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第38話 不死身対不死身。

「うきょ?」

「ふん、殴れば何とかなるんだよ」

ジェイドがこん棒を片手に嬉しそうに声を上げる。


「うきゃきゃ…。だが問題ないもんね。死体なんてこの国には沢山あるだろ?補充は可能さ。

それにその背中の箱、中身は死体だろ?僕にはわかるんだよ一緒に動かしてあげるよ」


「誰がさせるか!」

「甘いよ!僕の支配は人間ごときには阻止できないよ!」

スゥは嬉しそうに右手をあげてカナリーの亡骸を動かそうとする。


「そうはいくか!ジル!干渉値は気にしない。カナリーの亡骸を守ってくれ!」

「うん。やるよ」と言ってジルツァークが現れて棺とその中のカナリーを光のヴェールで包んだ。


「セレスト!ここは俺が受け持つ!お前はカナリーを安全圏まで逃がせ!聖剣の力で街の亜人共を殺しながら安全圏に行け!」

そう言ってカナリーの棺をセレストに渡す。


「ミリオンはセレストと退避だ」

「ジェイドは!?」

ミリオンが心配そうにジェイドの顔を見る。


「俺はこの馬鹿を殺してから合流する」

ジェイドがニヤりと笑いながらスゥを見る。


「うきゃ?コイツ本当にバカだぞ?僕は死なないのに殺すつもりで居るぞ?」

不死身のスゥもニヤニヤとジェイドを見る。


「そう、お前は不死身なんだよな?嘘じゃないよな?」

「うきょ?嘘をつく必要なんて無いだろ?お前は僕に勝てないで力尽きるんだよ。お前達が死んだら動く死体の末席に加えてやるからな!」

スゥが嬉しそうに笑う。


「セレスト、そう言う事だ!ここは俺がやるからお前にはカナリーを任せるからな」

ジェイドがそう言うと起き上がった兵士たちをかき分けながら前進をしてスゥに殴りかかっていた。


ジェイドがスゥの頭を棍棒で殴るとスゥは「ペケっ!?」と言う声を上げて吹き飛ぶがすぐに起き上がり「無駄無駄無駄無駄無駄」と言って小躍りをする。


その間も攻めてくる兵士やメイドの亡骸をジェイドは片っ端から破壊していく。


「セレスト!行け!」

その声でセレストとミリオンは足早に中庭を後にする。

向かってくる兵士の亡骸にセレストか「真空剣!」と言って風の刃を飛ばすと今までの3倍の大きさと速さで風の刃が亡骸達を斬り飛ばしていった。


「…凄い…、これが聖剣のチカラ…」

セレストは思わず身震いをしてしまう程に感動していた。


それを見ていたジェイドは兵士の槍に貫かれながら嬉しそうに「よし、あの力があればより多くの亜人共を殺せるな」と言う。


兵士の槍で貫かれて平然としているジェイドを見てスゥが何かを思い出した顔をする。

「うきょ?そうだ。体の勇者は不死身なんだ。不死身対不死身の不毛な戦いだぁ〜」

そう言ってスゥはまた小躍りをする。


「不毛ね?お前は何もわかっていないな」

ジェイドはそう言うと群がったメイドの亡骸、立ち向かってくる兵士の亡骸をこれでもかと破壊していく。



「お前達、グリアはもう無い。

俺は最後のグリア王としてお前達から逃げない。

…………責任を果たす!」

ジェイドが亡骸の群れに突き刺されようが纏わりつかれようが気にせずに破壊する。

そして前に進めればスゥを殴る。


「うきょ?痛え!でも不死身の僕にそんな攻撃は意味ないよ〜」

スゥがこれでもかと小躍りをしながら挑発をしてくる。

その動きにスゥが自身の不死を信用している事がわかる。


「…そうだな。時間かかるかもな。ジル!セレスト達にゆっくり待っておけと言っておいてくれ」

ジェイドは兵士の槍や剣をものともせずにジルツァークに話しかける。


「うん。いいよ〜」とジルツァークが返事をしながら消えると街の外を目指す。


「よし、これでやり合えるな」

ジェイドが腹に刺さった剣を抜きながらニヤリと笑ってスゥを見る。


「うきょ?もう意味ないのにバカだなぁ〜」

スゥは飽きずに小躍りを繰り返しながら兵士の亡骸を差し向けてきていた。

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