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第35話 グリア到着。

あの寒村を出発して2日が経った。

間に一つ村があったが補給は十分にあったし余計なトラブルには巻き込まれたくないのでジェイド達は村を無視して進行をし、ようやくグリアの城が見えた。

城にかつての美しさはかけらもなく城下町も荒れ放題で民の死体が至る所に散乱していた。


「4年も経つのにこの有様か…」

ジェイドの声は怒気を孕んでいた。


「ジェイド…」

ジェイドの怒りを察してセレストは何を伝えるべきか悩んでいた。


「どうするの?」

「まずは脇目も振らずに城へ行き聖剣を奪い返す。その後亜人共を皆殺しにする。民達の埋葬は後だ」

ジェイドの顔は怒りに満ちていたが考えられなくなるような状況ではない。



そう言ったところでジルツァークが出てくる。

「ジェイド〜、ヤバいよぉ」

「ヤバい?どういうことだ?」



「うん。この気配、五将軍がいるよ」

「ほぉ…、誰かわかるか?」

五将軍は勇者ワイトの時代にも現れて死闘を繰り広げた亜人だ。



「干渉値の事があるからこれ以上は言いたくないよ」

「そうか。だが確かに五将軍が居るんだな?ふはははは…待ちに待った展開だ。

しかもグリアと言うのが心地いいな」

ジェイドが嬉しそうに高笑いをする。

カナリーのお陰で冷静な部分が残ったが相変わらず復讐者である。



「ジルツァーク様?」

「何?セレスト?」

セレストが申し訳なさそうにジルツァークに質問をする。


「あの、伝説では勇者ワイトが五将軍を討ち取ったはずでは?」

「うん。ワイトはキチンと五将軍を倒したけどまた新しい五将軍が生まれたんだよ。多分モビトゥーイがもう一回生み出したの」

ジルツァークが顎に人差し指を当てながら話す。


「それは?」

「多分、99年の間に生み出したり、4年前、ジェイドの大切な部分を守った時の干渉値をモビトゥーイが使って生み出したのかも」

ジルツァークが申し訳なさそうに言う。


「何を言う?気にする必要はない。倒すべき敵が居る。それも奴らの住う穴の向こうではなく人間界でだ!こんなに喜ばしい事はない!」

そう言ってジェイドが更に笑う。

嬉しくてたまらないのだろう。


「ジェイド、聖剣は城にあるのか?」

「恐らくな。生半可な亜人に持ち出せる代物ではない」

そう言ってジェイドは城を見た後、カナリーの棺を抱えたまま走る。


「ジェイド!カナリーを下ろさないのか?」

「俺の読みが正しければ手放せない!」

セレストの心配ももっともで中のカナリーがおかしくならないように緩衝材の意味合いもあって花で埋め尽くしてあるがそれでも乱暴にすれば傷がつく。


「読み?」

「そうだ。奴らは亜人。人間の想像を超えた攻撃をしてくる」


ジェイドがそう言った時、家々から亜人共が現れる。


「亜人!」

「今はまず聖剣だ!セレストが聖剣を持てば1000やそこいらの敵に負けなくなる!」

ジェイドが目の前に立ちはだかった亜人を棍棒で殴りながら前に進んでいく。


「ジェイド!聖剣が破壊不能なら魔法で街ごと吹き飛ばすのは?」

ミリオンは防人の街を吹き飛ばした時の話を思い出してジェイドに提案をする。


「済まない!まだそれはやめて欲しい!」

そう言ったジェイドの顔には悲壮感があった。


「わかった!ジェイドは聖剣まで案内してくれ!」

「攻撃の指示もいつでも言ってね!」


「助かる!」と言ってジェイドはかつて栄えていた路地を走り抜けていた。

ジルツァークは何も言わずに後ろを着いてくるだけだった。

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