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第17話 新しい朝。

スキンシップを取るようにリアンに提案をされたセレストが嬉しそうな顔でジェイドを見る。


「そ…そうか。そうだな!よし!起きろジェイド!」

「ちょっと兄様!」


「ん?セレスト…朝か?俺は…起きられなか…うわぁ!?リアン!?」

「はい。ジェイド様、おはようございます!

ジェイドはベッド横で笑顔のリアンに気付いて慌てる。

そして服装を見て更に慌てたのだ。


「ま…まさか一晩中?」

「はい。ジェイド様が手を離してくださいませんでしたので寝姿を一晩中見させていただきました!」

リアンの笑顔に何も言えなくなったジェイドは真っ赤な顔になる。


「!!?すまない!」

ジェイドはベッドがら飛び起きるとリアンに深々と頭を下げる。


「ふふ、そのお姿のジェイド様にお会いするのは初めてですね。

初めまして。

ブルアの姫、リアンです。

昨晩は命を賭して助けてくださってありがとうございました」

「え?いや…姫を一晩中も…」

ジェイドは慌てふためいたままキョロキョロと挙動不審になる。


「ジェイド〜。お前よくも僕の妹を…」

「セレスト!?違う!」

セレストはジェイドの肩に腕を回して意地悪く笑ってから「覚悟しろよ?うちの父上はリアンを溺愛しているからな」と言う。


「何!?これは本当に何もないんだ!」

ジェイドが更にキョロキョロしながら必死に弁解をしようとする。


「知ってるさ。少しからかいたくなったんだ。まあ父上への弁明は考えておいてくれ」

セレストが嬉しそうに言って笑っていると、そこにミリオンとジルツァークがやってくる。


「おはようございます」

「おはよー」


「ジル、ミリオン。おはよう」

「これは何の騒ぎ?あら?リアンさんの召し物が昨晩の…」

ミリオンがリアンを見て不思議そうに言う。


「違う!決して何もない!」

「ふふふ、嘘よ。ジルツァーク様がそう言えって教えてくださったの」

嬉しそうに笑ったミリオンがジェイドに言うとジェイドは驚いてジルツァークを見る。


「ジル!?」

「ジェイド、久しぶりに優しく笑ってるよ〜」

ジルツァークは嬉しそうにふわふわと浮かびながら笑う。


「え?」

「さぁ、ジェイド様、朝ご飯を食べたらお風呂に入ってたっぷりのお湯に身を任せて来てください。父様達に会うのはその後です」

リアンが嬉しそうにジェイドに指示を出す。


「え?いや、俺達はブルア王に会って一日も早く先に進まないと…」

「ダメです!4年ぶりのお風呂が先です!父様は待たせておけばいいんです!兄様も一緒に朝風呂なんていかが?」

スキンシップが大事と言ったリアンがセレストに風呂を勧めるのはもっと仲良くなれと言う事だ。


「…そうだな、悪くないな」

「そして自身が粗末だと言う自覚をお持ちになりなさい」

冷たい目でセレストを見てリアンが鼻で笑う。


「何!?僕は粗末じゃ…」

「井の中の蛙大海を知らずという奴ですわ。ジルツァーク様、ジェイド様の大切な物をお守りくださりありがとうございます」


「リアンが感謝するの〜?」

「はい。ブルアの姫として勇者様を1つにする為にも私はジルツァーク様に感謝を申し上げます!」


勇者を1つに。

その意味を知っているセレストの表情が強張ってジェイドを睨む。


「ジェイド?」

「セレスト…声が怖い。それに俺は何も…」

ジェイドは昨日までの印象を払拭するように表情をコロコロと変えながらセレストに弁明をする。


「それはそれで不愉快だ。リアンの何が気に入らない?」

「落ち着け!気にいるとかいらないとかではない!」

そう言って言い合いになる2人。



「ほらほら、さっさと朝ご飯を食べましょう」

最後はリアン主導で皆タジタジになる。


「こちらですよジェイド様!」

リアンがジェイドの手を引いて歩く。


その後ろ姿は、今は亡きエルムに似ていてジェイドは小さく「わかったよ。転ぶぞ」と言った。

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