けば毒で、効かなければ別の方法で倒そう。大軍指揮の敵が出てきたら…って考えていたんだよ」


「てっきりアトミック・ショックウェイブで一気に滅ぼしてしまうと思いました」

「残念♪まだまだだねミリオンは、ジェイドに芸がないって言われると思うよー」

ジルツァークが嬉しそうに笑いながら言う。


「芸…ですか?」

「うん。そろそろジェイドの復讐が始まるから見てあげなよ」

そう言われたミリオンが壁に映るジェイドを見る。



「お前の特技は大軍指揮だよな!?」

そう言いながら金棒だろうが何だろうが気にせずに殴っていく。

さっきからジェイドの攻撃はセウソイの鎧や金棒。部下たちに守られて直撃をしていない。


「その通りだ!」

「だったらたった1人に大軍指揮なんて無意味だろ?ザマァねぇな!」

そう、大軍に1人ならばセウソイの持ち味は無駄になるかもしれない。

それがセウソイ用の倒し方なのかとミリオンは考えていた。


「ぬかせ!1匹の人間だろうが我が軍力を持って全力で叩き潰してくれるわ!」

また攻撃の切れ目を狙われたジェイドはセウソイの金棒がクリーンヒットして大きく吹き飛ぶとそこに亜人共が群がってジェイドを袋叩きにする。


「うはははは!思い知ったか!」

傷ついて行くジェイドを見てセウソイは喜ぶがジェイドは剣が刺さろうが槍で貫かれようが全てを無視をして起き上がると反撃で手当たり次第に亜人共を殺していく。



「貴様!」

「ふ…ふふふふふ…はははははははは!」

ジェイドは笑いながらセウソイの前まで走ると攻撃を加える。


また攻撃の切れ目で反撃に遭うかと思ったのだが今回は遭わない。


「バカにすんな。一度目で対応したんだよ。二度目以降はわざと喰らう事で釣ってやったら見事に引っ掛かったな?」

ジェイドは喜びながらセウソイの頭を棍棒で殴ると背中に回る。

セウソイは頭を殴られた衝撃で一瞬フラついてジェイドに背中を晒してしまう。


そして…



カチッ


この音はミリオンには聞き覚えがあった。


「主人は俺だ」

ジェイドがそう言うともう一度カチッと言う音がする。


「貴様!」

慌てるセウソイがジェイドを見ると金棒を振りかざす。



「おいおい、ご主人様に歯向かうと痛いんだぜ?」

ジェイドが笑うとセウソイの首に激痛が走る。


「ぬぅぅぅあぁぁぁっ!?」

激痛で膝をつくセウソイ。

セウソイの首には「奴隷の首輪」が装着されていた。

かつてつけられたミリオンはあの衝撃を知っている。

強制力を知っている。


だからこそ映像の先、亜人と言えど身震いをしてしまった。

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