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第49話 両親の馴れ初め。

話しの後は5人で食事を取ると男女に分かれて風呂に入る。


今晩の客はジェイド達だけだったので風呂は貸切になる。

脱衣所では3人が服を脱いでいた。


「セレスト…淡い期待はよせよ」

先に服を脱ぎ終えたジェイドがまだ脱ぎ終わらないセレストに声をかける


「ジェイド!?」とセレストが驚きながらジェイドを見ると、ジェイドはタオルで大切な所を隠そうともせずに浴場を目指す。


「ポゥ、さっさと行こう」

「はい!」

そういうポゥもタオルで隠さなかったので見えてしまった。


「…………ポゥもジェイドも異常なんだ……。僕はグローバルスタンダード!世界基準!平均だ!」

セレストが誰も居ない脱衣所でそう叫ぶとガックリと肩を落とす。


ジェイドがやや大きくて、ポゥが世界基準で、セレストが小振りなのか、

ジェイドが世界基準で、ポゥがやや小ぶりで、セレストが残念なのか、

ジェイドが異常で、ポゥがやや大ぶりで、セレストが世界基準なのか、

それは誰にもわからないが今この場だけでは順位が決まってしまっていた。



そんな風呂から出た所でジェイドとばあやがグリアの話を始めた。



「坊ちゃん、城が沈んでしまいました」

「ああ、あれは俺がミリオンに頼んだんだ」


「え?」

「もう誰にもグリアは汚されたくないから…。亜人達は倒したけど跡地に他の奴らが住み着くのも嫌だったんだ」

ジェイドが申し訳ないと老婆に謝る。


「そうだったんですね」

そう言って老婆がまた泣く。


「坊ちゃんの決断にエルムお嬢様や王や王妃もさぞお喜びでしょう」

「そうだと良いかな。これ…」

そう言ってジェイドが形見を見せる。


「これ、王様とお妃様の指輪でございますね!」

指輪を一目見ただけで持ち主を判別した老婆にジェイドが驚く。


「わかるのか?」

「はい。王様とお妃様はあの当時では珍しい恋愛結婚だったんですよ。

良家のお嬢様との決められた結婚を拒んだ王様がご自分で貴族達の中からお妃様をお選びになりまして、熱烈に猛アタックした結果仲睦まじい夫婦になりました」


「そうだったの?」

「はい、恥ずかしいようでお2人は坊ちゃん達には内緒にしておりました。

ほら、指輪の中をご覧ください。

やや幅広の指輪の中に文字が刻まれておりますよね?」


「え?本当だ…。知らなかったよ」

「ふふふ。読めますか?」

老婆が嬉しそうにジェイドに説明をする。


「…うん。「バルトからナイルへ愛を誓う」って書いてある」

「お妃様の方もご覧ください」


「あ…、こっちは「ナイルはバルトと共に」って書いてある」

「この言葉はお二人が悩んで内緒で彫り合ったモノなんですよ」

老婆が懐かしみながら泣く。


「でもなんでばあやが秘密なのに知っているの?」

「ふふふ。2人ともお互いが私に話すなんて思っていないから指輪の話をしながらなんて彫るかを教えてくださいました」


「そうだったんだ。ありがとう。知れてよかったよ」

「いえ、それでこちらの髪飾りはエルムお嬢様ですね?」


「うん。エルムは髪飾りが好きだったから、あのグリア最後の日も髪飾りは付けていたんだ。

きっとばあやに花をつけて貰ったからそれから好きになったのかも知れないよ」

「だとしたら嬉しい限りです。坊ちゃん?こちらのリボンは?」

老婆がカナリーのリボンに気付く。



「これはカナリーの物なんだ」

「カナリー?」

老婆は初めて聞く名に首をかしげる。


「詳しくは話せないが俺たちの戦友だよ」

「坊ちゃんはその方と仲良しなのですね」


「え?なんで?」

「とても愛おしそうに話しておりました」


「…そうなのかな?

会って数時間しか一緒に居られなかったからわからないな」


その話の後で老婆やポゥは形見達に手を合わせる。

ジェイドはありがとうと言って頭を下げていた。

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