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第57話 待ち伏せする勇者。

入り口に戻ったジェイドがミリオンに「とりあえず3発だ。それで出方を待つ」と言う。


「セレスト、辺りと洞窟の出入り口を見ておけ」

「了解だよ」

復讐スイッチの入ったジェイドは一気に口が悪くなるのでわかりやすい。


「ミリオン、ファイヤスネークだ。1発目の後は1分待って再発動。その後は洞窟の中、先程俺たちが居た位置にフレイムポールだ」

「了解。始めるわ。ファイヤスネーク!」


ミリオンの出した蛇のように這いずる炎は洞窟の中を走る。

「よし、セレスト!地上に噴き出てくる火は見えるか?他の出口は見えるか?」


「だめだ!よくわからない!」

「よし、エア・ウォールで足場を作るから乗って上から見ろ!」


了解だと言ってエア・ウォールに乗ったセレストが「前方11時の方角に火が出る穴が見えるよ!」と言う。


「でかした!真空剣で穴を崩せ!魔物共を外に逃すな!」

「ジェイド!距離がありすぎる!剣の距離まで進んでいいか!?」


「好きにしろ!」とジェイドに言われたセレストが穴を塞ぐと戻ってくる。


「塞ぎはしたが亜人がいたらあの程度なら開けてくるぞ?」

「…それもそうだな。まあ毒使いの周りに普通の亜人は居ないと思うが用心するか…」


そう言ったジェイドはミリオンに「予定変更!辺り一帯を氷漬けにするんだ!」と言う。


ミリオンは息を整えるとフローズンジェイルで沼地に面した地面一帯を氷漬けにすると疲労から膝に手を付いてしまう。


「疲れているのはわかるがもう一つだけ頼む。洞窟の入り口にフレイムポールだ。

奴らを酸欠にする」


ミリオンは肩で息をしながら洞窟にフレイムポールを設置するとそのまま崩れ落ちそうになるがそれをセレストが抱きかかえる。

ジェイドはエア・ウォールを入り口に設置して蓋をしてしまう。


「ありがとう」

「いや、僕はたいして仕事をしていないからこれくらいするよ」


「一先ず休憩だ。だがセレスト、お前はこの後が見せ場だからな。気張れよ」

ジェイドが嬉しそうに笑って穴の出入り口を眺める。


「え?」

「洞窟が崩落して聖鎧が埋まると回収が大変だからアトミック・ショックウェイブは使えないからな。こんな作戦しかできないのが苛立つが仕方ない」

そう言ってゆっくりと洞窟のほとりで休んでいるとドタバタと音が聞こえてくる。


「セレスト、出番みたいだな。

ミリオン、少しは回復したか?」


「僕の出番?」

「私は平気よ」


「よし、ミリオンは先にセレストが真空剣で崩した出入り口にラージボムの魔法を放って出口に集まる魔物共を吹き飛ばしてくれ。

セレストはそこの出入り口に溜まった魔物の掃除だ」


「何?」と言って出入り口を見たセレストが「わっ!?」と小さく悲鳴を上げる。


「セレスト?」

「魔物がビッチリと洞窟の出入り口に張り付いてる…」


「セレストの剣なら俺のエア・ウォールを破壊可能だよな?」

「…勿論だ」


「よし、じゃあ頼む。

あの量が溢れてくると流石にミリオンは怪我をするからな」


そう言われたセレストは「連続鉄破!」と言って無数の突き技をエア・ウォール越しに魔物達に浴びせていく。

突き技なのでエア・ウォールに穴は開くが崩れないので魔物達は未だに洞窟から出てこられない。


その間にミリオンはラージボムの魔法で洞窟の出入り口を吹き飛ばしてしまっていた。


「ミリオン、ナイスだ。後はセレストの間を縫ってファイヤスネークを放ってくれ」

「ジェイドは?」


「俺はお前達を守るんだよ!」

そう言ってセレストとミリオンの前に出るジェイド。


セレストがエア・ウォールを破壊すると同時にミリオンがファイヤスネークを放つ。

ようやく出口まで来ていた魔物達はミリオンの火で焼かれていく。


そんな魔物達をかき分けて大柄な男が飛び出して来た。

男は大きく息を吸いながらセレストに向かって細身の剣を振ってくる。

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