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第59話 毒を以て毒を制す。

解毒薬を飲んだエムソーの顔色がみるみるうちに良くなっていく。


「よし、解毒薬の効果は本当みたいだな。ミリオン、セレスト、量産してくれ。材料ならこの沼地でも揃うだろう?」

突然の提案に驚くセレストとミリオンだったが確かに材料はありきたりのモノなので作れない事は無い。


「え?」

「ああ…」

「俺は出来上がるまでこのバカをタコ殴りにしておく」


「な…何…」

「まあお前にとってもラッキーなんだぜ?モビトゥーイがもしかしたら弱ったお前を助けるためにジルツァークに干渉値を与えてでも援軍を寄越すかもしれない」


そこではたと気づいたエムソーが弱々しい声のまま「モビトゥーイ様!お助けください!」と言うが何も起きない。


「残念。声が届かなかったのかもな」

そう言うとジェイドがこん棒でエムソーを殴る。


「お前は解毒薬が完成するまでこうして俺に殴られるんだ。あっさり死ぬなよ?」

そう言って再度殴るジェイド。


セレストとミリオンは協力をして材料を集めてくると解毒薬を作る。


「出来たわ!」

先に完成させたミリオンが予備の空き瓶に居れた解毒薬を持ってくる。


「ふむ。見た感じはほぼ同じだが、ミリオンの方が濁っている気がするな」

ジェイドはそう言うとエムソーに小瓶の一つを飲ませる。

それは先ほどの毒カズラの毒でエムソーはあっという間に血反吐をはいて苦しむ。


「ほら、ミリオンの解毒薬を飲め」

そう言って出来たばかりの解毒薬を飲ませるが効果がイマイチに感じる。


「…火…強い…、煮過ぎ…」

エムソーが息も絶え絶えになって言う。


「なるほど…。ミリオン、やり直しだ」

「えぇ…?」


「早くするんだ」

その声でミリオンが渋々作業に戻る。


「僕が出来たぞ!」

今度はセレストが持ってきた解毒薬を見る。色は確かに透き通っていて先ほどの解毒薬に近いが匂いがキツい。


「まあ、いい。飲め」

そう言ってエムソーに飲ませてみると顔色なんかは良くなったのだが…。


「ぎぃぃぃぃ、痛い痛い痛い!」と叫びながら痙攣をする。


「おい、何がいけない」

「煎じか…ぎぃぃぃ!!?粗…らららららっ!?」

痛みで痙攣するするエムソーは満足に喋れない。


「ふむ。煎じ方が粗いようだな。やり直せ」

「何?十分じゃないのか!?」


「じゃあお前の解毒薬は今日からこれだからな」

「……」

セレストは青い顔をして今も足元で苦しむエムソーを見る。


「ちゃんと作るよ」

「そうしてくれ」


その後も2人は苦戦をした。

一番簡単なのは材料を煎じるのはミリオンで煮詰めるのはセレストがやる事なのだがジェイドはそれを認めようとしない。


一度2人の合作で復調したエムソーにジェイドは色々と質問をする。

「答えれば殴られない。答えなければ殴る。簡単な話だ」

そう言ってエムソーの毒の知識を引き出して書き記していく。


「なるほどな、毒ウサギの前歯にしてもただ歯を抜いて毒液を抽出するのではなく、根元の強力な毒のみを集めると効果的なんだな。それと煮詰める際もゆっくりと時間をかけると濃縮された毒になる場合と無毒化してしまう場合があると」

ジェイドが納得をするとエムソーは何とかジェイドの機嫌をとりなそうとコクコクと従順に頷く。

ジェイドはその間に火に強い毒と弱い毒を聞く。


「今度こそどうかしら!」

ミリオンが持ってきた解毒薬は色も匂いもおかしい点はない。


「よし、試そう」

そう言うと早速毒ウサギの前歯、それも根元の毒をエムソーに飲ませる。

途端に血の涙を流すエムソーにミリオンの解毒薬を飲ませると副作用も無く効果が発揮される。


「成功みたいだな。ミリオン、お疲れ」

「ふぅ…何とかなってよかったわ」


「じゃあセレストが出来上がるまで大量に作っておくんだ」

「えぇぇぇぇぇ?」


ミリオンが不満げに返事をするとジェイドは「いいからやるんだ」と睨みをきかせる。

ミリオンは渋々解毒薬の作成に入るとセレストが「今度こそ!!」と言って解毒薬を持ってくる。

ジェイドは何事も無いようにエムソーに毒トカゲの毒を服用させてから解毒薬を飲ませる。

こちらも問題なく解毒作用を発揮した。


「よし、セレストも残りの材料で解毒薬を作るんだ」

ジェイドがそう指示を出してからエムソーを見る。


「残念だったな。時間切れだ」

「ひっ!?」


「今まで沢山時間があったのにモビトゥーイはお前を助けなかった。…わかるな?そう言う事だ。命乞いは不要だ。お前達も人間の命乞いを無視するだろ?俺もだ」

一気にそう言うとエムソーの頭を棍棒で殴りつけるジェイド。


エムソーは絶命こそしなかったが気絶をする。

その身体を持ち上げると沼の淵まで行ってエムソーの身体を置く。

「何か縛るものが欲しいな。後は重石だ。浮かんできては景観が良くない」


ジェイドが1人で辺りを見渡すと数秒でスワンプワームが飛び出してきてエムソーを丸呑みして沼の底に沈んで行った。


「新発見だな」

「え?」


「俺は大きな個体を全て滅ぼしたのだが今の個体は成体だった。恐らく球根が生命の危機を感じると幼体を無理矢理成体にして守らせるんだろう」

「…それも帰ったら学者に教えてあげてね」


「了解だ。薬が出来上がったら再度洞窟に入ろう」

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